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昨日に引き続き、首都大学東京の星丹二名誉教授のお話をご紹介します。
特別講演 健康住宅を創りましょう の中の一部を抜粋・転載させていただきました。
厚労省が昨年7月に発表した簡易生命表によれば、2017年の日本の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.26歳。
相変わらず、世界で一番の長寿国となっています。
一方、健康上の問題がない状態で、日常生活が制限されることなく、自立して生活できる期間である『健康寿命』は、男性が72.14歳、女性が74.79歳。
つまり平均寿命と健康寿命には、それぞれ8.95歳と12.47歳の開きがあり、10年前後の長い期間『NNK』の状況が続いています。
NNK(ネンネンコロリ)とは、私の造語です。
少しずつ人々の間に浸透してきた『PPK(ピンピンコロリ)』、つまり健康で長く生きることに対して、要介護で長生きした終末となることを意味します。
ここで、『〇』『×』で答えられる簡単な質問を8つ用意しました。
皆さんも、是非考えてみましょう。
①健康は医学で決まる。
②地方よりも都市の方が長生きだ。
③好ましい生活習慣へ行動変容すると長生きする。
④命は収入が直接決定する。
⑤我が国の公害は終焉した。
⑥NNKよりPPKが多い。
⑦我が国の住宅は健康住宅だ。
⑧我が国は幸福度が高い国だ。
いかがでしたか?
③については、前回答えを書いてしまいました。
⑥については、先程のデーターをみれば分かりますよね。
その他はどうでしょうか?
正解は、全て×です。
健康は医学では決まりません。
更に言えば、病院は安全なところでもありません。
EU事務局が報告した患者安全報告『Patient Safety in the EU 2014』によれば、EU全体で年間15万人が病院の医療事故で亡くなり、EU市民の53%が病院を危険だと認識しています。
また日本ほど薬を服用する国は無く、ある意味で寝たきり患者を医学が生み出しています。
私は、健康でいられるかを決めるのは、医学ではなく『日々の暮らし』だと考えています。
日本一の長寿県は長野県で、地方の方が比較的長生きです。
医者と病院が少なく、蛍がいるような環境の良い地域の方が長生きする人が多いのです。
また、たとえ生活習慣を変容させても、その背景に夢や意思が無ければ、すぐに生活習慣はリバウンドしてしまうでしょう。
我が国の住宅は、健康住宅とは言えません。
英国政府は、冬季に室温を18℃に保てない賃貸住宅には改善命令を出し、従わなければ解体命令を出します。
我が国の住宅にこれを当てはめれば、9割が該当します。
更に、国際連合の関連団体が発表している『世界幸福度ランキング2019』によれば、日本は156か国中58位、G7(主要7か国)の中では最下位となっています。
是非NNKではなく、幸福感を持ってPPKで最後まで元気に生きていただきたいと思います。
そのために必要なものは、暮らしです。
暮らしとは、すなわち住宅です。
仲間や家族などによる手当であり、地域のネットワークとも言えます。
続く・・・。
posted by Asset Red
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