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こう雨が続くと、洗濯物が乾かなくて困りますよね。
我が家も部屋干しが続いています。
ご存知ですか?
夏の方が冬よりも、洗濯物って乾くの早そうですよね。
でも、意外とそうでもないんです。
洗濯物に含まれる水分が周囲の空気中に移動すると、洗濯物は乾きます。
その速度は温度・湿度・風速によって変わります。
もちろん温度が高いほど、湿度が低いほど、または風が強いほど早くなります。
洗濯物の乾燥も、実は空気中に保持できる水分量(飽和水蒸気量)と関係があるんです。
飽和水蒸気量とは1立方メートルの空気中に存在できる水蒸気の質量をグラムで表したものです。
気温が高いと増え、空気中にたくさんの水分を含むことができます。
逆に気温が低いと減り、空気中に含むことのできる水分量は低下します。
その為、温度の高い夏は空気が含むことのできる水分量が多くなります。
たとえば気温25℃の時の飽和水蒸気量は、気温5℃の時の3倍以上。
やっぱり夏の方が乾くの早いんだ!
いえいえ、ちょっと待ってください。
例えば、高湿のサウナの中では洗濯物は乾きませんよ。
冷凍庫の氷は、どんどん痩せていきます。
冷蔵室のごはんだって、ラップ掛けとかなければパラパラになっちゃいます。
冷蔵庫の中は冷たいのに、乾燥している訳です。
フリーズドライだって、この仕組みを使ってフルーツを乾燥させています。
なぜ?
答えは蒸気圧の差なんです。
空中の飽和水蒸気圧を比べてみましょう。
気温30℃/湿度70%の場合
気温30℃の飽和水蒸気圧は42.0hPa。
湿度70%の時の水蒸気圧は29.4hPaとなります。
42.0-29.4=12.6hPaですから、差し引き12.6hPaの気化圧がかかる事になります。
室温20℃/湿度が10%の場合
20℃の飽和水蒸気圧は23hPa。
湿度10%の時の水蒸気圧は2.3hPaなので、差し引き19.8hPaの気化圧がかかります。
12.6hPa<19.8hPa
前者よりも後者の方が気化圧が大きい為、より乾燥しやすくなります。
重要なのは、湿度だったんですね。
でも、それだけではありません。
空気が動いていないと、高湿度になった空気が洗濯物周囲に停滞します。
空気にはある程度の粘度があるんですよね。
高湿空気のベールに包まれているイメージでしょうか。
だから、このベールを壊す程度の風があった方が乾きやすくなります。
これって、風が当たると涼しく感じるのと同じ原理です。
私たち人間の体の回りにも、湿った空気のベールがあるそうです。
このベールが身体からの放湿を邪魔していると、暑く感じる。
風を当て、このベールを壊してしまえば、放湿量が増え気化熱で体温を下げてくれるようになります。
アルコールを含んだ脱脂綿で体を拭いた状態と同じです。
身体を冷やすしくみも、洗濯物を乾かすしくみも、同じだったんですね。
部屋干しをするのなら、湿度を下げ風を当てるのが良いようです。
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