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色々あったので、防火設備について書かれたものをご紹介したいと思います。
隣棟火災による建物への延焼は、財産・生命を失失う事になります。
そこで延焼を防止あるいは抑制するために、延焼の危険が高い範囲にある外壁や開口部・軒裏などには『隣棟からの火熱に耐える性能』が必要となります。
また屋根には『火の粉や飛び火による延焼を防止する性能』が必要となります。
延焼の怖れのある部分には、外壁・軒裏・屋根・開口部が該当しますが、それぞれに建築基準法上求められる性能が異なるため、ここでは開口部に限っての話となります。
延焼の怖れのある部分とは下図の示す部分です。
1階部分では、隣地境界線若しくは道路中心線から3.0m以内にある部分
2階以上の部分では、隣地境界線若しくは道路中心線から5.0m以内にある部分
ただし以下に面する場合は、延焼の怖れはないものとします。
防火上有効な公園・広場・川等の空地
水面
耐火建築物の壁
その他これらに類するもの
また同一敷地内にある複数の建物が延焼すると、火災の規模が大きくなり、周囲建物への延焼上の火源となって消火活動が難しくなります。
延べ床面積の合計が500㎡を超える場合にはそれぞれの建物を別の建物とし、それぞれの延焼の怖れのある部分を評価する必要があります。
建築基準法で求められる性能に関して、同法で規定する構造の種類・部分・火災の種類・時間・要件をまとめたものを以下の表に示します。
『遮炎性』とは、加熱面以外の面に火災を出す怖れのある損傷を生じない事。
『非損傷性』とは、構造耐力上支障のある損傷を生じない事。
『遮熱性』とは、加熱面以外の面の温度が当該面に接する可燃物の延焼の怖れのある温度以上に上昇しない事。
また延焼の怖れのある部分における開口部に関しては、建築物の周囲において発生する通常の火災からの被害を防止するための性能として
このような火災時に加えられる火熱による『室内面に火災を出す怖れのある損傷を生じない性能=遮炎性』としています。
建築基準法では、開口部等に設ける防火設備は下表に示す3つに分けられています。
この中で通常の火災は、一般的に建築物において発生することが想定される火災を表す用語として使われています。
屋内で発生する火災・建築物周囲で発生する火災の両方を含んでいる訳です。
これらに対する防火設備は遮炎性能により、次の2つに分けられます。
20分以上の遮炎性をもつ防火設備
1時間以上の遮炎性をもつ特定防火設備
またその他の防火設備として、防火地域・準防火地域の建築物の開口部に設ける防火設備とする『建築物の周囲において発生する通常の火災に対してのみ遮炎性を有するもの』もあります。
外部からの受害防止性能のみを有する、こうした設備を『準遮炎性をもつ防火設備』と云います。
防火設備と特定防火設備には、次の2つがあります。
国交大臣により例示的に仕様が示されているもの
試験により性能を確認して国交大臣により認定されたもの
なお、これまで建築基準法では防火戸として甲種防火戸・乙種防火戸という種別を設けていました。
これらは、それぞれ特定防火設備・防火設備にほぼ一致するものと考えて良いようです。
住宅性能表示制度
日本住宅性能ョ宇時基準・評価方法基準
技術解説2008
国土交通省住宅局住宅生産課
国土交通省国土技術政策総合研究所
独立行政法人建築研究所 監修
工学図書株式会社 刊
より、一部を抜粋・複写させていただきました。
開口部って、熱的弱部であることが知られています。
でもこれを読んでいると、火に対しても弱部なんですよね。
防火設備とは言え、たった20分しかもたないんです。
いざという時、逃げる時間を確保する。
まだまだ、この程度なんですよね。
もっとも、敷地が大きければ何の問題もないんですが・・・。
posted by Asset Red
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