ショックでした。

悲しいお話です。

昨年暮れに、リフォーム工事で声を掛けて戴いたお宅に不幸がありました。

築30年超の大手ハウスメーカーの企画住宅にお住みのご夫婦です。

1階トイレで漏水があったと言います。

原因であった排水管の詰まりは、既に是正されています。

便器自体も、最新機器に交換済み。

全て近所の設備屋さんが直したと言います。

じゃー、何するの?

弊社の役目は、トイレの床を張り替える事でした。

既にハウスメーカーとの関係は無くなっているので、以前にも外壁の補修のみ対応させて戴きました。

今回の工事も小規模でした。

「歳も歳だし、費用は最小限にしたい。」との事。

便器を一旦外し、床板を撤去。

張り替えを終えたら、また設置して完了です。

でも付巾木ではない為、壁を壊さなければ巾木を外す事も出来ません。

壁を壊すと、復旧工事が面倒になります。

色々と検討を加え、工事方法を決定。

御見積書を提出し、無事契約に至りました。

ここまでが昨年暮れのお話です。

工事は1月以降の予定でした。

でも・・・。

いつ、お宅を訪ねてもお留守です。

電話を掛けても、繋がりません。

工事日程を確認する為の手紙をポストに投函・・・。

ようやく、ご連絡を戴きました。

ショックでした。

昨年末に、ご家族が亡くなったらしい・・・。

入浴時の事故との事。

ヒートショック

年末に伺った時に、お話したんです。

「トイレの改修もいいですが、お風呂の改修を急いだ方が良いのでは?」

「お風呂が寒いと、ヒートショックが心配ですよ。」

築30年超であれば、1980年基準の筈。

この図は、住宅ストックに占める各年代ごとの断熱性能の比率を示しています。

1980年基準の家は、全体の37%に当たる事がわかります。

一応断熱施工はされていますが、充分な性能を担保できている訳ではありません。

冬季に暖房をつけていない状態で、室温が何℃位になるのかを示したグラフです。

⑤が外気温、そして④が、このお宅の室温です。

これを見ると、入浴時間(夜8時~9時の温度)は12~11℃になっている事がわかります。

リビングの温度を23℃と仮定すれば、室温差は11~12℃となります。

上イラストの15.3℃に比べれば、かなりマシだとは思います。

それでも、かなりの血圧変動になる事が予想されます。

グラフのような血圧変動があれば、身体が持つ筈もありません。

本当に残念でなりません。

もっと説明が出来ていれば、未然に防ぐことが出来たかもしれません・・・。

もっと、親身になって対応すれば良かったかも。

室温9~12℃のお宅では、血圧上昇・心臓血管疾患のリスクが高い事が知られています。

でも意外と、気にしていない方が多いんですよね。

「私は大丈夫!昔から慣れてるし・・・。」

高を括っている感じです。

でも、そんな事はありません。

人間、暑さには慣れることが出来るけど、寒さに慣れることは出来ません。

元々は、熱帯に住む動物だったらしいですよ・・・。

二度と、こんな思いはしたくありません。

寒い浴室を暖かく改修しよう!

これをスローガンにしようかな?

 

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