ナルホド?

先日、品川方面で行われたHEAT 20の報告会に参加したんです。

色々と確認できた事を住宅従事者向けに発信するという企画、その4回目となります。

情報共有が狙いです。

この時期にG3グレードを発表した理由は何?

どんな狙いがあるの?

単なる『Q1.0住宅』や『パッシブハウス』の模倣なの?

こんな疑問をお持ちの方も多いですよね。

HEAT20委員でもある南雄三氏が、パネルトーキングの際にパネラーの皆さんにズバリ聞いていました。

でも残念ながら、明快な答えは戴けなかったんてす。

でも私自身は、事前に行われた『HEAT20賛助会員による意見交換会』の、近大の岩前先生によるお話で既に納得していました。

その事について書きたいと思います。

人生100年時代と言われるようになりました。

既にアメリカでは、アンチエイジング医療が進歩していて『老化は病気』なんだそうです。

つまり治療する事が出来る・・・。

そして、その為の方策はほぼ出来上がっているそうです。

だから当然、寿命は長くなる。

でも現状とは違います。

延命技術により、治療期間が増える訳ではないんです。

健康寿命が延び、元気に活動を続けることが可能となります。

これって、うれしい事だと思います。

近い将来、人間は自分の寿命を選択出来るかも知れない?

岩前先生は笑って、そうおっしゃっいました。

 

健康寿命が延びるんだったら、暖かい家は要らないのでは?

いえいえ、違います。

寒い家では、様々な事故が起こり得ます。

暖かい家は、やっぱり必要です。

だから、ここで問題が発生します。

今、寒い家を作ったら将来『暖かい家へのリフォーム』が必須となる筈。

80歳でリフォームなんて出来るでしょうか?

色々な意味で、無理ですよね?

家づくりって、案外体力を使います。

精神的にもハードだったりします。

この先、光熱費だって高騰します。

化石燃料の使用は制約され、いずれ淘汰されるでしょう。

配送費や材料費も高騰する筈。

生活費を抑制し第2の人生をエンジョイするためには、暖かくて省エネな住まいが絶対条件だと思いませんか?

室内温度18℃以上!

世界保健機関(WHO)でも強く推奨されたそうです。

推奨でしょ?

と思った方もいる筈です。

でもこの推奨は、ほぼ命令に近いレベルらしいですよ・・・。

『いずれ日本国にも強いプレッシャーが掛かるでしょう。』との事。

住宅の室温規定が無い『住宅後進国』の我が国にも、ようやく先進国並みになるのかな?

家中の最低室温を18℃以上に保つ為には、自然室温を高めるのが効果的です。

これが出来なければ、ひたすら暖房を続けるしかありません。

光熱費が高騰すれば、かなり厳しいことになります。

こうなれば、H28基準のような『圧倒的に性能の低い家』は淘汰されるでしょう。

期待したいと思います。


いよいよ、まとめです。

コストパフォーマンスという言葉があります。

HEAT20で言えばG1・G2・G3グレードの外皮にするための費用増と、それによる効果の違いを差します。

例えば、G1グレードは簡単に実現できるソコソコのグレードです。

そしてG2グレードはコスト増になるけど、健康を担保出来るグレードとなります。

そうそう、このグレードという言葉が勘違いを招いているようですね。

H28基準のような『基準』を意味する訳ではありません。

これを超えればOKというものではないんです。

あくまでも『水準』を意味するらしい・・・。

「ひとつの参考として、選択する側が設備や日射等(地域・環境によっては通風)を検討し、省エネ・健康・快適な住まいをつくり上げてください。」

その為の『単なる外皮の目安』に過ぎないという事を、利用する側は理解する必要があると思います。

だから、気密性能についても敢えて語られていません。

以前に聞いたことがあります。

その時の回答は、こうだったと思います。

「気密性の低い家では、壁内通気が発生し断熱材の性能が担保できません。

内部結露を招く原因にもなり得ます。

当然、ある程度の気密性能は必要です。

でも気流止めの施工がキチンとなされていれば、ある程度の気密性は担保でする筈。

気密性能としてC値を設定する事は出来ますが、必ずしも気密性=防露性ではありません。

C値が悪くなくて、隙間特性値が悪ければ問題です。

これらを踏まえ、C値の水準値は提示しない判断をしました。」

値をクリアしたから、安全では無いよ!

という事ですよね。

確かにそうだと思います。

この辺りの事が理解出来ていない利用者が多いと思うんですよね・・・。

話を戻しましょう。

G1の方がコスパが高いという方が多いようですね。

でも、健康・長寿・メンテナンス性を含めればG2の方がコスパが高くなります。

そして外皮性能をさらに高め、エナジーベネフィット&ノンエナジーベネフィットを高めたのがG3グレードとなります。

お金を掛けられるんだったら、やりましょう!

これ以上の性能を高めても、費用対効果は望めないよ!

というギリギリのレベルらしいですよ。

あくまでも、今現在の話です。

光熱費が上がれば、状況は変わります。

そこの所は割り引いても

ここまでやれば、もういいんじゃない?

というグレードと考えて良さそうです。

上を見ればキリがありません。

どこまでやればいいんだろう?

こんな悩みを持つ方々へのアドバイスにもなりそうですね。

私自身、ナルホド!と思いました。

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