ダクトレス換気

今回はダクトレス換気について書きたいと思います。

新商品という訳ではありません。

でも、書いたことがなかったものですから・・・。

弊社が普段採用する換気システムは、全てダクト式集中換気タイプです。

第1種熱交換タイプも使うし、第3種も使います。

そして、レンジフード以外の局所換気は行いません。

道路斜線・北側斜線・高度地区斜線の影響で建物の高さを制限される為、天井裏のスペースが極端に小さい事が多いのも弊社の建物の特徴です。

だからダクト配管では、いつも苦労しています。

随分前ですが、ダクトレス換気を知った際にはすぐに資料を取り寄せて検討しました。

ダクトが無いなんて、画期的でしょ?

壁付の換気扇2台を1組として設置するのがポイントです。

2階建てであれば各階に2台づつ、計4台設置します。

規模によっては、1階4台+2階2台とか各階4台づつなんて場合もあります。

それぞれが連動・反転して、70秒ごとに給気・排気を相互に繰り返す仕組みです。

風の方向が70秒ごとに変わることになります。

換気扇内に蓄熱エレメントとして、ハニカム多孔質セラミックが使われています。

これが排気中の室内温度&湿度を蓄え、70秒後に給気に伝えることで、85%程度の熱交換効果を発揮するそうです。

冬季の暖房エネルギーの削減が期待できそうです。

1台あたり700円/年(27円/KWHで試算)と言いますから、一般的な熱交換換気システムよりも経済的だと思います。

中間期はこれを外すことでバイパスモードとすることも可能です。

セラミックだから、簡単に洗浄する事も可能。

何よりダクトが無いので、配管費用が掛かりません。

ダクト内の汚れによる空気汚染の心配も無し。

仕組みも単純ですから、メンテナンスも容易です。

これが、メリットだと思います。

でも、色々と心配な点もあります。

まず、思ったほど安くなりません。

ダクト費用は浮くけど、本体が高いので台数が多くなると不利に働きます。

保証期間は5年です。

一般的な局所換気は10年でほぼ確実に壊れ、交換の必要がありますが、このシステムは何年持つのかな?

仮に5年で壊れるとすれば、メンテナンスコストは逆に高くなってしまいます。

また消費電力を抑えるために、DCモーターが使われています。

強風の際には、排気できなくなると思われます。

調べてみると、対応部材が用意されていました。

問題無さそうですね。

またレンジフード稼働時には、給気口になる可能性大。

居室外の換気が全く図れないのも、弊社的にはNGです。

収納内部や廊下・玄関の換気も必須でしょ?

トイレ・浴室には別途局所換気が必要です。

3台設置すれば、その分消費電力が増えるし、これらの交換コストもバカになりません。

連続運転をすれば、8~10年で交換する事になります。

間歇運転すれば消費電力が減るし、交換コストも下がります。

でも室温が下がってしまい、居室と温度差が大きくなるので注意が必要です。

季節によっては、停めている間の湿気や臭気移りも心配です。

これらの換気には、熱交換が行われません。

換気量が多い場合は、省エネ性も?だと思います。

さらに問題があります。

居室に設置するので、運転音の大きさもネックになるでしょう。

換気風量を落とせば音は小さくなります。

でも、その分設置台数を増やすことに・・・。

フィルター清掃の手間も、第1種の割に多いんですよね。

第3種>ダクトレス>第1種という感じでしょうか。

そんな訳で、弊社では採用していません。

リフォームなら使うかも?

使ってみないと分からないこともあると思います。

 

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