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先日、拙ブログを読んでくださった方よりリフォームの相談を受けました。
築20年超の高断熱・高気密住宅にお住まいです。
当時から健康住宅に興味を持たれ、自然素材を使った住まいづくりを選択されていました。
でも不幸な事に当時の工務店は廃業・・・。
「自然素材を使った健康住宅のリフォームに対応できる工務店って、少ないんですよね。」
面談して早々に、仰っていました。
かなり勉強もされているようです。
以前に声を掛けた業者は、こんな事を言っていたそうです。
「法律が改正され、危険な建材は使えなくなりました。だから心配いりませんよ。」
クロルピリホス・クロルデン等の防蟻剤やホルムアルデヒドの事を言っているようです。
でも健康被害の原因は、これらだけではありません。
他のVOCだって十分危険だし、他にも注意が必要なことは沢山あります。
例えば、寒い家の影響です。
暖かい家に引っ越すだけで、様々な症状が軽減することが段々わかってきました。
こうした事が解っている方なんでしょうね。
中途半端なリフォーム業者に依頼したら大変・・・。
危惧を抱いての弊社への相談だったそうです。
確かにそうですよね。
ちなみに昨年暮れに発売された黄色い本には、こんな事が書かれています。
こんな本です。
アマゾンで購入する事も可能です。
私も、少しだけお手伝いさせて戴きました。
その中の一部を抜粋して、ご紹介しましょう。
近年、日本ではアレルギー患者の数が年々増加しています。
そしてその多くは、家の中で発生する真菌・ダニ・昆虫(チャタテムシ等)が要因といわれています。
真菌とはカビ・キノコ・酵母などの菌類のこと。
特にカビが原因のアレルギーは、中年以降に発症すると治りづらく、悪化の一途を辿る可能性もあるので注意が必要です。
また家の中で発生するカビのおよそ70%は、次の3つの属に分類されるカビです。
最も多いのはクロカビ(学名・クラドスポリウム)。
浴室・洗面所・エアコン・加湿器・壁内外の結露発生場所を好みます。
誰もが一度は目にしたことがあるでしょう。
クロカビは、さまざまなアレルギー疾患の原因となりますので侮れません。
次にコウジカビ(学名・アスペルギルス) です。
酒・味噌・醤油など和食文化に欠かせない有用菌がいる一方、健康被害を及ぼす悪玉菌も沢山いるので注意が必要です。
好湿性、好乾性、耐乾性など、さまざま種類がいます。
古本をめくると茶褐色の染みのような斑点を見ることがあります。
あれはフォクシングと呼ばれ、アスペルギルス・ペニシロイデスなどが産生する酸に起因します。
さらに古本にはコウジカビを餌にしているチャタテムシが発生することが多く、長らく出し入れしていない本棚は彼らの温床となっているかもしれません。
できるだけハウスダストが溜まらないように、こまめに掃除してください。
特にコウジカビは悪性になると、喘息や肺アスペルギルス症など深刻な疾病を引き起こします。
3つ目は、アオカビ(学名・ペニシリウム)。
湿気を好み、押入れなどのジメジメした場所や、結露で湿った窓枠、結露した壁内などに発生します。
一般的にカビが発生しやすいのは、温度20〜32℃で湿度80%以上のジメジメした場所です。
特に梅雨時期以降、気温30℃以上で高湿度の日が続くと、室内でカビやダニが繁殖しやすくなります。
そのため、夏は真菌アレルギーが発症しやすいのです。
たとえば「夏型過敏性肺炎」。
夏の終わりごろに発症し、38℃前後の熱や咳、呼吸困難などの症状がでます。
原因は、台所や絨毯、湿った木材など、日当たりが悪い多湿の場所を好む「トリコスポロン」というカビ(学名・トリコスポロン・アサヒ)。
雨漏りや壁内結露などがあると、壁の裏側で大繁殖している可能性があります。
また、「肺アスペルギルス症」は、ハウスダストの中に生息するアスペルギルス・フミガタスが原因。
このカビが怖いのは繁殖適温が37℃というところ。
なんと人間の体温と同じなんです。
継続的に吸い込み続けると、肺や気管支内で増殖し、呼吸困難を引き起こします。
最悪の場合は死に至ることも・・・。
高温にも強く52℃でも死なないため、特に夏季は要注意です。
これらのカビは、エアコンの風にのって空中へ浮遊し、鼻から体内へと入りこみ、アレルギーを引き起こします。
このようなカビの健康被害を防ぐためには、とにかくカビやダニが繁殖し、空気中に浮遊するのを予防することが第一です。
ハウスダストをため込まないようにこまめに片付けて、掃除しやすい環境を作るようにしてください。
そして驚く事があります。
それは、『人にやさしいといわれる自然素材であっても注意が必要』という事。
最近は、内装にビニールクロスを使わず、自然素材の塗り壁などを使う家が増えています。
しかし壁内結露対策が不十分な場合は、壁内で発生したカビに水分や栄養分を与えることになってしまい、かえってカビが増殖する恐れがあるのです。
これでは、せっかく人にやさしい自然素材を使っても本末転倒です。
コストをかけてでも、壁内結露を長期間持続して防止できる構造を選択しましょう。
P37にある
川上裕司先生
(株)エフシージー総合研究所取締役・暮らしの科学部部長 博士(農学)
(独)国立病院機構相模原病院臨床研究センター客員研究員
東京家政大学大学院非常勤講師
の記事となります。
この続きが知りたい方は、是非お買い求めください。
あっ、このお宅は大丈夫です。
きちんと壁内結露の無い家づくりを行っていました。
自然素材を使った家って良いですよね。
経年劣化を心配するのではなく、経年美化を楽しむことが出来ます。
健康の妨げになりにくいし、メンテナンス費用の圧縮にも役立ちます。
ホルムアルデヒド計を持ち込み計測させて戴きましたが、良好な空気環境を維持していました。
もっと早く知り合えていたら、住まいづくりの段階でもお手伝いできたのに・・・。
少し残念に思いました。
posted by Asset Red
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