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昨日の事、私宛に1本の電話が入りました。
ブログを読んでくれてようですね。
ありがとうございます。
お話を要約すると、こんな感じでしょうか。
①元々、揮発物質に対する感性が強いらしい。
②新居に引っ越してしばらくすると、喉がヒリヒリする?
③セルロースファイバー充填断熱工法を採用し、自然素材を多用した家にお住まいになっている。
④セルロースファイバーに添加された『ホウ酸』が原因ではないか?と思われている。
⑤窓はアルミ樹脂複合サッシ、Low―Eガラス。
樹脂サッシを希望したが、工務店に却下された模様。そこまでの性能は必要ないとの事。
⑥冬になると窓が結露する。その時の湿度は30%台。
ナルホド・・・。
セルロースファイバー(以下CF)は吸放湿する断熱材です。
水蒸気の出入りの際に、含まれたホウ酸が室内に漏れているのではないか?
そして、コレが喉の痛みの原因ではないか?
と心配しているようですね。
そもそもCF内のホウ酸は、木質繊維であるCFを燃えにくくする為に添加されています。
また防虫も目的のひとつになっているようですね。
ホウ酸団子はゴキブリ対策に使われるくらいですから・・・。
ゴキブリに効くんだから人間にも悪影響をもたらすのでは?
そう思っても不思議はありません。
でも、そのメカニズムを知れば安心できると思います。
体内に採り込まれたホウ酸を腎臓を持たないゴキブリやシロアリは体外に排出することができません。
その結果、代謝は停止し死に至る訳ですが、腎臓を持った人間の場合は体外への排出が出来る為、過剰に摂取しない限り問題ありません。
過剰?
どの位だと思いますか?
体重60kgの成人の場合の半致死量(物質の急性毒性の指標、致死量の一種としてしばしば使われる数値です。投与した動物の半数が死亡する用量を云います。)はおよそ200g、コップ1杯分に当たります。
ちなみに、その毒性は食塩と変わりません。
またその症状は吐き気・嘔吐・下痢や激しい腹痛が起こり、皮膚に紅斑が出たり、便が青緑色になることがあります。
重症の場合には、けいれんや腎臓の障害を起こすこともあるようです。
今回の症状とは異なります。
恐らく関係ないと思います。
おそらくホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物が犯人ではないでしょうか?
暑い日に目が痛い、喉がヒリヒリする。
1階よりも2階の方がひどくなる気がする。
頷けます。
換気システムは設置していないようですね。
トイレ・浴室・キッチンに設置された換気扇を回して換気を行う設計のようです。
「寒いから、消している。」との事。
換気不良が原因で、室内空気に含まれる汚染物質がきちんと排出されていないと思われます。
その辺りの説明は受けていない様子です。
換気の重要性をお話し、適切な換気を行うようお願いをしました。
建物に使われるこれらの物質は、法律上使用制限が設けられています。
だから、ある程度の量に抑えられている筈。
でも、引っ越し後に持ち込まれる家具・カーテン等に含まれるそれらに使用制限はありません。
一度、室内空気に含まれるそれらの量を測定するのも良いでしょう。
窓も問題ですね。
湿度30%で結露するなんて・・・。
仮に室温を25℃としましょう。
相対湿度30%の時の露点温度は6.2℃です。
外気温度が0℃以下だとしても、6.2℃にはならないと思うんですが・・・。
カーテンをぴったりと閉めているのでは?
聴いてみました。
窓とカーテンの間の空気が淀んでしまい、結露しやすくなるんですよね。
カーテンは水蒸気を通しやすいし・・・。
インナーサッシを取付けると効果的ですよ。
こんな話を10分程して、電話は終わりました。
自然素材を使った家づくりは良いと思います。
弊社だって、そうした家づくりを推奨しています。
でも、換気は必要です。
窓を開けるくらいで室内空気はきれいになりません。
30cm×30cmの窓を1日中、365日開け続けなければいけないんですよね。
雨の日も、風の日も・・・。
恐らく気密性も高くないでしょう。
中気密+現行省エネ基準程度の断熱性能では寒さを防ぐことは出来ません。
当然、光熱費も高くなります。
残念です。
イニシャルコスト、結構高かったんだろうなぁー。
もう少し気密性&断熱性向上にお金を掛け、換気システムを設置していれば防ぐことが出来たと思うんです。
posted by Asset Red
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