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屋根に上がってみると、割れている屋根材を見る事があります。
先日、拙ブログでご紹介したお宅の屋根材写真です。
中央の赤丸内に大きなひび割れがありました。
セメント系の屋根材は熱収縮で変形する事があります。
反りや浮きが発生し、雪止め金具などが挿し込まれていれば、簡単に踏み割れを起こしてしまいます。
この場合に行う補修工事として、弊社では以下のコースを提案しています。
①屋根材を必要枚数取り寄せ、割れた材を抜き、新しい材を挿し込みます。
これが、標準的なスタイルです。
②既に屋根材が生産終了している場合は、割れた部分にシーリング剤を充填して塗装(3回塗り)を行います。
でも、あまりお勧めしません。
費用を掛けたくないという方も多いので、屋根の全面葺き替えまでの応急処置として・・・。
③予算が掛けられるようであれば、屋根の葺き替えも行います。
既存の屋根を全て撤去し、新しい屋根および下葺き材を葺き直します。
重量や屋根厚さの関係で、コロニアルへの葺き替えが一般的。
でもアスベストを含む屋根材を使っている場合は、余計な処分費用が掛かります。
こんな場合は既存屋根をそのまま残し、下葺き材および金属製屋根を重ね葺きする事もあります。
こんな場合にも、ひびにはシーリング剤を充填します。
下葺き材と屋根材との3面接着になるため、破断が心配なんですよね。
また屋根材を金属製に変えて、軽量化を図り耐震性を高める場合もあります。
屋根材の違いに関わらず、重ね葺きの場合には、野地合板(屋根下地)の傷み具合を確認する事が出来ません。
また傷んでいるのが分かっても、修理・交換することが出来ません。
よって、葺き替えをお勧めすることになります。
ひび割れ部分に行うシーリング施工が、もっとしっかり出来ればいいのに・・・。
耐久性が低いし、そもそも断面同志がしっかりと接着できているのか確認出来ません。
3面接着も心配だし・・・。
いつも、そう感じていました。
そんな時、こんな製品がある事を知りました。
㈱セイムの『タスマジック』という浸透型平板スレート専用の補修剤です。
弊社も屋根の塗装時に採用している『タスペーサー』を販売している会社の製品です。
施工は簡単そうです。
割れた屋根材の下に隔離を目的とした板を挿し込み、割れ目に接着剤を塗布するだけ。
固化時間を経過したら、板を引き抜き作業完了です。
これなら、3面接着の心配がありません。
浸透型補修剤ですから、接着不良の可能性も少ない筈。
強力な接着力により補修した屋根材は、補修する前の屋根材より約2倍の強度があることが実験にて証明されています。
いいじゃん
上グラフは縦軸が荷重(最高点が破壊点)、横軸が変形量を示しています。
基材に補修剤が染み込むため、強度が高まることが分かります。
高圧洗浄後の濡れた屋根でも、多少の水分なら問題ないようです。
これも助かりますね。
硬化時間も、思ったほど長くありません。
これなら、従来のシーリング施工に比べてかなり効果が期待出来そうです。
温度-10℃~70℃のサイクルでの冷熱衝撃耐久試験や、温度80℃・湿度50%で96時間の高温耐久試験により急激な温度変化にも長期対応することが証明されました。
さっそく試してみたいと思います。
こちらのキットが税別39,800円。
ミニキットで税別9,600円。
価格的にも、大したことありません。
あくまでも屋根材交換を推奨という姿勢を変えるつもりはありません。
でも、それが叶わない場合の施工方法として採用を前向きに検討してみます。
posted by Asset Red
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