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昨日の夕方、ルーフィングメーカーの方が私を訪ねて来ました。
色々なお話を聞かせて戴きましたが、屋根の下葺き材の要は耐久性と釘穴シール性だと思います。
戴いた資料の中より、それらについて書かれた部分を抜粋してご紹介したいと思います。
一般的な下葺き材の防水性能を担っているのは、アスファルトです。
アスファルトは経年劣化すると当初の柔軟性を失い、次第に防水性能が落ちていきます。
一方、改質アスファルトはアスファルトに比べて2~3の耐久性を持っています。
経年劣化については、実棟から採取したサンプルによる試験と、試験室での促進劣化させたサンプルによる試験によって評価しています。
上グラフがその結果です。
ピンク色が改質アスファルトルーフィング、そして黄色がアスファルトルーフィングに当たります。
試験結果から30年間の耐久性があることが確認されているそうです。
そもそも改質アスファルトとは、高温でダレ易く、低温で脆くなるアスファルトの短所を改良したものです。
アスファルトの改質には、一般的に高分子材料(合成ゴム・合成樹脂)を用いますが、その他溶解用助材・無機質混合物などを併用することもあります。
改質材を多く含めば効果が高いと考えがちですが、改質材の種類や配合方法によっても性能が大きく変わります。
それらが均一に分散され、分離しにくいものは安定性が高くなり、耐久性も高くなります。
また下葺き材の重要な特性は釘穴シーリング性でもあります。
屋根工事では、屋根材や瓦桟の固定などに釘を用います。
数多くの釘が下葺き材を貫通する訳です。
釘穴からの雨水の侵入を防ぐ。
これが下葺き材の大きな目的です。
イラストは耐水度試験(静水圧法 JIS L 1092)による試験方法です。
試験片の防水面が水に当たるように取り付け、装置の水位を上昇させて水圧をかけていきます。
試験片の裏側の3か所から水が出たときの水位をmm単位で測定します。
この試験では、防水加工した繊維製品がどの程度の水圧まで耐え得るかを評価します。
また、この試験には、A法(低水圧法)と10kPa以上の水圧に耐えるものに適用されるB法(高水圧法)があります。
この結果はA法のようですね。
青色が改質アスファルトルーフィング、茶色がアスファルトルーフィングとなっています。
両者の性能差、大きいですよね。
この他にも、下葺き材に求められる性能があります。
寸法安定性
機械的強度
温度変化による安定性
これらにおける、それぞれの性能も改質アスファルトの方が概ね高くなっています。
やはり、下葺き材は改質アスファルトにすべきかと思います。
posted by Asset Red
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