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この暑さですから仕方ないとは思うんです。
時々、こんな質問を受けます。
「湿度が高いんです。」
「どこか、おかしくないんでしょうか?」
「隙間が大きくなったとか?」
そして毎回、湿度の説明をすることになります。
例えばこんな感じです。
只今の外気温度は33℃です。
相対湿度は63%。
ちなみに、この時の絶対湿度は20.1g/㎏DAです。
相対湿度?
絶対湿度?
一般的に湿度と言えば前者を指します。
でも、この相対湿度が曲者なんです。
少し話題を逸らします。
弊社が建てるFPの家は第3種換気が標準です。
特にご要望が無い限り、日本住環境㈱のルフロ400をお勧めしているんです。
機械を使って強制的にダーティーゾーンから汚染空気を排出し、居室に設置した自然給気口から新鮮空気を供給するこのシステムには、様々なメリットがあります。
でも良い事ばかりではありません。
デメリットだってあるんです。
そのひとつが、湿度に関係あるんですよね。
自然給気口から入ってくる空気は外気です。
先程の例であれば、33℃/63%の空気が室内に入って来ます。
この空気は、室内に入るとエアコンの風で冷やされることになります。
仮に室温を28℃としましょう。
この時の湿度はどうなると思いますか?
「湿度は63%のままじゃないの?」
ここで少しだけお勉強タイムです。
相対湿度とは、ある温度の空気が含むことの出来る水蒸気の最大量に対する割合を示しています。
温度33℃の空気であれば、およそ32g/㎏DAの水蒸気を含む事が出来ます。
この時の水蒸気量を『飽和水蒸気量』といいます。
そして飽和水蒸気量を含んだ空気の相対湿度は100%となります。
だから湿度63%の空気であれば、水蒸気量は32×0.63=20.16g/㎏DAとなる訳です。
先程挙がった『絶対湿度20.1g/㎏DA』とはコレを指していたんです。
空気に含まれる水蒸気量自体は、外に捨てない限り変わりません。
そのまま空気の温度を下げればどうなるでしょうか?
28℃の時の飽和水蒸気量はおよそ24g/㎏DAです。
絶対湿度は変わらず20.1g/㎏DAですから、20.1÷24.0で相対湿度は80%を超えてしまいます。
室温を26℃にすれば、なんと90%超です。
空気線図を見ると、わかりやすいと思います。
図中央のピンクの丸が33℃/63%の空気の状態を示しています。
右横に刻まれた数値は絶対湿度を示しています。
下に刻まれた数値は温度を、そして右上がりの曲線は相対湿度を示しています。
ピンクの丸をそのまま横にスライドし、温度との交点を探し、その時のカーブとの接点を読めば相対湿度がわかります。
黄色い丸は28℃、青い丸は26℃を示しています。
だから、湿度が高いのは問題ありません。
結局、相対湿度って快適さの目安にはならないんですよね・・・。
この後は『お決まりのストーリー』になります。
「えっ!じゃ-どうすれば湿度が下がるの?」
相対湿度を下げたいのであれば、室温を33℃以上に上げるのが一番簡単です。
黙っていても室温は上がります。
室温が35℃になれば55%位まで湿度は下がります。
でもこんな事言ったら、怒られちゃいます。
室温そのままで湿度を下げたければ、エアコンを使うしかありません。
エアコン内部にある熱交換器を冷たくし、そこに触れた空気を結露させ、その水分を室外に捨てる。
その繰り返しが絶対湿度を下げてくれます。
室温28℃でも、絶対湿度が18g/㎏DAになれば相対湿度は66%位です。
「でもエアコンを使うと寒くなるんだよね。」
弱冷房タイプのエアコンですから・・・。
再熱除湿タイプのエアコンなら、冷え過ぎないようになっています。
でも、再熱除湿タイプは上位機種にしか設定がない事が多いので高いんですよね。
しかも電気代も高くなります。
だって一旦冷やした空気をそのまま吹出さず、ヒーターを使ってちょうどいい温度まで上げて吹出しているんですから・・・。
もちろん、メーカーによってそれほど電気代の掛からない製品もあります。
この話、エアコン選定の際にしている筈です・・・。
そして、弱冷房除湿を選択しました。
だって再熱除湿じゃなければ耐えられないという訳じゃないですから。
着衣量で調節出来るし、カーテンを開けて敢えて日射を採り入れてもいいと思います。
もちろん、除湿機の併用を否定するつもりもありません。
忘れているんでしょうね・・・。
相対湿度問題は、冬にも再燃します。
「高断熱・高気密住宅は冬場に空気が乾燥する。」
と言われる所以です。
これも換気が大いに関係しています。
どう関係しているのか・・・。
答えは冬までお待ちください。
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