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今日の練馬・板橋は暖かいですよー。
逆に車の中は、冷房を掛けたくなるくらいになっています。
『FPの家 K邸』
解体工事が着々と進んでいます。
ようやく重機を入れる事が出来るようになりました。
上屋を今日中に壊し、片付け、明日からは基礎の撤去に入ります。
断熱材の一部が覗いています。
厚さ50mmの袋入りグラスウール10Kのようです。
横から覗き込んで見ましたが、かなり雑な施工です。
とにかく入れておけばいいや、という感じです。
この頃の断熱施工って、大体こんな感じなんですよね。
昭和55年に施行された『旧省エネ基準』に準じた断熱仕様だと思います。
イラストのように、壁や床・天井の至る所に風の通り道があり、室内で暖められた空気がそこを上昇するつくりになっています。
こうしたつくりの建物は、暖められた空気は軽くなるので、天井付近まで上がり隙間から外に逃げてしまいます。
すると床下の冷たい空気を吸い込み、壁の中は冷たい空気で満たされます。
これが『壁内気流』による冷たい壁のしくみです。
「断熱材を入れれば、暖かくなる。」と言われていたのに・・・?
当時の人々は、不思議に思っていたでしょう。
解体現場の断熱材も、見事にこの絵の通りに施工されていました。
外壁のサイディングにぴったりとくっ付き、室内側に風の通り道が出来ています。
グラスウールの断面には、黒い煤のような物が付着しています。
これ、断熱材内を空気が通り抜けていた証拠です。
かなり寒かったんでしょうね。
ストックと言われる既存建物の内、昭和55年基準で建てられた家は全体の37%を占めているそうです。
そして無断熱の家が39%、両方合わせると76%にもなります。
こうした建物全てとは言いませんが、これらの断熱性能を上げない事には、国が世界に約束した目標を達成する事は出来ません。
2015年7月に地球温暖化対策推進本部にて決定された『日本の約束草案』は、2030年度に2013年度比で温室効果ガスを26.0%削減するというものでした。
また、これを国際気候変動枠組条約事務局に提出。
12月にはCOP21(気候変動枠組条約 第21回締約国会議)において、全ての国が参加する2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みとして、パリ協定を採択しています。
なんとかしなければなりません。
今回建てる家は、当然この基準を大きく上廻っています。
K様および日本ひいては世界の環境の為に役立つことが出来て、良かった・・・。
本当にうれしく思います。
でも平成29年度の新築住宅の現行省エネ住宅基準の達成率は、わずか62%といいます。
信じられません。
国民として最低限守りたい基準として定められた基準を守れない家って、どうなんでしょうか?
人間が人間として暮らせる最低限のレベルすら守れないなんて・・・。
人権侵害も甚だしい限りです。
設計者&施工者の神経を疑いたくなります。
本当はHEAT20のG2グレード位の家を建てて欲しいけど、せめて省エネ基準位は守って欲しいものです。
posted by Asset Red
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