トイレが近いあなたに・・・

「トイレが近く、夜中に何度も起きてしまう。」

そんな『夜間頻尿』は『過活動膀胱』のひとつなんだそうです。

ちなみに頻尿の目安は、就寝中に排尿のために1回以上起きなければならない状態。

また就寝中の排尿回数が2回以上になると生活の質(QOL)が低下するため、治療の対象となることが多いようです。

ご存知でしたか?

国内の40歳以上の男女8人に1人は、夜間頻尿の症状に悩んでいるんだとか・・・。

そして加齢により、その頻度は高くなります。

その原因は

多尿(夜間多尿:夜間の尿量が多いこと)

膀胱容量の減少

睡眠障害

に分けられます。

多尿による夜間頻尿は尿量が多くなるために、夜間トイレに何度も起きるものです。

朝起床時の尿量も含めた夜間の尿量が1日総尿量の1/3以上になり、1回の排尿量は正常です(150~200ml以上)。

その原因として糖尿病などの内分泌疾患・水分の摂り過ぎなどがあります。

特に夜間多尿の原因は、高血圧・うっ血性心不全(心臓の働きが弱った状態)・腎機能障害などの全身性疾患および、睡眠時無呼吸症候群などがあります。

膀胱容量の減少は、少量の尿しか膀胱に貯められなくなるもので過活動膀胱や前立腺炎・膀胱炎などで膀胱が過敏になるために起こります。

これは膀胱に尿が少量しか溜まっていないのに膀胱が勝手に収縮してしまう病気です。

脳卒中・パーキンソン病などの脳や脊髄の病気で、膀胱のコントロールが効かなくなります。

前立腺肥大症による排尿障害のために膀胱が過敏になることで発生しますが、膀胱の老化現象として起こったり、原因が不明な事も少なくありません。

睡眠障害は、眠りが浅くてすぐ目が覚めてしまうために、目が覚めるごとに気になってトイレに行くものです。

夜間頻尿のデメリットを挙げてみます。

①睡眠不足になりやすく、質が低下します。

②夜間に寒くて暗いトイレに行くため、途中での転倒が増えます。

③循環器系疾患の発生確率が高くなります。

これらを改善すれば、睡眠の質は向上し当然QOLも上がります。

では、どうすれば改善するんでしょうか?

上図は656件1281人の断熱改修前後の就寝前室温と、1~2年後の症状の有無をまとめたデーターです。

青が室温12℃未満のままの過活動膀胱の割合、そして赤が18℃以上の時の割合です。

就寝前の室温が12℃未満の住宅では、18℃以上の住宅に比べて過活動膀胱の症状の有無が2倍になっていることがわかります。

逆を言えば、室温を18℃以上に高めていれば夜間頻尿が減る訳です。

夜間頻尿が改善される環境は、ヒートショックの予防にもなります。

上図は、一般的な寒い家を表しています。

暖かい寝具の中の温度は28~33℃。

ここから出ると、寒い寝室の温度は10℃です。

10℃と言えば、ヒートショックギリギリの温度です。

廊下に出ると8℃になってしまいます。

そしてトイレで力んだりすれば、脳内血管が切れてしまうかも知れません。

でも、そもそも暖かい寝具から出なければ、ヒートショックは起きません。

でも、この考え方には大きな間違いがあります。

寝室の室温が低ければ、呼吸により肺の温度は低下します。

身体の中から、冷えは内臓にダメージを与え続けるでしょう。

せめて、就寝時にはマスクの着用をお勧めしたいところです。

本当は、トイレや廊下を暖かくする事をお勧めしたいんですけど・・・。

 

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