こう、雨ばかりが続くと・・・。

今日の練馬・板橋は雨・・・。

こう雨ばかりだと、気が滅入ります。

昨日の夕方、雨洩りの様子を確認してきました。

そして今朝、別のお宅の雨洩りの様子を確認しました。

どちらも弊社のOBではありません。

以前にお声掛け戴き、ちょっとしたメンテナンス工事をお手伝いさせて戴いたお宅です。

雨洩りって、イヤですよね。

今日確認した、雨洩りの様子をご報告したいと思います。

築20年超の木造2階建て、既に無くなっている大手ハウスメーカーによる注文住宅です。

跳ね出しバルコニーの床がフカフカしているとの事。

載ってみると、確かにフワフワしています。

明らかに下地ベニヤがふけている感じがします。

雨水が回っていると思われます。

階下に降り、早速患部下の軒天ボードに開口をつくりました。

やはり水染みができています。

でも、水滴は確認できません。

脚立に立って中を覗いてみると、写真中央の梁の向こう側の方がひどいようです。

さらに開口を拡げ、内部を確認しました。

あっ、木材腐朽菌が見えます。

梁下部の白いのが腐朽菌です。

腐朽菌は、主として担子菌類のサルノコシカケ科に属する菌類です

樹木の傷口から侵入し、セルロース・リグニンなどの木材の主要成分を分解して腐朽を引き起こします

腐朽の際に材が白変する菌を白色腐朽菌、褐変する菌を褐色腐朽菌というそうです。(以下、コトバンクより引用)

どうやら白色腐朽菌のようですね。

根太上部を触ってみると、既に腐朽していて中身がスカスカになっていました。

合板の被害は、見た目ほど酷くありません。

さらに奥の根太を調べてみました。

こちらの根太は大丈夫ですね。

合板も、触るとしっかりしています。

バルコニー先端を覗いてみました。

合板がふけてベロベロになっています。

どうやら、梁上に立つバルコニー束から水が伝わっているようです。

梁上には、既に雨水が溜まっていました。

束の上は、腰壁の開口部です。

風窓が開けられ、そこにフェンスが取り付けられていました。

風窓下の笠木と壁の取合い部および、上部笠木の端部が怪しいですね。

雨の真最中という事もあり、原因分析は一旦終了です。

後日、笠木を外してみようと思います。

20年以上前の建物ですが、防水紙にはアスファルトフェルトが使われていました。

私自身は、透湿防水シートしか知りません。

現場に携わる頃には、透湿防水シートが当たり前でしたから・・・。

恐らく、腰壁天端に笠木を取付ける為のビスが留め付けられているんでしょう。

シーリングの切れたジョイント部からの漏水が、そこから防水紙内部に回ったのかも知れません。

幸い、バルコニー束は腐朽菌の被害を受けていません。

根太×2本、合板×1枚。

FRP防水の再施工とアルミ笠木の取外し&再施工。

笠木天端の漏水対策が必要になると思われます。

 

まずは見積を作成します。

 

そしてゴーサインが出次第、天気の回復を待って対応したいと思います。

雨洩りの修理って、雨が降らないと原因特定が出来ないのに雨が降っていると直せないんですよね。

ついでに開口から、建物側も覗いてみました。

厚さ50mmの袋入りグラスウールが見えます。

下端は梁天端から離れていて、気流止め施工もなされていません。

そのせいで、断熱材内部のガラス繊維も黒く煤けているようです。

この現象を、ダスティングと言います。

ガラス繊維の中を上昇気流が通過する際に、埃や塵を吸着して煤ける現象です。

繊維系断熱材は、繊維に絡まる『動かない空気』が保温効果を維持しています。

でもダスティングの起こっている断熱材に、保温効果は期待できません。

ここってバルコニー下の空間です。

バルコニーの床には断熱材は施工されていませんでした。

そして、外気に通じる換気口も設置されていたんです。

つまり外気と同じ温度になっている訳です。

断熱材の下端に隙間があったら、冷気が室内に侵入しちゃいます。

断熱材の中にも冷気は侵入します。

壁から室内の温度を奪いつつ、暖められて上昇気流を発生させ、天井裏の隙間から外に出ていくことになります。

さぞや、寒かったことでしょう。

壁が冷たかったと思います。

でも当時は、こんな家がたくさんあったんですよね・・・。

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