濡らしてはいけません。

断熱建材ガイドブック

断熱建材協議会 著

建築技術 刊

より一部を抜粋して転載させていただきます。

材料の断熱性能を低下させる最大の原因は吸水である。

材料内に水分が含まれると、含まれた水分は0℃以上の状態で材料内に液体として存在し、0℃以下では氷として存在する。

一般に水の断熱性は一般的な断熱材の1/15程度で、氷では1/70となり、ほとんどの断熱材よりも断熱性が悪い。

従って乾燥状態でどんなに優れた断熱性能をもっている材料でも、吸水すれば水あるいは氷程度の値になり、熱を通しやすくなる。

また吸水・吸湿することは単に断熱性の低下のみにとどまらず、カビ・腐食の害まで併発し、建物部材を損傷する原因にもなるので、見逃すこしはできない。

以下に材料内の水分が、気体(水蒸気)・液体(水)・固体(氷)として存在したときの熱伝導率の増加を図で示します。

断熱材を濡らすと言えば、雨漏り・漏水そして内部結露です。

工事途中であれば、雨養生不足も挙げられるでしょう。

文中にもありますが、どんなに断熱性能の優れたものを採用しても、濡らしてしまっては意味がありません。

ある断熱材メーカーのカタログには、こんな計算式が載っていました。

高い断熱性能=優れた断熱材×施工精度

その通りだと思います。

でも、施工精度を加味した断熱性能なんて誰も知らないんですよね。

「高断熱住宅に引っ越したんだけど、思ったほど暖かくないんだよね。」

もしも、こんなことを言っている人がいたら・・・。

もしかして、施工精度が悪かったのかもしれませんね。

もちろん、施工精度の中には『断熱材を濡らしてしまう』ことも含まれています。

こんな計算式が当て嵌まるかもしれませんね。

高い断熱性能=優れた断熱材×工務店力

皆さんは、どう思いますか?

 

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