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12月10日。
クリスマスイブまで、あと14日となりました。
今朝も寒いです。
今朝は、少しばり機を逸した投稿になります。
冬なのにかびのお話です。
なぜ今頃?
そう思う方もいるでしょう。
特に理由はありません。
正倉院に関わる話です。
「室内の湿度が60%以上なら、あるいは70%以上ならカビが発生する。」
新聞もテレビもインターネットも、異口同音にこんな事を言っている。
私は常識として流布しているこの説に疑問を持っている。
住宅に生えるカビは、生きるために必要な水分を、漏れた水や結露してできた水から得ている。
しかし、水蒸気は水の代用品ではない。
数百年にわたって宝物を守ってきた正倉院の例を考えると興味深い。
中略
宝庫の気象学的調査によれば、むしろ宝庫内は予想以上に外の気象の影響を受けており、温度や湿度が安定しているのは、宝物を収納した古代の唐櫃内であることがわかった。
東野治之『正倉院』
実際に、この最も環境が安定している唐櫃内でも、雨の日が続くと、湿度は70%程度まで上昇するという。
ただし、1日遅れくらいでゆっくり変化する。
なぜカビが生えなかったかというと、その環境の安定性にあったと考える人が多い。
湿度が60%を超えるとカビが生えると書いてある本は多い。
しかし、カビは水蒸気を生育に利用することはできない。
例えば、空気中の水蒸気が一定でも、温度が下がって相対湿度が100%になると結露して水滴が発生する。
部屋の一部であっても水滴によって濡れると、カビが生えてくる。
湿度が完全に70%に維持されていれば、カビは生えない。
温度は常に変化するものであるから、湿度がより高い部屋ほど結露する確率は高い。
一方、昼間の湿度が50%の部屋でも、夜に冷えやすい部屋ならやはり結露する。
部屋のカビ対策には、湿度とともに温度変化に気を配る必要がある。
この教訓を正倉院の1000年の伝統が教えてくれる。
美術品や文化財、さらには大切な植物標本などを保存するため、24時間空調設備を持つ標本庫が多くある。
温度も湿度も高い精度で制御しようとしている。
そのために、冷房と暖房がガチャガチャと複雑に入れ替わる。
まさにエネルギーの無駄遣いである。
こまでしても、意外にも標本庫の隅で結露してカビ汚染に見舞われる場合がある。
要するに温度ムラが結露の大きな原因と言えよう。
カビはすごい!ヒトの味方か天敵か!?
浜田信夫 著
朝日新聞出版 刊
より、一部を抜粋・転載させていただきました。
カビの事を面白おかしく解説した本です。
あまり難しいことは書いてありません。
カビが水蒸気を水の代用品として利用できないなんて・・・。
常識が覆りました。
窓際って温度ムラが大きいですよね?
結露水が発生して、それが埃に付着すれば、カビは発生します。
冬だって、カビは生えるんです。
湿度が低い冬とは言え、安心は出来ません。
posted by Asset Red
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