改正建築基準法

改正建築基準法が6月25日に施工されました。

その柱は次の3つです。

①密集市街地等における安全性の確保

②既存建築ストックの活用

③木材利用の推進

今回ご紹介するのは、一戸建て住宅に関係する改正内容の一部です。

特に①について書きたいと思います。


今回の改正では、密集市街地等における安全性の確保の観点から、防火地域・準防火地における、延焼防火性能が高い建築物の建蔽率を緩和する措置について、その対象が拡大されています。

この措置は、火災時に延焼の恐れがある危険な密集市街地が、中心市街地や幹線道沿いなどに当たる防火地域の約1割、防火地域の周辺に指定される準防火地域の約8割に及んでいる現状を踏まえ、両地域における耐火性能の高い建築物への建て替えや改修の促進を図るのが目的です。


これまでは防火地域において耐火建築物とする場合にのみ、建蔽率を10%緩和するインセンティブが与えられていました。

これが今改正により、準防火地域における耐火建築物及び準耐火建築物にまで対象を拡大しています。

準防火地域では、一般的な木造一戸建て住宅など2階建て以下で延べ床面積が500㎡以下の場合に限り防火構造で建てることが可能です。

今改正により、防耐火性能をワンランク上げた準耐火建築物にすることで、建蔽率は10%緩和されることになりました。

また同地区における3階建て住宅については、これまでも準耐火建築物とすることが求められていました。

今改正による、この点に関する変更はありません。

でも、建蔽率の緩和というインセンティブが付与されることになりました。


防火地域においては、2階建て以下かつ延べ床面積100㎡以下の小規模なものを除き、全ての建築物を耐火建築物とすることが求められています。

一戸建て住宅についても同様ですが、今改正により『耐火建築物相当』として認められる具体的な仕様が示されています。

これまでは、全ての壁や柱などに対して一律の耐火性能が要求されていました。

耐火構造は、火災による加熱終了後も引き続き倒れないことを求められるため、木材は石膏ボードなどで防火被覆する必要がありまた。

今改正では延焼防止性能を総合的に評価し、外壁や開口部といった建物外周部の防火性能を強化することで、内部に木材を利用した設計が可能となります。

例えば一戸建て住宅の場合は、外壁は75分準耐火構造/外部に面する開口部は20分防火設備とすることで、内部については45分準耐火構造にできるようになります。

これにより、柱や間仕切壁などに木材をあらわしで使用することが可能です。

なお75分準耐火構造や90分準耐火構造とは、今改正において耐火構造と同等の性能を有する性能の高い準耐火構造として、新たに示されたものです。

狭小地が多い弊社の商圏では、建蔽率の緩和はうれしいですよね。

また、内装に木質建材を利用できるのも弊社にとってのメリットです。

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000097.html

国交省のページを貼っておきます。

詳しく知りたい方は、ご確認ください。

私もしっかりと改正内容を確認して、今後の設計に活かしたいと思います。

 

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