blog
東京都多摩市唐木田のビル建設現場で約40人が死傷した火災、色々と波紋を拡げそうです。
「ウレタンって、火に弱いの?」
心配になった方々が、大勢いると思います。
燃焼性や火災に関する検索から『FPの家』グループサイトへのアクセスも、増えているようです。
ウレタンは燃えるの?火災時などの人体への影響は?
https://fp-ie.jp/qanda/answer01.php
というページがあります。
参考になるかも知れませんね。
是非、ご覧ください。
よく、こんな画像を見掛けます。
「自己消火剤が混入されているので、火元を離せばすぐに火は消えます。」
なんてキャプションがついていると思います。
確かに、そうなんです。
でも、火事になったら火元から離せるわけありません。
火を当て続けていれば、いつかは燃えてしまいます。
でもウレタンが燃える温度であれば、躯体の木材だって燃えてしまいます。
「躯体が鉄なら良いんじゃないの?」
なんて思った方もいるでしょう。
そう、鉄はこの位の温度では燃えません。
でも、火災の加熱による鉄やアルミの強度ってびっくりするくらい低下するんです。
木材と比べると雲泥の差です。
だから、鉄骨造の家だって耐火被覆を行います。
『木材は燃えやすい』
というイメージ、強いですよね。
木材は加熱されると表面が炭化します。
でも炭化層は断熱層となり、内部に熱を伝えにくくし、内部が燃えることをある程度防ぐことが出来るんです。
実は硬質ウレタンフォームも同じです。
表面の炭化層が内部への火の進行を停めてくれます。
断熱材が剥落しなければですが・・・。
そもそも住宅において、断熱材がそのまま仕上げに使われるケースってそれほど多くありません。
その多くは、石膏ボード等の耐火もしくは不燃材で被覆されています。
断熱材自体の可燃性も重要かも知れませんが、しっかりとした被覆施工を心掛けることこそ重要ではないでしょうか?
先日、こんな話を聞きました。
壁の中いっぱいに硬質ウレタンフォームを充填し、天井に繊維系断熱材を吹き込んだお宅のビルトインガレージで出火したそうです。
もちろん、どちらも防火サイディングで被覆をしていました。
火は壁を舐め、天井を炙ります。
天井の防火板に穴が明き、繊維系断熱材を支持する不織布が燃え、断熱材は零れ落ちてしまいました。
ホウ酸による難燃化を施された断熱材も、零れてしまえば意味がありません。
えっ、壁の硬質ウレタンですか?
表面のクラフト紙が炭化しただけで、ほぼ被害はなかったそうです。
確かに、壁と天井の違いはあると思います。
でも天井・壁の断熱材を入れ替えたら、違う結果になったかも知れません。
結局断熱材って、その施工方法で火に対する耐性が大きく変わると思うんですよね。
壁の中に煙突のような連続する空気層があるのかどうか。
酸素の供給が続くのか。(気密が良いのか、悪いのか。)
可燃材で断熱材を固定していないか。
どの程度の耐火状有効な被覆をしているのか。
いずれ詳しい捜査結果が発表されると思います。
どんな断熱材が使われていたのか?
正しい施工方法がなされていたのか?
冷静で偏りのない報道を期待したいですね。
以前に起きた英国の高層ビル火災の際の報道は、色々と偏りがあったように感じます。
posted by Asset Red
住所:東京都練馬区北町2-13-11
電話:03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分