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久し振りに雨が降りました。
午後は止むそうですが、なんだか肌寒い練馬・板橋・・・。
空がどんよりとしていて、気分が沈みます・・・。
『FPの家 S邸』
セルロースファイバー吹込みの先行施工が行う為に、ブローイング業者が入っています。
現場に行くと、不織布のロールが置かれていました。
不織布とは、その名の通り『織らない布』。
繊維を合成樹脂または、その他の接着剤で接合して布状にしてあります。
弾力に富み、通気性にすぐれていて、洋服の芯地などに用いるのが一般的です。
でも現場では、違う目的で使います。
まずはこれを、壁下地に張らなければなりません。
もう既に張られている壁がありました。
良く見ると、不織布を間柱の側面に留め付けているんですね。
作業をしている方に聞いてみると、正面にはほとんど留めないんだそうです。
何故?
現場内にはタッカーの発する「パチン、パチン」という音が響き渡っています。
とにかく留め付け箇所が多いんです。
100mmピッチどころではありません。
大工さんが使っているタッカーではなく、エアタッカーを使っていました。
そりゃ、そうですよね。
手でこれだけのタッカーを留めていたら、手が動かなくなる事、間違いなしだと思います。
ハンマータッカーやスゥエーデンタッカーも不織布に疵をつける恐れがあるため使えないと思うし・・・。
今回は一部の間仕切り壁下地に不織布を張り、その中に55±5 Kg/㎥の密度のセルロースファイバーを吹き込んでもらいます。
工事をお願いした施工店からは、以下のお願いをされていました。
「セルロースファイバーを吹き込んだ際には、必ず気密・防湿シートを貼るようにしてください。」
間仕切壁なので、シートは両面に貼らなければなりません。
事前に片側のシートだけ貼っておき、もう片方に不織布を張ってもらう。
そして吹込みが終わったら、その上に気密・防湿シートを張ります。
写真のように、吹込む際には不織布に穴を明けホースを挿し込み充填。
その後、穴を塞いで施工完了となります。
気密・防湿シートを予め、両面に張っておいてもいいんじゃないの?
聞いてみました。
「ダメです。」
空気の抜けないシートに穴を明けてホースを挿し込む事は出来ます。
でも、そこにセルロースを充填してもホース周りから出てしまい、充填する事は出来ないんです。
繊維と共に沢山の空気を充填するので、気密シートはパンパンに膨れてしまいます。
だから片面のシートだって、タッカーを増し打ちする必要があるんです。
不織布であれば、空気はドンドン抜けます。
そして後には繊維だけが残ります。
ちなみに天井に吹込んでいるセルロースの密度は25±5 Kg/㎥です。
壁の場合は55±5 Kg/㎥ですから、倍以上の密度になる訳です。
パンパンですよね。
不織布を間柱に留めていたら、孕んでしまいます。
石膏ボードを張るのに支障をきたすことになります。
ナルホド・・・。
そうなんだ・・・。
先程、繊維だけと書きました。
そうセルロースファイバーは紙繊維です。
原料は国産の新聞や古紙となります。
でも、実は『だけ』ではありません。
難燃性・防虫性を目的に混入されたホウ砂も残るんです。
その添加量は16~20%程度らしい・・・。
ホウ砂って、シロアリや木材腐朽菌にも効果あるんですよね。
揮発しないから、効果はいつまでも続くというし・・・。
吸音性が向上するのも魅力だと思います。
そうそう、現場には袋入りのグラスウールが置いてありました。
ん
何に使うんだろう
ついつい、グラスウールには反応しちゃうんですよね。
しかも、袋入り・・・。
私的には『諸悪の根源』と言う位置づけです。
聞いてみると、答えてくれました。
「天井に吹込む際、ダウンライトや排気口の上に被せておくんです。」
「そうしないと、吹込んだセルロースが穴を明けた際に零れちゃうでしょ。」
またしても、ナルホド・・・。
その際には断熱材の裏表を確認しないとなりませんね。
イラストのように、袋入りのグラスウールって裏表があるんです。
室内側は水蒸気の侵入を防ぎ、室外側は侵入した水蒸気を速やかに排出するしくみになっています。
裏表を間違えると、断熱材に水蒸気が籠ってしまい結露するかもしれません・・・。
作業者も、そんな事はご承知かと思いますが・・・。
今日は、不織布張りで終わりそうですね。
実際の吹込み作業は明日になると思います。
シートがパンパンに孕んだ有様は、明日ご報告したいと思います。
黙々と作業を続けるブローイング業者の横で、大工さんは窓枠の取付を行っていました。
ジャストカット窓枠ですから、箱を明け組立て、窓に留め付ければ完成です。
外壁の内側には野縁を使った配線スペースを設ける為、窓枠は大きめにしてあります。
部屋によって色柄が違うので、注意が必要です。
まだまだ地味な作業が続きます。
とにかく頑張ってもらうしかありません。
posted by Asset Red
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