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12月09日。
クリスマスイブまで、あと15日となりました。
今朝も寒いです。
わかっていても、手を打たない事ってありますよね?
どう手を打てば良いのか、わからない?
手間ひま掛けるより、惚けていた方が得策?
実はわかっていなかったりして・・・。
コレ、住まいの隙間の事をいってます。
気密性の重要性についてです。
じつは先日、HEAT 20からアンケート依頼が来ました。
気密施工に関する内容でした。
勿論、すぐに書いて送り返したけど、その内容がイマイチでした。
何を今更と、言う感じ。
気密施工って、高断熱とセットでしょ?
その方法も、とうに標準化されてますよねー。
HEAT20が、それを聞くのか?
でもこの団体は、今まで気密性能についての発言を積極的に行って来ませんでした。
敢えて質問をすれば、こんな回答が返ってきました。
「断熱性を高めようとすれば、ある程度の気密性が当然伴って来ます。」
「敢えて気密性能を問わなくても、C値で言えば1.0~2.0㎠/㎡くらいになっていると思われます。」
本当でしょうか?
以前から疑わしく思っていました。
ご存知でしたか?
以下、HEAT20のHPからの抜粋となります。
深刻化の一途を辿る地球温暖化とエネルギー問題 。
その対策のために「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」が2009年に発足しました。
HEAT20はその略称であり、呼称です。
HEAT20は長期的視点に立ち、住宅における更なる省エネルギー化をはかるため、断熱などの建築的対応技術に着目し、住宅の熱的シェルターの高性能化と居住者の健康維持と快適性向上のための先進的技術開発、評価手法、そして断熱化された住宅の普及啓蒙を目的とした団体です。
メンバーは研究者、住宅・建材生産者団体の有志によって構成されています。
こんなラベル見た事あると思います。
確かに、様々なテーマでいくつもの効果を挙げています。
弊社も賛助会員の末席に名を連ねさせていただきました。
でも間もなく2020年を迎えようとしている現在、すでにやり尽くした感も否めないんですよね。
2020年を過ぎたら、どうするの?
みんなが疑問に思っていた筈です。
私も、そう思っていました。
2030年まで、活動を続けるらしいです。
小耳に挟みました。
何やるのさ?
現在取り組んでいる研究・調査の継続?
賛助会員からの突き上げもあり、気密性能に関する研究・調査にも手を付けるようですね。
すでに期を逸している気がします。
例えば、小学生にこんな絵を見せながら、質問をしてみます。
「ここに大きな穴の明いた浴槽があります。」
「お湯を張ろうとしていますが、穴からお湯がぼれてしまいます。」
「そこで問題です。」
「どうすれば、お湯を張ることができるでしょうか?」
すると小学生の大半は、笑いながら答えます。
「そんなの簡単だよ。」
「穴をテープで塞げばいいじゃん!」
その通りだと思います。
まさか、「零れるお湯の量を上回る量のお湯を注ぎ続ければいい。」なんて回答はないでしょう。
たしかに浴槽の内側に粘着力の強いビニールテープを貼れば、お湯を貯めることは可能です。
では、状況を変えてみましょう。
穴の明いた浴槽を、隙間の多い家だと思ってください。
そして、お湯を暖かい空気だと思ってください。
暖房で暖めた空気を家の中に入れても、隙間から出てしまいます。
穴の明いた浴槽と同じでしょ?
あなたならどうしますか?
隙間を塞ぎますか?
でも、多くの専門家(設計者・施工者)の回答は違っていました。
隙間を塞ぐのは良くないそうです。
「暖房をたくさん稼働して、暖かくすればいい。」
と口を揃えて言うんです。
だから、気密施工は拡がりませんでした。
その結果、現在建っている5000万戸以上のストック住宅のほとんどは、スカスカ住宅です。
スカスカ住宅で室内を暖めると、暖かい空気は軽いので上に上がります。
そして上に上がった暖かい空気は、隙間から外に逃げてしまいます。
空気が逃げてしまえば、家の中の空気は薄くなります。
気圧が下がる訳です。
気圧が下がれば、外から冷たい空気を引き込みます。
当然、室内温度は下がります。
冷たい空気は重いので、下に溜まります。
こうして出来る上下の温度差は、次第に大きくなっていきます。
だって、床付近の温度が下がれば暖房温度を上げるでしょ?
益々暖かい空気が上から逃げてしまいます。
そして冷たい空気を引き込んでしまいます。
まさに寒さのスパイラル・・・。
だから、スカスカ住宅は寒いんです。
せっかくの断熱材も、空気が通り抜けていれば効果が発揮できません。
なぜなら、繊維間の動かない空気が保温効果を高めているからです。
目の詰まった暖かいセーターも、風の強い外では寒くて仕方ありません。
住まいの隙間を無くすのって、意外と大変です。
コツもありますが、とにかくひとつひとつの隙間を丁寧に塞がなければなりません。
ただ、やればいい訳じゃないんです。
ましてや、意識しないのに偶然出来ることもありません。
だから大抵の家はスカスカ住宅です。
寒い家は、まず隙間が多いと思っていいでしょう。
隙間の多さを測定するには、気密性能測定をするしかありません。
測定に1時間くらいかかるし、費用も5万円程度必要になります。
まだまだ、やった事のない施工者は大勢います。
見た事もない設計者だって大勢いる筈。
スカスカ住宅の罪、もっと知るべきだと思います。
断熱材を厚くしようとすれば、それなりに費用が掛かります。
でも、隙間があれば意味ありません。
断熱材の厚さはそのままでも、隙間を無くせば暖かくなると思います。
その際の費用は、もしかしたら断熱材を厚くするよりも少なくて済むかもしれません。
あっ、気密性能測定の費用分は高くなるかも?
でも将来に渡り節約できる光熱費の事を考えれば、やるべきだと思います。
posted by Asset Red
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