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知って欲しいことがあります。
自然室温の話です。
断熱の目的は自然室温の維持なんです。
自然室温とは、日射取得熱や内部発熱のみによる、暖冷房設備を使わない時の室温を言います。
上のグラフは断熱レベルに応じた1階トイレの自然室温の変化を表したものとなります。
断熱レベルを上げることで、より高い室温を維持する事がわかります。
昭和55年基準(等級2)と平成11年基準(等級4)では約4℃の差があるんですよね。
でも、ここで注目して貰いたいのは別のところなんです。
外気温の変化に対応して、それぞれの室温も同じように変化しています。
どの断熱レベルでも、室温は18℃を下回っているんですよね。
耳にタコという人もいるかも知れません。
上図は英国保健省年次報告2010.3による冬季の室温指針をまとめたものとなります。
これを見ると、室温18℃に満たない状況は『健康リスクが現れる』状態です。
さらに9℃~12℃の状況は、『血圧上昇・心臓血管疾患のリスクが現れる』状態。
だから、暖房をかけなければなりません。
電気代が勿体ないなんて、理由になりません。
最近の研究では気温差4℃で通常血圧群者で1.4㎜Hg・高血圧群者で6.8㎜Hg血圧低下の臨床実測報告の発表もあるそうです。
だから英国では、このシーズン上図のようなコマーシャルがTVで頻繁に流れているそうです。
電気代や燃料費は余計にかかるけど、その分医療費の負担は減るのでお財布の負担は減るそうです。
上図を見れば一目瞭然です。
断熱性能の高い住宅に転居した時の疾病改善効果をまとめたものとなります。
断熱性能と健康、大いに関係があるんです。
もちろん、自然室温の変化には断熱以外にも、以下要因があり、これらを合わせて断熱計画することが必要です。
2020年に義務化を目指していた省エネ基準とは、自然室温がせいぜい9~14℃程度にしかならない性能でしかないんです。
でも、そんな性能の家でさえ義務化は見送られる結果となりました。
残念で仕方ありません。
基準住宅を作っても、健康を損なわないようにするには、沢山のエネルギーを消費するしかありません。
もっと性能の低い住宅であれば、消費するエネルギーはより大きくなります。
寒くても我慢する。
なんて選択肢はありません。
エネルギーは太陽光を利用して自給するのは結構です。
でも、夜や曇の日はどうするのでしょうか?
近い将来、化石燃料は使えなくなります。
これが世界の常識です。
省エネで健康な住まいは絶対条件だと思うんですよね。
posted by Asset Red
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