長持ちする住まい

昨日は弊社でお住まいを建てる方との打合せに参加させて戴きました。

女性スタッフが中心になって打合せを進めるため、私が打合せに参加することはそれほどありません。

施工の話を中心にマニアックなネタが出た時だけ、声が掛かる・・・。

そんな感じが多いんです。

昨日の場合はこんな感じでした。

建物の外装仕上げを悩んでいるご様子です。

「メンテナンスのしやすさ・経年劣化による修繕の費用を含めて、お勧めできるのはどちらだと思いますか?」

乾式タイルとハイグレードサイディングのいずれかを選ぶつもりのようですね。

当然、前者の方が優れています。

でも、高い・・・。

最近のサイディングは、色々な面で良くなっているのも確かです。

ネックのシーリングも少しづつ耐候性が高くなっているし、そもそもシーリングレスの製品も増えています。

それでも、タイルには勝てません。

問題は価値観/費用ですよね。

それも、初期投資+メンテナンス費用で決まります。

「30年で、どの位のメンテナンス費用が掛かるの?」

前者と後者の初期費用の差は200万円超だと思います。

メンテナンス費用は、確実に前者の方が掛かりません。

でも、弊社は創業30年に満たない工務店。

30年を超えた弊社の建物がどうなるのか?

残念ながら、具体的にはわかっていません。

例えば、この印刷物。

お引渡しの際に差し上げているんですが、住宅産業協議会が発行しています。

中身の一部をご紹介しましょう。

住まいのメンテナンススケジュール例が掲載されています。

外壁の部分を見ると、10~20年の間で109~172万円、25~35年の間で264~587万円掛かると書かれています。

合計すれば、373~759万円です。

当然、足場代は含まれていません。

モルタル吹付仕上げ(一部タイル貼り)を想定しているようですね。

そして、以下の注意書きが書かれています。

塗装は美観の他、下地への水の浸透を防いでいます。早めのメンテナンスが必要です。

タイルは高圧洗浄をすることで、とてもキレイな外観へ蘇ります。

目地が切れていると水が侵入する怖れがあります。

前者を選択すれば、タイルの高圧洗浄が必要となります。

ハンギングブリック仕様の為、目地はありませんから打ち替えも不要です。

2回のメンテナンスで掛かる費用は高圧洗浄のみ、8~14万円程度だと思われます。

一方、後者の場合の費用はモルタル吹付仕上げ(一部タイル貼り)と同程度と思われます。

タイルの高圧洗浄分を差し引くと、365~745万円。

どちらの家も、築15年位ではあまり変わらないようですね。

でも、築40年を超えるとかなりの違いが出るようです。

メンテナンス費用の違いばかりではありません。

お気に入りの美観をキレイに保つことができます。

火災に強くなるし、地震によるひび割れだって少ないでしょう。

満足感が違います。

最初の費用を抑えるのか?

30年超の費用を抑えるのか?

ライフサイクルコストを考えることも重要だと思います。

えっ!

その方は、どちらを選んだのか?

もちろん、前者を選んでくれました。

尚、文中の費用は先述の印刷物にある例から算出しています。

実際の費用とは異なることをご理解ください。

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