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昨日と今日はアセット フォーの定休日。
夏季休暇明けと云うこともありバタバタの3日間、疲れました。
漸く暑さにも慣れて来て、暑い暑いと云う事もなくなったのに、夏もあと少しなんですね。
ここ数日、なんとなく暑さも収まった感もありますよね?
28℃に設定している我が家のエアコンですが、明け方は少し寒く感じるようになりました。
このまま徐々に涼しくなるのか、それとも暑さがまだまだ続くのか・・・。
いずれにしても、9月の長雨だけはごめん蒙りたいと思います。
湿度が高くなるのも勘弁して欲しい・・・。
快適な室内環境って難しいですよね。
人間が感じる暑い・寒い・涼しいという感覚は、単に室温だけで決まるものではありません。
その部屋を囲む周壁(天井、壁、床)の温度によって大きく変わります。
涼房温房の考えを提唱された武蔵工業大学の宿谷昌則教授の研究によれば、人間が快適だと感じる時は人間の体から発する代謝熱量が最低になるそうです。
次のグラフを見てください。
ここでは宿谷教授の著書「エクセルギーと環境の理論」より、69ページの 図2.3.2 を引用させていただきます。
【図表出典書籍】 著者:宿谷 昌則 出版社: 北斗出版 (2004年 8月)
この斜めに引かれている太線は、体内における代謝熱量と、体の表面からの放熱量がちょうど釣り合っている状態の周壁と室内の温度の組み合わせを示しています。
この太線の状態が人間にとって心地よく感じられる状態で、太線より右上では暑く感じ、左下では寒く感じられるそうです。
特に太線の中でも、周壁温度が25℃/室内温度が18℃の場合がもっとも人間の発熱する代謝熱量が小さく、居心地が良い環境であるようです。
例えば窓や壁の周壁の温度が15℃とすると『代謝熱量=放熱量』のそれなり心地よい環境にする為には、室内温度を28℃くらいにする必要があります。
つまり周壁温度15℃に比べて、室温を10℃近くも上げなくてはてはなりません。
これには、かなりの空調エネルギーが必要となります。
夏の場合、政府は『クールビズ』と称して室温28℃を推奨しています。
でも仮にガラス窓や壁が40℃であれば、とても暑く感じるでしょう。
冷房をして室温を大幅に下げなくてはとても苦しい状況になります。
冬だって同じです。
居心地の良い住空間をつくる為には、エアコンのような対流熱を使った室温のコントロールに頼るのでなく、室内の周壁(床、壁、天井)の放射熱を使ったほうが人体にはるかにやさしいと言えるでしょう。
そのためには周壁の温度の安定が重要です。
そこで必要になるのが断熱・遮熱技術です。
これらを使正しく使い、なるべく化石燃料を使わないで周壁温度の制御ができれば、快適&省エネルギーにつながる訳です。
人間の感じる温度の大事な要素に、湿度と気流があります。
例えば気温の高い夏でも、湿度が低ければあまり暑さを感じません。
また風が吹くと体表の熱を奪う為、体感温度が低く感じられます。
一般的には風速が1m/S増すごとに、体感温度は1℃下がると言われています。
体感温度は次の計算式 (ミスナールの体感温度)で求めることが出来ます。
体感温度=気温-1/2.3×(気温-10)×(0.8-相対湿度/100)
この式によりば、人間は気温が10℃以上の場合は湿度が上がれば上がるほど暑く感じます。
そして、10℃以下の場合は湿度が上がれば上がるほど寒く感じます。
先人は生活の知恵を利用して、化石燃料に頼ること無く、パッシブな方法で地域の風土や気候に合った形で実践してきました。
樹木や窓配置による日射遮蔽&日射取得
風通し
打ち水
等々。
でも、現代人はハイテク技術に頼るばかり・・・。
資源の限界が見えてきた今日。
化石燃料の多用による地球温暖化も進行しています。
地球環境を守ることを意識する必要があるでしょう。
そうは言っても健康で快適な生活は重要です。
我慢の小エネという訳にはいきません。
人間も地球に生きる生物として、もっと身近な自然の恵みを活かし、生活してゆかなければ立ち行けない時期に来ているのではないでしょうか?
文中緑の部分は、株式会社ナガイのHPよりその一部を抜粋・転載させていただきました。
断熱・遮熱技術というキーワードが出ていますが、この中には従来から言われている
断熱
気密
遮熱だけではなく、蓄熱(熱容量)も含まれています。
最近、ようやく断熱の事が語られるようになってきました。
でも、断熱力=断熱材の性能×施工精度という事はあまり知られていません。
完璧な施工が行われている前提。
経年劣化のない前提。
で示される断熱性能って、意味あるんでしょうか?
そして、少しづつではありますが気密の重要性も語られ始めています。
どんなに断熱力を高めても、気密が伴わなければ効果は期待できない・・・。
遮熱については、まだまだ誤解が多いようですね。
そして、熱容量。
遮熱同様に一長一短があり難しい・・・。
ついついハイテク設備に頼ってしまう気持ちは理解できます。
お金さえ掛ければ、簡単ですから・・・。
でも、そんな事を言っている場合ではありません。
難しくても理解して、すぐにでも実践しなければ地球温暖化を止めることは出来ないんです。
posted by Hoppy Red
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