隙間を無くす

練馬・板橋は今日も良い天気です。

『FPの家 T邸』

樹脂窓の取付がようやく終わりました。

どちらも防火サッシの為、ガラスには網が入っています。

外側はブラック色、そして内側はホワイト色になっています。

だから、中から見るとこんな感じです。

写真を良く見ると、サッシ右側に隙間が見えると思います。

実はコレ、わざとなんです。

いつもサッシと断熱パネルの木枠の間には、ちょうど10mmの隙間が空くようにしているんです。

そしてここに現場発泡ウレタンを充填します。

ウレタンガンのノズルって、結構太いんですよね。

測ってみると7mmほどあります。

だから隙間が10mm程度ないと、奥まで挿し込むことが出来ません。

ウレタンを充填する際には、ノズルを奥まで挿し込み、吹込みながら手前に引かなければなりません。

手前から吹いても奥には入らないからです。

そしてある程度の厚さを吹いたら、一旦作業を取り止めます。

目安は厚さ50mm程度です。

固まったら、その上にウレタンを吹きます。

先程の写真は2度目のウレタンが固まった時の様子を撮ってみました。

そして、はみ出した部分を平らに削ります。

表面を削られたウレタンは、削られていないウレタンに比べて経年劣化するそうです。

だから、最低2度吹きする必要があります。

そして平らに削った部分には、必ずアルミテープを隙間なく貼り付けます。

こうしておけば、ウレタンの切断面が空気に触れることが無くなる為、劣化を抑えることが出来るからです。

同時に、ウレタンの隙間から漏れる空気の量を抑えることが出来ます。

こうした施工を気密・防湿施工と云います。

写真では暗くてよくわからないかもしれません。

でもサッシと平らに削ったウレタン、そしてパネルの木部をアルミテープで貼り付け、隙間を塞いでいるんです。

そして、FPウレタン断熱パネルと躯体のジョイントにも同様の処理が施されています。

柱とウレタンパネル、梁とウレタンパネル。

梁と床合板の接合部にもアルミテープが貼られています。

梁と屋根タルキ、そして屋根タルキと遮断パネルの接合部にもアルミテープによる気密処理がみえるでしょうか?

床合板と壁パネルの入隅部分。

柱と床合板&壁パネル。

現場内のありとあらゆる接合部が、アルミテープで光っています。

梁の外側に明けられた金物用の穴にもウレタンが充填され、平らに削られています。

この上にアルミテープを貼るのも忘れてはいけません。

写真はウレタン床パネルと柱の取合い部に充填されたウレタンです。

ここも同様に、平らに削られ、アルミテープによる気密処理が行われます。

気密・防湿処理って非常に大切なんですよね。

でも、あまり知られていません。

昨今の高断熱ブームは良いんですが、断熱ばかりが重要視されている気がします。

次の図をご覧ください。

断熱・気密と結露の関係を示した図となります。

例えば低断熱で低気密の家の場合、室内と室外の温度差が少ない為表面結露&内部結露の心配は少ないんです。

でも、その分エネルギー消費は大きくなります。

ストーブを焚いても寒くて仕方ない、昔の家がコレに当たります。

これに断熱施工を行うと、低気密で高断熱の家になります。

コレ、最近良く耳にする高断熱住宅です。

断熱施工のお蔭で暖かくなり、エネルギー消費や表面結露が少なくなります。

でも、暖かくなった分内部結露の危険度が高くなるんです。

低断熱で高気密な家とは、最近のように断熱を強化していないコンクリート造の家を挿します。

意外なことにエネルギー消費は減るんです。

なぜなら隙間から逃げる熱が少なくなるから。

内部結露も減ります。

でも、表面結露は増えてしまいます。

そして計画換気が必要です。

最後が高断熱で高気密な家の場合です。

コレ、弊社のつくるFPの家が該当します。

表面結露・内部結露が減少し、エネルギー消費も減ります。

こちらも計画換気が必要です。

断熱性を高めることは大切ですが、気密性を高める事を忘れていると色々と不具合が出ちゃうんですよね・・・。

古い話になりますが、北海道で起こったナミダダケ事件の原因のひとつがコレらしいですよ。

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