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今回は弊社でもたまに採用するエコ断熱材『セルロースファイバー』とホウ酸の関係について書きたいと思います。
ホウ素(ホウ酸塩)が、工業用品から家庭用雑貨まで、あらゆる用途で使用されている事はご存知だと思います。
実は、難燃剤としてセルロースファイバーにも添加されているんです。
ホウ素というのは元素の名前です。
そしてホウ酸というのは、ホウ素と酸素と水素からで来ている化合物です。
ホウ素は、植物にとって必須元素です。
野菜や果物なども、ホウ素肥料がないと良く育ちません。
健康にとっても大切な微量栄養素という訳。
一般的には、成人が水や食事から摂取するホウ素は、1~3mg/日と言われております。
動物・植物とも、生きるためにはエネルギーが必要です。
そして栄養分をエネルギーに変える代謝反応には、多くの補酵素が働きます。
ホウ酸は補酵素と強く結合し、機能を失わせることで代謝をストップさせると考えらえます。
このため、細胞内のホウ酸濃度が高くなると生物は餓死してしまいます。
これがゴキブリ退治用のホウ酸団子の原理です。
哺乳動物が過剰のホウ酸塩を摂取すると、血液中のホウ酸濃度は上昇しますが、細胞に届く前に腎臓で濾過され、尿として排出され細胞内のホウ酸塩濃度は完全な水準に保持されます。
このため、哺乳動物に対するホウ酸塩の毒性は微弱で、急性毒性は食塩と同等です。
セルロース素材は、高温で炎を上げて燃え上がる場合と比較的低温で炎を出さずにくすぶる場合があります。
ホウ酸塩は、炭化を促進し、燃焼している物体からの可燃ガスの発生を押さえる作用があります。
ホウ酸塩と結合した水は、気化して炎燃焼を抑制します。
また溶融したホウ酸が炭化物の周囲に保護膜を形成し、空気の供給を低減します。
新聞紙を粉砕して住宅の断熱材とするセルロースファイバーもくすぶり燃焼をしやすい材料です。
この対策としては、15~20%のホウ酸とホウ砂の混合物が添加されます。
この濃度であれば、シロアリを含む不快害虫の抑制にも効果がありそうです。
以前に構造現場見学会で、セルロースファイバーをジェットライターの炎で炙ったことがあります。
確かに燃えませんでした。
これがホウ素のお蔭なんですね。
火事に強い難燃性
防カビ&防虫性
耐腐朽性
色々あるセルロースファイバーの持つ特長って、実は添加されたホウ素のお蔭だったんです。
posted by Asset Red
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