調べてみました。

引き続き、ホウ酸濃度について考えています。

生物は、細胞内で栄養分を燃やしてエネルギーに変えています。

これを代謝といいます。

細胞中のホウ酸濃度が高まると、代謝反応がストップし、生物は餓死することになります。

でも哺乳動物は、血液に溶けた過剰のホウ酸塩を腎臓の働きで尿として体外へ排出することができます。

このため哺乳動物に対するホウ酸塩の急性毒性は微弱で、ホウ酸塩は人やペットには安全なんです。

でも腎臓を持たないシロアリや木材腐朽菌などの木材劣化生物には厳しいという訳。

ホウ酸塩を木材の防腐・防蟻処理として利用するには、木材に一定量以上のホウ酸塩水溶液を含浸させる必要があります。

シロアリや食材甲虫がこの木材を摂食すると、細胞中のホウ酸濃度が高まり死ぬことになります。

又、食材甲虫がホウ酸塩処理した木材中に産み付けた卵は、孵化率が低下します。

腐朽菌が木材に侵入すると、ホウ酸塩は細胞膜を通して拡散し代謝阻害を引き起こします。

 

ホウ酸塩が劣化生物を制御するのに必要な木材中のホウ酸塩濃度を毒性閾値といいます。

代表的な木材劣化生物に対するホウ酸塩の毒性閾値は昨日のブログの通りです。

一般的にホウ酸を防腐・防蟻処理に使う場合は、ホウ酸塩を水溶液にして使用しています。

そして、その濃度を示す場合は同じ量のホウ素を含むホウ酸に換算して表します。

これをホウ酸換算濃度(Boric Acid Equivalent BAE)といい、通常は後ろにBAEを付けます。

この、ホウ酸濃度BAEと先程の毒性閾値の単位『㎏/㎥』の関係が分からないんですよね。

例えば、濃度24%BAEってイエシロアリの毒性閾値3㎏/㎥よりもどの位多いの?

色々と調べたり、聞いたりしたけど、やっぱりチンプンカンプン・・・。

ちなみに水溶液の処理量は木材保存協会で定められているそうです。

その量は、300ml/㎡。

幅1.0m×高さ1.0mの木材に塗る時には、300ml使いなさいということらしい・・・。

厚さ10mmくらいには浸透していると思うので、この時の体積は、0.01㎥としてみます。

300mlのホウ酸塩水溶液の濃度が24%BAEという事は、水300gに対してホウ酸およそ95gで良いはず(ですよね・・・汗)。

95gのホウ酸が0.01㎥の木材に存在すれば、木材浸透濃度は9.5㎏/㎥になります。

おっ、イエシロアリの毒性閾値は3.0㎏/㎥ですからバッチリですね。

当然、ヤマトシロアリ・アメリカカンザイシロアリ・腐朽菌・食材性甲虫にもバッチリです。

ボレイト担当者に聞いてみました。

「マニュアル通りに施工すれば、1度散布するだけで8~12㎏/㎥BAEになります。」

確かに・・・。

某社のホウ酸系防蟻剤はどうなのかな?

カタログによれば、濃度は15%。

これをホウ酸濃度に換算すると18%BAEになるそうです。

先程の要領で試算してみると、300ml水溶液に含まれるホウ酸量は66gになります。

0.01㎥の木材中に66gのホウ酸が存在する時の木材浸透濃度は6.6/㎥。

濃度8%のモノもあります。

9%BAEと仮定すると、300ml水溶液に含まれるホウ酸量は30g。

0.01㎥の木材中に30gのホウ酸が存在する時の木材浸透濃度は3.0/㎥。

あれれ・・・。

どれも3.0/㎥を上回ってる。

問題ないんじゃないの?

ネットで調べてみると、以下のページに詳しく書いてありました。

http://kominka.yanoss.jp/eco/01_dot/dot3_1hoensan.html

ホウ酸塩系表面処理剤は木材中で分解せず、効果は永続します。

しかし、拡散によって徐々に内部へ移動するため、表層部での防腐防蟻効果は低下し、再処理が必要となります。

再処理を不要にするためには、高濃度の処理材を塗布する必要があります。

ナルホド・・・。

スッキリしました。

でも、自己流の計算あってるのかな?

誰か、教えてください。

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