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先日、お客様との会話の中に『緑の柱』というキーワードが出てきました。
木材のシロアリ・腐朽菌対策の話です。
この時は一言だけお伝えして、そのままスルーしました。
「緑の柱に使われているACQは良い薬剤だと思います。」
「でも、本来は『木材腐朽菌』の為の薬剤なんです。」
「他の防腐・防蟻対策を行わないのであれば、注意が必要ですよ。」
その訳を書きたいと思います。
緑の柱とは、『ACQ』と呼ばれる薬剤を加圧注入した柱です。
同様に作られた緑の土台もあります。
ACQは正式名称をAlkaline Copper Quaternaryといいます。
銅・アルキルアンモニウム(第4アンモニウム塩)化合物で、なにかと問題の多いヒ素やクロム化合物を含みません。
従来の薬剤が木材に塗布するのに対し、薬剤を加圧注入して内部に浸透させる為、防腐・防虫効果が長持ちするのが特長です。
薬剤が固着すると、揮発・流出もしません。
汚染の心配が少ない、環境や人に優しい薬剤です。
ACQの狙いは、シロアリの体内にいる『原生生物』です。
シロアリはこの生物の力を借りて、木材中のセルロース等を分解・採取しています。
だから、コレがいなくなれば生きていけません。
つまりACQは、『シロアリが食べる事により初めて効果を発揮する薬剤』なんです。
だから、シロアリがコレを口にしなければ、例えその上を歩いても効果は期待出来ません。
土台・柱を通って、他の木材を食べる事もあり得る訳です。
しかも表面に比べると、内部の有効成分濃度は薄くなる傾向にあります。
切断面や仕口部分については、現場もしくは加工工場にて防腐・防蟻処理する事をお勧めします。
弊社では、高濃度ホウ酸による防腐・防蟻処理を現場で行っています。
じつはホウ酸による防腐・防蟻処理の狙いもシロアリの体内にいる原生生物です。
でも、食べなければ効かない訳ではありません。
なぜならシロアリの持つ『グルーミング』という習性を利用しているからです。
シロアリは意外ときれい好き。
手足に付いた汚れを舐めて、きれいにする習慣を持つそうです。
木材表面に塗布されたホウ酸の上を歩いたシロアリは、巣に帰ると手足を舐めます。
そして体内に採取されたホウ酸は、原生生物を殺してしまいます。
体内に原生生物のいなくなったシロアリは、栄養を得ることが出来ません。
いずれ餓死することになります。
餓死したシロアリの身体は、仲間が食べてしまうそうです。
食べたシロアリもまた、栄養不足で死んでしまいます。
いずれは巣のシロアリ全部がいなくなる訳です。
人や環境にやさしいのは一緒です。
揮発しないので、効果も半永久的に続きます。
ACQも良いけど、ホウ酸はもっと良いでしょ?
あっ、高濃度じゃないホウ酸はダメですよ。
濃度が低いと、効果ありませんから・・・。
posted by Asset Red
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