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日曜日で現場はお休み。
急ぎの仕事を遣り繰りして、知り合いの構造現場見学会を覗いてきました。
GWの付加断熱&基礎断熱を採用した『Q1.0住宅』です。
エコテクノルーフを使って太陽熱利用&太陽光発電をしていたり、床下の大谷石を敷き詰めたロックベッドと太陽熱ダクトを組み合わせたり・・・。
楽しい取組も満載です。
でも、それらの取組や間取り・外観については、特に書きません。
面白い展示手法についてだけ、書きたいと思います。
柱の間に厚さ105mmの高性能GWを充填し、その外側にハイベストウッド張り、さらにその上に断熱材受けを横に流して厚さ105mmの高性能GWを付加しています。
もちろん断熱材は裸タイプを採用し、施工も丁寧に行っています。
写真はコンセントカバーを取付けた状態です。
納まりの関係で、柱の内側にタルキが取り付けてありましたが、断熱材もきれいに納まっていました。
当然内側に厚さ0.2mmの気密・防湿シートを別張りしています。
黄色いシートです。
黒いのは気密・防水テープです。
ジョイント部分全てに丁寧に貼られていました。
ダクト周りには専用テープを使っています。
繊維系断熱材であっても、厚さ0.2mmのシートを使うとコシがあるのでテープが貼りやすいんですよね。
屋根断熱の為、タルキ裏に断熱施工&気密施工が行われていました。
さすがQ1.0住宅です。
断熱&気密施工がわかっていらっしゃる!
こうでないといけません。
こんな断面構成になっているそうです。
外皮性能も中々の数値でした。
この樹脂サッシ使ってみたいんですが、防火対応がないんですよね・・・。
そして、今回の目玉です。
これが見たくて覗いてきました。
特設NG施工コーナーです。
勝手に名付けてみました。
床はEPS根太間充填
壁はGW100mm(袋入り)
天井もGW100mm(袋入り)
以前は良く見掛けた施工例です。
一緒に見ていた見学者から、こんなビックリ発言もありました。
「近くの現場で、たいして変わらない施工を見た!」
うそでしょ
(あっ、書き忘れていました。
私の周りには、知り合いが数人居ました。
みんな、色々なセミナーで顔見知りの断熱・気密オタク(いわゆる変態)ばかりです。)
でも天井の断熱施工は、ありそうですよね。
野縁の上に敷き並べる施工なんですが、野縁と野縁受けのレベルが違うし、吊り木が一定間隔で入っているからきれいに並べることが出来ないんですよね。
天井断熱の場合は、断熱材の下側に防湿・気密層を設けなければなりません。
仮に天井野縁の上に設けたとしても、断熱材を覆った袋と防湿・気密シートの間で結露する危険性が大きいと思われます。
作業性が悪いからという理由で、野縁の下にシートを張ろうものなら、もっとひどい結果になります。
「袋入りなんだから、シートなんて不要でしょ!」
なんて事言って、シートを張らなければ、すぐに断熱材がかびてしまうかも?
ついでに『袋には裏表がある』という話も出ました。
表には防湿フィルムが貼ってあり、水蒸気侵入を防止する機能を持っている。
そして裏のフィルムには穴が明いていて、侵入した水蒸気を速やかに放出できるようになっている。
だから最近良く見掛ける『袋入り断熱材による2重張り施工』の場合には、断熱材同志がくっついている部分のフィルムを剥がさなければならない。
そうしないと、そこで結露を招くことになる。
できれば、イラストのように上下の断熱材同志を直交させるのが望ましい・・・。
こんな施工、やってるのかな?
もちろん廻りの変態達は、こんな不合理な施工は採用せずに合理的な施工を行っているそうです。
すぐ脇には、袋入りのGWと裸のGWの施工例が展示してありました。
袋入りGWも、内側から見るときれいに施工してあるんですよね。
でも裏に回ると、柱の取合い部に隙間が見られます。
繊維系断熱材はその施工精度により、大きく断熱性能が変わるんです。
きれいな施工を1.00とした時のNG施工は0.798~0.438、内側から見ててもわからない所が怖いと思います。
筋違部分のNG施工も展示してありました。
写真はありません。
でも、ひどい施工でした。
本当は、手間暇かけて丁寧にやらないとならないんですよね。
筋違と断熱材の間はもちろん、断熱材と石膏ボードの間に隙間があってはならないんです。
床断熱材と壁断熱材の取合い部分もNG施工です。
『気流止め』といわれる重要な施工が省略されていました。
在来工法って、隙間が多くなりやすい工法なんです。
普通に作っていたら、隙間だらけの建物になってしまいます。
イラストのように、床下の冷たい空気が壁の中に侵入し、壁の中の断熱材の保温効果をなくしながら、小屋裏から抜けていく。
隙間風による熱ロスの多い典型的なダメダメ住宅になってしまいます。
この展示も、そうでした。
試しに断熱材の下に送風機を設置して回してみたら、断熱材の取合い部分から強い風が上がって来ます。
そりゃそうですよね。
気流止め施工がないんだもん・・・。
「GWの施工を見れば、その工務店の断熱・気密施工の実力がわかります。」
「言ってみれば、工務店の実力を測る試験みたいなもんなんです。」
「断熱性能は断熱材の性能×施工精度×気密性能で決まります。」
「だから、工務店選びはしっかりと行わなければなりません。」
弊社も良く使う言葉です。
これを見学者の皆様に、ご理解していただくための仕掛けだったんですね。
いいと思います。
弊社でも簡易的な展示を時々行いますが、ここまで出来れば最高ですね。
みんな、工夫しているんだなぁー。
勉強になりました。
そして、変態達との楽しいひととき。
そして意見交換会。
あっと言う間に時間が経過しちゃうんですよね。
また、どっかでやりたいなぁー。
貴重な体験をさせて戴きました。
ラファエル設計の神長所長、ありがとうございました。
完成したら、体感させてくださいね。
posted by Asset Red
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電話:03-3550-1311
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