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今年も随分と湿気に悩まされました。
まだまだ、終焉という訳にもいきませんね・・・。
総括という訳でもありませんが、数回に分けて『湿気』にまつわる話をご紹介しています。
前回からの続きです。
④人間・動物・植物に含まれる水
人間やペットとして飼われる動物、あるいは植物等の生物が生きていくためにも呼吸や排泄・発汗が必要とされます。
当然それによる体内の水分が、水・湿気となり放出されます。
⑤建築材料に含まれる水
建築物を構成している材料にも水分が多かれ少なかれ含まれています。
それらは周囲の温度条件などにより放湿され、加湿源となります。
木造住宅では特に基礎に用いられるコンクリートと、主たる構成材量である木材に多くの水分が含まれていて、その量を試算してみると次のようになりました。
1.コンクリート中に含まれる水
まず布基礎コンクリート並びに土間コンクリート中から放出される水分量を算定してみましょう。
条件は以下の通り。
1階床面積:70㎡
総布基礎長さ:70m
土間コンクリートは一般的な寸法とします。
水セメント比:60%
そのうちの1/3が蒸発すると仮定した時の総コンクリート量は約18㎥、単位水量はコンクリート1㎥当たり約170㎏ですから、総蒸発水分量は約1000㎏となります。
すなわちこの位の規模の建物であれば、基礎コンクリート打設から数年の間に約1tの水分がコンクリートから蒸発し、建物に作用することになります。
2.木材中に含まれる水
続いて木材中に含まれる水分について試算してみましょう。
我が国の1棟当たりの平均木材使用量は0.2㎥/㎡なんだそうです。
これ、平成6年度 住・木センター『木材使用量調査結果』に基づいています。
これを当てにして、延床面積120㎡の住宅の木材使用量を算出すると24㎥の木材が必要となります。
木材の比重を0.45とし、建設当初の含水率を25%と考え、これを最終的に15%まで乾燥すると仮定してみます。
木材から蒸発する水分量はなんと1.2tです。
以上2つの試算結果からわかるように、木造住宅に使われる建築材料からは、かなりの量の水分が放出されます。
近年の高気密・高断熱住宅などに代表されるような部位密閉構法では、コンクリートの乾燥に努め、乾燥木材の使用を図ることがうるさく言われています。
その理由はここにあるようです。
続く・・・
安全で長持ちする木の家 耐久性が住宅を変える
安藤直人・今村祐嗣・中島正夫 著
株式会社ラトルズ 刊
より一部を転載させていただきました。
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