耐震の次は断熱・気密です。

どうも天気がはっきりしません。

雨が降ったり止んだり・・・。

気温も平年よりも低くなっています。

このまま、3連休に突入するんでしょうね。

涼しくなるのは良いけど、雨はちょっと・・・。

『スケルトンリフォームA邸』

思わぬ苦戦で、工程の進みが良くありません。

とにかく、躯体の歪みが酷くて・・・。

家が傾いている訳ではありません。

刻みが悪かったんでしょうね。

とにかく建物の平面が四角形になっていません。

床の高さもまちまち、水平がとれていないんです。

柱と梁の納まりも、10mm・20mmは当たり前のようにずれていて直すのが大変・・・。

でも、少しづつ進んではいるんです。

まずは、耐震リフォーム&軽量化。

そして次は断熱・気密リフォームとなります。

いつもは『FPの家』しか建てない弊社ですが、リフォームの場合は現場発泡ウレタンによる断熱施工も行います。

こうした場合は、室内側にポリエチレンシートを貼って防湿・気密性を保たなければなりません。

色々と難しいんですよね。

ちなみに外気に接する壁の構成は以下の通り。

外壁 防火サイディング(t=16mm)

通気層 通気金具(15mm)

外壁合板 ノボパンSTPⅡ(t=9mm)

断熱材 フォームライトSL(t=75mm)

空気層(30mm)

プラスターボード 12.5mm

そして仕上げはビニールクロス。

いつも使っている紙クロスに比べると、ビニールクロスって防湿施工的には都合が良いですよね。

だって、湿気を通しにくいじゃないですか。

でも・・・

外気温度-5℃/相対湿度60%

室内温度20℃/相対湿度40%

の時の結露判定を確かめてみると、上図のような結果になりました。

ノボパンと断熱材との間の湿度が97.87%、極めて危険な状態です。

壁内結露を興すかもしれません。

やはり、防湿・気密シートが必要ですね。

空気層30mmとプラスターボード12.5mmの間にポリエチレンシート0.1mmを挟んだ時の結露判定が上図になります。

同じ条件でも、ポリエチレンシート1枚で劇的に変わります。

先程97.87%もあった湿度が63.31%しかありません。

これなら壁内結露の心配もありません。

ただし、正しい防湿・気密シートの施工が出来ていればなんですけど・・・。

とにかく、防湿シートの施工って手間暇かかるんです。

先程の結露判定だって、隙間なく連続して施工されている前提で計算されています。

隙間があれば、全く別の答えがでてしまいます。

この機会に、普段は使わない専用部材を色々と試してみよう!

なんて思っています。

まずは、いつも通りのコレです。

現場発泡ウレタンのボンベ&スプレーガンです。

配管と床断熱材の間の隙間にしっかりと充填します。

こんな所、良く見掛けますよね。

発泡ウレタンをジューと充填。

穴の奥までノズルを挿し込み、奥から手前に引きながら充填します。

一度の充填厚さは概ね30mmが基本です。

一度に厚く吹くと発泡不良を起こしかねません。

空気中の水分と反応して発泡・硬化するそうです。

だから、水分と接触しない部分は発泡しません。

よって、少しづつ薄ーく吹くのが基本です。

乾いたら、また吹きます。

充填厚さが大きければ何回も繰り返します。

表面の固くなっている部分を『スキン層』と云います。

この層が断熱材内部のガスの抜けを防ぎ、断熱材の効果を長持ちさせてくれます。

ご存知でしたか?

ゆえに、多層であれば多層であるほど良い断熱材になります。

膨らみ過ぎてカットなんてしたら、スキン層は無くなります。

ガスはただ漏れして、効果はすぐ無くなっちゃうかも・・・。

こうした場合は、丁寧にアルミテープで切断面を塞ぎます。

アルミ気密テープです。

色々なところで大活躍してくれるスグレモノだと思います。

床合板相互の繋ぎ目や、床合板と防湿・気密シートの取合い部等々・・・。

使う度にその都度、報告させていただきます。

今回は、床用断熱材に厚さ80mmの硬質ウレタンフォーム板を採用しました。

厚さ150mmのグラスウール16kに相当する断熱性能なんですよ。

長さは1820mm、巾は注文時に決めることが出来ます。

@910mmの大引き105×105ですから805mmにしました。

両端に耳が付いていて、土台や大引きの上に被せタッカーで留めるだけ・・・。

良く見ると側面に小さな出っ張りが付いているので、取付け時に大引きにフィットして施工性バッチリです。

発泡プラスチック系断熱材は、経年で痩せてしまいます。

新築当時は木材にぴったりと付いていても、そのうち落ちてしまうことに・・・。

写真はネットから拝借しました。

この手の欠陥施工って、いくらでもあるようですね。

こちらの写真もネットから拝借。

断熱材が落ちないように専用の金物を使って留める方法もあります。

金物の上に断熱材を載せれば大丈夫。

でも、選択を誤ると金物が熱橋になってたりして・・・。

爪の下は外気、爪の上には床板です。

冷たくなった金物が床板の熱で結露しなければいいですね。

不織布の耳なら問題ありません。

えっ、結露判定ですか?

先程と同じ条件で試してみましたが、問題ありませんでした。

硬質ウレタンフォームの透湿抵抗って、意外と大きいんです。

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