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弊社が全ての新築建物でお客様に提示しているモノがあります。
①Q値・UA値やμ値・η値の計算結果
②24H換気システムの風量測定結果
③気密測定結果
④許容応力度計算による構造安全性・耐震等級
⑤バッジテストによるTVOC濃度の測定結果
⑥工事中の現場写真
上記の他にも、一次エネルギー消費量など色々あります。
専門業者に委託する場合もあれば、自社にて行う場合もあります。
「大変だね。」なんて言われる事もありますが、慣れてしまえばたいした事ありません。
とにかくルーティン化する。
イベント化する。
コレが一番だと思います。
そして、やってみると色々な事が判ります。
問題点や改善点が見えてくる訳です。
やらない手はないですよね。
今日は『FPの家 K邸』にて、中間気密測定を行いました。
もちろん、お施主様と一緒です。
どの位の隙間があるのか、ドキドキしながら結果を待ちました。
その様子をご覧ください。
測定装置を設置する前の様子をカシャ!
引違窓の左側障子は開けられ、そこには気密シートが張られました。
ここに測定器を据え付けます。
いよいよ、測定開始です。
全ての窓を閉めた状態で、送風機を回します。
家の中の空気は外に排出され、室内の空気が薄くなり気圧が下がります。
外と繋がった穴が送風機だけしか無ければ、そのうち排出されなくなります。
でも小さい隙間が存在すれば、少しずつ出続けることになる訳です。
この時の内外気圧差を測り、隙間の大きさを測るのが気密性能測定です。
暗くてわかりにくいと思います。
負圧になった状態だと窓に張った気密シートが内側に孕んできます。
測定前にはダラーンと弛んでいたシートが、測定を始めるとパンパンに張るんです。
外気よりも内気の方が気圧が低いために起きる現象です。
この圧力が外皮全体に掛かっている事を説明し、参加者に触ってもらい、実感してもらいます。
この時の写真を写しました。
5つのレンジの通気量測定し、測定完了です。
相当隙間面積αA=31㎠
隙間特性値n=1.36
延べ床面積=161.26㎡
実質床面積=175.33㎡
隙間相当面積C=0.17㎠/㎡
という結果となりました。
ほっ・・・、ひと安心です。
最近は、床面積ではなく外皮面積で割った値『CA値』を採用する事もあるようです。
床面積が大きくても外皮面積が小さい建物もありますし、その逆もあります。
確かに、CA値の方が目安になるような気もします。
C値は相当隙間面積を床面積で割って算出しますが、CA値は外皮面積で割ります。
試しに計算してみましょう。
外皮合計面積は421.46㎡ですから、相当隙間面積31㎠の場合のCA値は0.07㎠/㎡となります。
前回測定したFPの家Y邸のC値は0.19㎠/㎡、CA値は0.07㎠/㎡でした。
CA値が全く同じ値になるとは・・・。
どちらの家も同じ要領で気密施工を行っています。
施工する大工も同じです。
やっぱりCA値の方が、参考になるのかも知れませんね。
隙間特性値(n値)も1.36、ヨシヨシ良い感じです。
隙間特性値とは、1~2の値で表示され1に近いと細かい隙間が存在していることを表します。
2に近ければ大きな隙間が存在していることになりますので、施工不良の可能性がある訳です。
弊社ではは1.5程度を目安にしています。
50Pa時の換気回数(ACH)はどうでしょうか?
50Pa時の確定風量は150㎥/hでした。
当該建物の気積は418.8㎥ですから、換気回数は0.35回/hに当たります。
ちなみにパッシブハウス基準は0.6回/h以下です。
ヨシヨシ、この基準もクリアしてるぞ。
気密測定技能者のレクチャーと、測定結果を聞いてお施主様もご納得のご様子です。
これにて、気密性能測定完了です。
お疲れさまでした。
良い結果が出て良かった・・・。
そうそう、当該建物ではL社の新しい玄関ドアを2箇所採用しています。
弊社では初めて使う製品です。
気密に配慮した製品と聞いています。
ドア自体の気密性能を調べてみようと思い、ドア全体を気密シートで覆って測定をしてみました。
こんな感じです。
この状態で測定したデーターと、先程のデーターを比較すればドア自体の隙間が判る筈ですよね。
お施主様がいらっしゃる前の時間を使って測定しました。
その結果は次の通りです。
相当隙間面積αA=33㎠
隙間特性値n=1.48
延べ床面積=161.26㎡
実質床面積=175.33㎡
隙間相当面積C=0.18㎠/㎡
あれれ???
この時は、まだドアの目張りを外した状態の測定値は判っていませんでした。
まさか、目張りをした時の方が隙間が大きくなっているなんて・・・。
でも、既に目張りは外しています。
いまさら、目張りをしなおして再測定も出来ません。
残念!
目論見は失敗に終わりました。
後でわかった事ですが、ドアに貼られた養生用ダンボールの影響で敷居に隙間があったようですね。
これが原因かも知れません。
この状態であればね隙間特性値が大きくなっていることも理解できます。
隙間の巾は概ね20cm、巾は最大で3mm程度位でしょうか。
三角形ですから、面積は3.0㎠となります。
ドアのサイズは0.9m×2.3mで2.07㎡ですから、ドア自体のC値は1.44㎠/㎡となります。
ちなみに前回測定した玄関ドアのC値は1.93㎠/㎡でした。
確かに新製品の方が気密性能は高いようですね。
ちなみに気密等級A-4の場合10Pa時の隙間面積は2㎠/㎡以下となっていますが、当然この基準もクリアしています。
でも、少し消化不良な感じです。
次の機会にはしっかりと確認をして、再度挑戦したいと思います。
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