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やっぱり・・・。
判っていたんですが、こんな結果になってしまいました。
以下、新建ハウジングより一部を抜粋しています。
政府は2月15日、住宅・建築物の省エネ性能の一層の向上を図るため、住宅・建築物の規模・用途ごとの特性に応じた実効性の高い総合的な対策を盛り込んだ「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)を改正する法案を閣議決定した。
戸建て住宅等に対する措置では、設計者である建築士から建築主に対して省エネ性能に関する説明を義務付ける制度を創設する。
また、現行では建売戸建て住宅を供給する大手住宅事業者を対象とするトップランナー制度の対象に、注文戸建て住宅・賃貸アパートを供給する大手住宅事業者を追加する。
詳細は以下、新建ハウジング記事をご確認ください。
まさかの『省エネ基準の義務化』見送りです。
まずは『住まいの悩みランキング』を見てもらいましょう。
トップ3は以下の通り。
①暑い
②寒い
③結露
どれも、建物の断熱・気密性能の低さが原因となっています。
当たり前ですよね。
住宅ストックおよそ5000万戸の内訳を見てみると、省エネ基準(H11年基準)を満たしているのはわずか5%に過ぎません。
だから、朝起きた時の寝室温度は上図の通りとなっています。
東京の場合は12.0℃です。
でも、家族の健康を守る為の最低温度は18℃。
ご存知、英国保健省の2010年年次報告書から引用させていただきました。
もはや常識だと思うんですよね。
暖房を稼働させない状態の室温を自然室温と云いますが、各断熱水準別の自然室温を比較したのが上グラフとなります。
1月25日のⅢ地域(盛岡)のトイレとありますから、東京ならもう少し暖かいのかな?
省エネ基準の家であれば②に該当します。
日最低室温は11℃、日最高室温は20℃になっています。
18℃以上を保っているのは、12時~18時の6時間だけ。
その他の18時間は、暖房のお世話になる訳です。
お風呂やトイレ、玄関・廊下も18℃以上にしなければならないんですから、相当の電気代を使うことになると思います。
上図では、各断熱水準(S55以前・S55基準・H4基準・H11基準)の年間冷暖房を比較しています。
この図では、居室を健康室温にするための冷暖房費用しか試算していないと思われます。
だって、『お風呂など暖房がない所は寒い』って書いてありますもん。
省エネ基準を義務化するという事は、年間5.2万円+寒い場所の暖房費用で『健康を損なわない環境』をなんとか維持できるという事を意味しています。
義務化を見送ったという事は、国として年間5.2万円+寒い場所の暖房費用で『健康を損なわない環境』の維持する事を諦めたことになります。
『世界に約束した省エネ・省CO2』を諦めたのか、国民の健康を諦めたのか・・・。
全くもって、不可思議かつ不愉快な決定といえるでしょう。
改正法案には『戸建て住宅等に対する措置では、設計者である建築士から建築主に対して省エネ性能に関する説明を義務付ける制度を創設する。』とありますが、設計者はどこまで説明するのでしょうか?
「この設計では、世界に約束したエネルギー消費で、ご家族の健康を損なわないようにする事は不可能です。」
「お願いです、もっと断熱・気密にお金を掛けましょう!」
「そうすれば、省エネで健康な暮らしだけでなく快適な暮らしを実現することが可能です。」
ここまで説明しなければ片手落ちだと思うんですよね。
どんな法案になるのか・・・。
今後の動向から目が離せません。
最後に、もう一言!
きちんと施工できる工務店に依頼しなければ意味がありません。
設計通りの断熱・気密性能を担保した家を造ることが出来る工務店なんて、一握りしかいないんですから・・・。
過去の実績を聞いてから、工務店を決めましょう。
いきなり高断熱・高気密住宅を建てようとしても、無理だと思うんですよね。
posted by Asset Red
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