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今日の板橋・練馬は風も強く寒かったですよ。
昨日は3・4月並みに暖かかったので、余計寒く感じました。
でも、気持ち良い青空です。
日向にいればポカポカして気持ち良いくらいです。
『FPの家 Y邸』の北側道路は日も当たらず、とにかく風が強いので極寒でした。
先日の外構工事にてアプローチ部分の掘削をしていたところ、写真のようなステンレス管が出て来ました。
奥の家の給水管のようですね。
敷地と前面道路に60cm程度の高低差があるため、古い階段があったんです。
でも残念ながら、セットバック部分に掛かってしまいます。
新たに階段を作ることになりました。
切り下げなければなりません。
東京都の場合、何故か給水管にバルブが無いんですよね。
これがあればバルブを捻り、水を止めて給水管を切ることが出来ます。
でもこれが無いと、給水管を凍らせなければ水を止めることが出来ません。
今日は『凍結』および給水管の切り下げ工事を行う為、立ち会ってきました。
数日前に工事がある旨を奥の家には知らせてあります。
「今から、1時間程度水が使えなくなりますよ。」
と云う為に、チャイムを押しましたが誰もいません。
不在が多い家なんです。
でも、おかげで気にせずに作業を続けられます。
さぁ、作業開始です。
問題の個所を掘削します。
道路よりも600mmほど下まで掘り下げています。
「そんなに深く掘らなくてもいいんじゃないの?」
思わず聞いてしまいました。
「セットバック部分なんで、将来の事を考えると深く掘っておいた方が安心です。」
なるほど・・・、確かにそうですね。
もっと深く掘るつもりでいたようですが、排水管が出てきたのでここで止めることにしました。
今回使うのがコレです。
『液体窒素』です。
バナナをこれに漬ければ釘が打てるように凍らせることができる、マイナス273℃の液体なんです。
後で知ったんですが、マイナス197℃なんだそうです。(恥ずかしい・・・。)
そして用意された部材はこんな感じでした。
ステンレス管とL型継手、そして発泡スチロール製の箱です。
既存管はステンレスの直管の為、曲げることはできません。
フレキタイプのステンレス管に交換して、曲げるようですね。
15cm角位の大きさの箱、何に使うんだろう・・・?
まず最初に行ったのが、竪管の切断の為の準備でした。
穴底から20~25cm位の所を切るそうで、そこに印を付け、さらにそこから3.5cm上にも印を付けています。
ここで例の白い箱が出てきました。
底にステンレス管と同じ径の穴を明け、箱を縦に真っ二つに割っています。
切断面にコーキングをたっぷりと塗り
竪管の両側から合わせ、しっかりと固定しました。
この時の箱の上端は、竪管に標した切断線よりも5cm程度下にしなければなりません。
しばらく放置している間に、別の白い箱を持ってきました。
先程の白い箱と同様に発泡スチロール製の箱です。
でも、ひとまわり以上大きくて角に溝が掘ってあります。
???
おもむろに液体窒素の蓋を開け、白い箱に注いでいます。
どうやら、小さい方の白い箱に液体窒素を注ぐための薬缶代わりのようですね。
尋常の冷たさではないから、断熱性の高いものを使わないと怪我しちゃいます。
注いでいると、あっと言う間に白い煙で手元が見えなくなりました。
試しに息を吹きかけてみました。
あっ、見えた!
良く見ると、泡が勢いよく立っています。
「隙間なく繋ぐことができたようですね。」
「箱の継ぎ目に隙間があると、隙間から下に窒素が漏れて面倒なんですよ。」
しばらくの間、放置するそうです。
その間、給水管を交換する為の段取りをしています。
管の中の水を凍らせることでスムーズな工事ができるようになりますが、その時間はあまり長くないそうです。
幸い今は冬です。
夏に比べれば、ゆっくりと工事が出来るそうですが・・・。
「もっと窒素を使って、しっかりと凍らせればいいんじゃないの?」
「新築ならばそうします。でも、人が住んでいるケースの場合は工事完了後にすぐ水が使えるようにしないといけませんから。」
凍らせ過ぎると、溶けるのに時間がかかるとか。
箱の部分の水が凍って、上下の水を堰き止めるダムの代わりをしてくれるようです。
時間を掛け過ぎると、ダムの部分が厚くなるらしい・・・。
充分凍ったみたいだし、段取りも完了したので、早速給水管を切断し交換を行いました。
切断線に沿って竪管を切断し、そこに新しいL型のジョイントを取付けます。
ジョイントの先には既に曲げ加工の終わったステンレス管が取り付けられています。
後は、水道メーターおよびバルブを取付けるだけ。
まずは仮付けを行います。
そして、白い箱を取外します。
切断した竪管から水が漏れていたようですね。
箱の中の窒素と混じり凍っていました。
これを半分に割り、取外します。
半分に割った白い箱です。
凍った水が見えるでしょうか?
竪管を見ると、白くなっています。
この部分の水が凍っているようですね。
ただ放置していても溶ける様子がありません。
トーチを使って溶かすことにしました。
この時に注意しなければならない事があります。
ステンレス管は炙っても問題ありません。
でも、継手部分のゴムは炙ると変形しちゃいます。
だから、充分な距離を確保しないとならないんです。
底から距離を取った訳がようやくわかりました。
道路からの飛び込み部分にも、ゴムパッキンは使われているそうです。
だから、冷やし過ぎるとそのパッキンも傷めることになるかも・・・。
少しだけ、冷やし過ぎたようですね。
溶けるのに、結構時間が掛かりました。
溶けたら、仮付けしたメーターを一旦外します。
バルブを開くと、水がチョロチョロと出始めます。
凍っていた部分が出たんでしょうか?
急に勢いよく出始めました。
ここでバルブを閉め、メーターを本締めしました。
あとは保温管を巻き付け、埋戻しをすれば完了です。
ここで、一旦現場を離れました。
無事、工事完了しました。
これで、アプローチ部分の工事が進められます。
マイナス273℃の力、しっかりと見ることができました。
こんなに真面目に見たのは初めてです。
posted by Asset Red
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