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昨日は、PMVを使って窓開けの効果を書いてみました。
今日は、快適さを測る指標について書いてみようと思います。
まずは、快適の6要素についてから・・・。
人間の体温調節に影響を与える要素を『温熱環境要素』と呼ぶそうです。
参考までに、私の周りの値も書き添えておきます。
空気温度/26.1℃
湿度/62.7%
気流/0m/S
放射(輻射)/26.1℃
以上4つの環境側要素と
在室者の
着衣量/0.9clo
活動量(代謝量)/1.1Met
以上2つの人間側要素があり、これらは温熱快適性の6要素と呼ばれています。
さて、指標の話です。
一番耳にする指標と言えば『体感温度』かもしれません。
体感温度とは、人間が肌で感じる温度を『リンケの式』で数値化したもの。
気温
風速
の2要素だけで判定します。
リンケ曰く『風速が1m/S大きくなれば、体感温度が1℃下がる。』との事。
でも微風ではそうなりません。
リンケの体感温度式は以下の通りです。
L=気温(℃)-4×√風速(m/S)
気温26.1℃、風速0m/Sだと体感温度は26.1℃となります。
逆に最近あまり耳にしなくなったのは、不快指数かもしれません。
夏の蒸し暑さを表す指標として、1957年アメリカで考案されたそうです。
不快度を指数で示しますが、年齢・人種・性別・季節差・慣れなどにより差異が発生します。
よって、アメリカと日本でも不快指数とその感じ方は違うようです。
不快指数(DI)が70以上であれば、アメリカ人は一部の人が不快と感じますが日本人は感じません。
75以上だと、半数が不快/やや暑いとなり
80以上だと、全員不快/暑くて汗が出る
85以上だと、暑くてたまらないとなるようです。
ギリギリDI=75以内ですから、問題無し。
そして、昨日使った指標がPMVです。
暑い時に発汗して体温を下げる。
寒い時には震えて熱をつくり、手足の血管を収縮させて放熱を防ぐ。
こうしたメカニズムを有するのが人体です。
暑くも寒くもない時は、体温調節のストレスから逃れ、脈拍・血圧ともに安定し、快適な健康状態となります。
この状態を『中立』と表現し、温冷感を7段階の尺度で示したのがPMV(予測平均温冷感申告)です。
中立な状態でも、100%の人が満足する訳ではありません。
これを示すのがPPD(予測不快者率)とPMVの関係を示したグラフです。
PMVがゼロでも5%の人が不満をもつと予想され、国際標準化機構(ISO)ではPMV±0.5以内(不快者率10%以下)となる温熱環境を推奨しています。
計算してみました。
PMV:0.96
PPD:25%
やや涼しいというところでしょうか。
そして最後はSET*(新標準有効温度)という指標です。
相対湿度50%
風速0.1m/S
軽装(0.6clo)
軽作業(1.0Met)
の環境に換算することで、異なる条件での快適性を比較できます。
上記の標準環境での快適な温度範囲は22.2~25.6℃。
満足度が80%以上の範囲となります。
下グラフによれば、冬服(1.0clo)にすれば、19.5~23℃になるようです。
また風速が大きくなれば、快適温度の範囲は高まります。
同様に、湿度が下がれば快適温度の範囲は高まります。
この指標が示す快適温度、私には夏は寒すぎ、冬は暑過ぎるように感じます。
計算してみました。
29.3℃
えっ!4℃以上高い?
不快指数のように、人それぞれということなんでしょうか?
私には少し肌寒く感じます。
南雄三のパッシブ講座/通風トレーニング
南雄三 著
建築技術 刊
より一部を抜粋させていただきました。
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