換気回数0.5回/hって必要なの?

先日、「換気回数0.5回/hは必要か?」という議論をしている方々を見掛けました。

どうやら、換気による過乾燥を気にしている様子です。

冬季の過換気による空気の乾燥は問題です。

そして、夏季の高湿も困ります。

弊社でも対応に苦労しています。

実は換気風量を抑える事って、意外と効果が期待できるんです。

そもそも換気の目的って何だと思いますか?

色々とありますが、上表のような汚染物質を建物外に排出して、新鮮空気を導入することが重要だと思います。

この方の場合、VOC及びホルムアルデヒドの放散量は確認しているようだし、CO2濃度が問題無ければ換気回数を落としても問題無いのでは?とだけアドバイスさせていただきました。

CO2濃度が高くなると、色々危険です。

住宅では定められていませんが、ビル管理法では1000ppm以下と定められているんです。

1000ppmって、割と頻繁に超えてしまいます。

安易に換気風量を抑えるのは心配です。


ネット上で探してみると、色々な事が検索できます。

こんなコラムがありましたよ。

以下、トルネックス空気と換気のコラムからの一部抜粋です。

国土交通省等が編集した「建築物のシックハウス対策マニュアル」では、機械換気設備の能力としては0.5回/hに相当する換気量を確保した上で、冬季における換気量を以下のように出来るとしています。

C値が2.0㎠/㎡²以下の住宅の場合には0.4回/h

C値が2.0㎠/㎡を超える住宅では0.3回/h

ただし、あくまでもこれに相当する機械換気量まで低減可能な風量調整スイッチを0.5回/h運転用スイッチに加えることが条件であり、それぞれを0.4回/0.3回にしていいとはいっていません。

知っての通り、換気回数の0.5回/hは室内の炭酸ガスの濃度に基づいて定められたものです。

そのために少人数の家族構成では、換気量が過大となります。

だから居住する人数で換気量を調整すべきと考えます。

また室内のVOCの濃度は、これまでの多くの測定事例から竣工後4~6ヵ月で大部分が放散される事が分かって来ています。

さらには例え竣工時でのVOCの濃度がかなり規制値をオーバーしても、4~6ヵ月でほぼ規制値をクリアするレベルまで下がることが分かって来ています。

これらのことから、以下に示す理由から竣工1年を過ぎた段階で、冬季間での換気回数を0.3回/h程度まで下げることを奨めたいものです。

(1)住宅のエネルギーの消費量の削減を図る上での一つの有効な手段となる。

(2)室内のVOCに関しても測定データーから問題がないことが立証されている。

(3)給気による冷気感と、室内の過乾燥を緩和出来る。

(4)室内結露の発生は、これまでの測定データでは、殆ど皆無である。

私的には、かなり大胆なことをはっきり書いてあるなぁーと思います。

(1)(3)は、その通り。

でも(2)(4)も疑わしい・・・。

弊社でも全棟室内VOCを測定しています。

確かに問題はありません。

でも築古の建物で簡易測定をしてみると、大量のホルムアルデヒド放散が確認出来る建物もたくさんあります。

大抵のお宅は換気不足です。

室内には色々と汚染物質を出す物があるんですよね・・・。

特にクリーニング屋さんから帰って来た衣類は要注意!

衣類の防虫剤も良くありません。


でも、言ってることはわかります・・・。

漏気による換気回数を踏まえて、過換気にならないように冬季に限り調整しようという訳です。

でも、法律に明記されている事に逆らう以上は、きちんと安全性を確認する必要があるのでは?

だったら、CO2濃度を測定すべきだと思います。

これが私なりの考えです。

そもそも漏気による換気って、風力や上下温度差によって、かなり差が出ます。

これを無視して、換気風量を下げるのって少し怖くないのかな?

そもそも、きちんと換気システムが機能しているかどうかが重要ですよね?

でも、こうした議論が出来るのって楽しいですよね。

私は、こういう議論が大好きです。

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