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弊社の商圏近くに建つ『FPの家』を訪ねた話を昨日書かせていただきました。
その際、老婆心ながら情報としてお知らせした件が2件だけありました。
①防腐・防蟻処理の件
②透湿防水シートの件
①については、ホウ酸の使用上の注意点でした。
従来の合成殺虫剤による防腐・防蟻処理が問題ある事に気付き、今回初めてホウ酸を採用したとの事。
弊社が採用する高濃度ホウ酸を使った処理ではないようですが、2回塗りを徹底すれば問題ありません。
その点を伝えると、きちんと2回塗りをしているとの事。
社長はご存知なかったようですが、大工さんはご理解していました。
一度塗り、翌日乾いた事を確認してからもう一度塗る。
面倒ですが2度塗りを行わなければ、閾値を超えることが出来ずイエシロアリには効きません。
そして、もうひとつ重要な事があります。
「昨日、雨降りましたよね。ホウ酸、濡れませんでしたか?」
ホウ酸による防腐・防蟻処理のウィークポイントは雨なんです。
せっかく、たっぷりと塗ったホウ酸も、雨で流れてしまえば効果は期待出来ません。
とにかく雨養生を行い、ホウ酸の『溶脱』を防ぐことが重要です。
車で伺ったので、ドアポケットの中のコレを早速取り出しました。
「柱にスプレーしていいですか?」
承諾が戴けたので、早速柱にシュッシュツ!してみました。
中身はクルクミン水溶液です。
ホウ酸チェッカーと云います。
噴霧すると黄色い色が付きます。
そして噴霧した部位に、充分な量のホウ酸が残っていれば赤に変色します。
サンプル写真です。
赤い部分はホウ酸が残っている部分、黄色い部分は溶脱した部分を示します。
しばらく待ってみましたが、赤く変色しません。
残念ながら、溶脱したようですね。
「もっと染みこませればいいの?」
「重要なのは表面のホウ酸濃度なんで、とにかく濡らさないことが肝心です。」
「そりゃー、大変だ!」
「・・・。」
そう、大変なんです。
そして②です。
まだサッシが取り付けられていませんでした。
雨対策として、白い透湿防水シートが部分的に貼られています。
つい、シートに印字された製品名を見ちゃうんですよね。
「このシートは、雨養生だけですか?」
「外壁の下地にも使ったりします?」
「ええ、使いますよ。」
弊社では、透湿防水シートにも拘るポイントがあります。
①保証期間が長いものを採用する。
②界面活性剤対策が採られているものを採用する。
透湿防水シートの保証期間って10年なんですよね。
雨漏りを防ぐための透湿防水シートの保証期間が10年って、あり得ないですよね。
でも保証期間が10年であって、実際には10年以上使っても問題ないんでしょ?
大抵の人はこう思っています。
確かに10年は問題ありません。
でも急速に性能低下することがわかっています。
雨漏りが発生した現場のサイディングを剥がしてみると、透湿防水シートがボロボロに劣化していて、ガーゼのような状態になっていたそうです。
透湿防水シートのまま、雨ざらし・日射まみれになった現場ほど劣化が進むという研究結果が出ています。
国交省では、この状態が2か月以内であれば問題ないと言っていますが、実際は『短いに越したことがない』そうですよ。
実験で検証されている事を私は知っています。
弊社の採用しているタイベックシルバーは、高性能を長く維持出来る事をお知らせしました。
②の問題はご存知でした。
でも、何の対策もしていない様子です。
改めて問題点を説明し、『対策を施した製品』がある事もお知らせしました。
お値段は高いけど、高いなりに機能を長く維持出来るんです。
高いと言ったって、一棟当たり精々1~2万円位にしかなりません。
「遮熱性はどうなの?」
逆に質問が来ました。
「外皮性能が高くなると、透湿防水シートに遮熱性を持たせても、あまり意味はありません。」
「でも両者の通気層内温度を比較すると、遮熱性の高い方が当然高くなります。」
「上昇気流速度が速まる為、躯体の除湿効果は高まるという結果は出ているそうですよ。」
話を聞いて、フンフンと頷いている社長&大工さん。
早速、この現場からシートを変えることにしたそうです。
工務店は対応が早いのも特長だと思います。
良いと思ったら、即実施!
大手ハウスメーカーには真似できません・・・。
仲間同士の情報交換、たまには必要ですよね。
posted by Asset Red
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