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昨日の見学会、真剣に考えている人が多かった気がします。
釣られて、ついつい長話。
断熱材の環境性能の話までしちゃいました。
繊維系断熱材メーカーのカタログを見ると、書いてあるんですよね。
こんな事が。
断熱材は、断熱材の製造・運搬・廃棄等に伴うCO2排出量と、運用に伴うCO2排出量を比較してLCCO2削減効果を評価する必要があります。
地球温暖化防止の取り組みのためには、断熱材を断熱性能だけで選ぶのではなく、断熱材自体のLCCO2削減効果を考えて選ぶことが重要です。
グラスウールがLCCO2削減に貢献する理由は次の2つです。
①住宅のエネルギー消費量の削減
グラスウール断熱材で「高断熱住宅」にすることにより住宅のエネルギー消費量を削減できるため、断熱材製造時のCO2排出量と比較してもトータルとしてLCCO2の削減となります。
②繰り返し再利用できる素材
グラスウールは原料の85%以上がリサイクルガラス(リサイクルカレット)で、製造から使用、廃棄までのライフサイクルを通じて発生する環境負荷「ライフサイクルアセスメント(LCA)」が低く、地球環境に優しい素材といえます。
旧省エネ基準から次世代基準へ断熱強化した場合の硬質ウレタンフォームとグラスウールの LCCO2を比較しています。
どちらも高断熱化によるCO2削減量は同じです。
その際の硬質ウレタンフォームの製造中に排出されるCO2の量はグラスウールの約50倍にもなります。
そのため、住宅断熱に発泡プラスチック系断熱材を使っても結果的にはCO2 削減にはなりません。
むしろ使えば使うほどCO2 排出量を増やす結果となってしまいます。
その点グラスウールは、製造時のCO2 排出量及び住宅のグラスウール断熱強化によるCO2の削減でライフサイクル全体を通じてCO2削減に貢献する素材であることがわかります。
繊維系断熱材に比べると、発プラ系断熱材の製造時の環境負荷って大きいから、省エネでは無い。
断熱性能は高いけど、価格も高いから省エネでは無い。
成る程、一理あります。
でも解体をしていると、再利用に耐える繊維系断熱材なんて見た事ありません。
大抵が黒く煤けています。
黒く煤けた断熱材なんて、そのままゴミ箱行きです。
黒く煤けた断熱材って、壁内通気があった証拠なんです。
繊維に絡んだ動かない空気が断熱効果を生みます。
断熱材の中を空気が流れていては、断熱材としては失格なんです。
施工状態による断熱性能を示した資料です。
煤けた断熱材って、『良い施工状態』とは思えません。
本来の役目を果たす事無く、しかも解体時に廃棄物として環境に負荷を与える結果になる。
LCCM的にどうなんでしょうか?
カタログを、額面通りに信じていいのかな?
発プラ系断熱材は、製造時の環境負荷が大きいと言われていますが、解体して次の建物でも使えれば、環境負荷は小さいのではないでしょうか?
23年前に採用した断熱材が、建て替え時に再利用され、更に30年役立ってくれます。
確かに初期投資は大きかったかもしれません。
でも、元は取れたと思います。
確実に断熱材として機能していた訳だし・・・。
今回行った23年前の断熱材の再利用、この意義って滅茶苦茶大きいと思います。
こうした取り組みが増えればいいのに・・・。
でも、こんな事する工務店ないでしょうね。
posted by Asset Red
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