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先日、知り合いの工務店の現場を見せて戴きました。
私がお手本にしている工務店の完成現場です。
その取り組み方が凄いんです。
でも、マネ出来ません。
せめて、細かな納まりを勉強したい!
そんな思いで、時々見に行っています。
巾木の写真です。
毎度の事ですが、無垢の木材を大工さんが加工しています。
シート貼りの造作材なんて、一切使用しません。
厚さは6mm程度、高さは40mmというところでしょうか。
「この位の高さがないと、巾木の機能を果たすことが出来ません。」
「ギリギリの選択だと思います。」
最近、小さな巾木(雑巾摺と言ってもいいでしょう。)を使う工務店が多いようです。
弊社のつくった建物でも、小さな巾木を使ったことがあります。
この時の巾木は、厚さ3mm×高さ12mmでした。
正に雑巾摺です。
当時の私も疑問に思いつつ、採用したんですよね。
(こんな小さな巾木じゃ、意味ないじゃん)
そもそも、巾木の役割は以下の通りです。
①壁を守ります。
床と壁の取合い部分は、結構ハードな環境です。
掃除機を掛ければ、先端が壁に当たってしまいます。
何気なく、爪先をぶつけてる事だつてあるでしょう。
その結果、汚れたり破損したり・・・。
その為に設けられたのが巾木です。
もし巾木がなかったら、ここにに何かがぶつかるたびに壁が壊れてしまうかも?
その度に修理するなんて大変でしょ?
壁が破損しなくても、壁紙がはがれたり塗り壁がポロポロ取れたりなんて事もある筈です。
②壁と床の隙間を隠します。
下図をご覧ください。
この図は一般的な壁と床、そして巾木の取合い部の断面図です。
壁と床の間に隙間があるのが分かりますか?
手抜き工事
いえいえ、違います。
わざと隙間を空けているんです。
この隙間がある事で、床や壁が多少動いたとしても、壁に張られた石膏ボードが破損することを防げます。
巾木がなければ、隙間が見えてしまいます。
ゴミも溜まるし、隙間って見苦しいですよね。
他にも理由はあるでしょう。
②については、背の低い巾木でも問題ありません。
でも、①についてはまるでダメでしょ?
そうなんですよね。
巾木って恰好悪いから、小さく目立たないようにしよう!
なんて言われても、簡単に肯定しないようにしたいと思います。
普通の巾木の高さは6cm位です。
でも先程の写真の巾木は4cmです。
わずか2mmの差ですが、スッキリしてますよね。
弊社のつくった和室の写真です。
畳敷きの場合も、巾木に相当する部材が使われています。
写真では分からないかな?
巾12mm×高さ12mm程度の畳寄といわれる部材です。
役割としては、巾木とほぼ同じです。
畳と面にして納める場合も多いんです。
写真では、畳より突出させてみました。
これを入れることで、畳のヘリと壁の間の隙間を均一にできるのも役割のひとつかな。
壁も、平らではありませんから・・・。
見学会会場の和室では、この部分を、こんな風に納めていました。
畳寄上部の壁を板張りにしているんです。
腰張りみたいでしょ?
写真のように、和室の聚楽壁の下部に白色や紺色の和紙を貼り付けている状態を『腰張り』と言います。
一般的な和室より、お茶室に多く見られる様式です。
汚れ防止と塗り壁の剥落防止や衣服等の保護が目的です。
クロス仕上げの壁が増えてきて、最近は減ったと云われています。
久し振りに見た気がします。
ここでは腰張りと違い、厚さ4mmのシナベニヤを貼っていました。
中々いい感じですよね。
マネしてみたいと思いました。
無垢板だと、もう少し厚くしなければなりません。
ベニヤならではの薄さです。
この位薄いと、木口も気になりません。
何度伺っても、勉強になります。
厚さとか薄さ、木の大きさの頃合いみたいなものが絶妙だと思います。
無垢木材らしさを活かして、ワンポイントアクセントにする。
新建材の代わりに無垢材を使うだけでは、まだまだ半人前!
毎回、そう感じています。
もっと勉強しないといけませんね・・・。
posted by Hoppy Red
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