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所属するグループのセミナーで使う資料を纏めています。
いつも以上に長い尺を頂いている為、かなり深堀りが出来ます。
だから、やり始めると色々と追加資料が必要な事に気が付くんです。
慌てて調べ始めたり、表にまとめたり・・・。
でも良かった。
コロナの影響で順延になったんです。
もう少し、時間が掛けられそうです。
今回はガラスによる暖房エネルギー費の違いについても、話そうと思っています。
こんな感じです。
比較するガラスは次の6種類。
➀従来の日射遮蔽タイプのペアガラス Ug値:1.17W/㎡・K/ηg値:0.44
②従来の日射取得タイプのペアガラス Ug値:1.49W/㎡・K/ηg値:0.74
③従来の日射遮蔽タイプのトリプルガラス Ug値:0.63W/㎡・K/ηg値:0.29
④従来の日射取得タイプのトリプルガラス Ug値:0.83W/㎡・K/ηg値:0.58
⑤サンゴバンの日射遮蔽タイプのペアガラス Ug値:1.05W/㎡・K/ηg値:0.56
⑥サンゴバンの日射取得タイプのペアガラス Ug値:1.13W/㎡・K/ηg値:0.68
南面/全面採光の条件でガラスのサイズを2.0m×2.0mとし、窓数を4つとします。
室内温度25℃/外気温5℃の時のガラスからの移動熱量を以下のように算出します。
移動熱量(W)=Ug値×ガラス面積×窓数×内外温度差
➀~⑥それぞれのWは次の通りです。
➀W=1.17W/㎡・K×4.0㎡×4窓×20℃=374.4W
②W=1.49W/㎡・K×4.0㎡×4窓×20℃=476.8W
③W=0.63W/㎡・K×4.0㎡×4窓×20℃=201.6W
④W=0.83W/㎡・K×4.0㎡×4窓×20℃=265.6W
⑤W=1.05W/㎡・K×4.0㎡×4窓×20℃=336.0W
⑥W=1.13W/㎡・K×4.0㎡×4窓×20℃=361.6W
当然、熱貫流率の低いトリプルガラスが高い断熱性を示します。
次に冬季の日射取得熱を比較してみましょう。
日射量は336W/㎡とした時の取得日射熱は、以下のように算出します。
取得日射熱(W)=336W/㎡×ガラス面積×窓数×日射取得率
➀~⑥それぞれのWは次の通りです。
➀W=336/㎡×4.0㎡×4窓×0.44=2365W
②W=336/㎡×4.0㎡×4窓×0.74=3978W
③W=336/㎡×4.0㎡×4窓×0.29=1559W
④W=336/㎡×4.0㎡×4窓×0.58=3118W
⑤W=336/㎡×4.0㎡×4窓×0.56=3010W
⑥W=336/㎡×4.0㎡×4窓×0.68=3655W
日射取得率の高いガラスほど、日射による室温上昇が期待できる訳です。
2つの計算をしました。
ガラスから逃げる熱、そしてガラスから入る熱を算出した事になります。
逃げる熱と入る熱の収支がプラスになれば、室温を上げることになります。
そしてマイナスになれば、室温を下げることになります。
当然陽の射す時間や内外温度差により、それらは時々刻々変わります。
そんな簡単な話ではありません。
でもガラス選択の際の参考には、なるでしょ?
それぞれの収支は以下の通りです。
➀-374.4W+2365W=2017.6W
②-476.8W+3978W=3501.2W
③-201.6W+1559W=1357.4W
④-265.6W+3118W=2852.4W
⑤-336.0W+3010W=2674.0W
⑥-361.6W+3655W=3293.4W
あくまでも、日射のある時間だけの評価です。
曇りや雨の時間、夜は日射熱を期待する事は出来ません。
でも日射がある時間であれば、ガラスによる省エネ性は次のような順番になりました。
②→⑥→④→⑤→➀→③
ペア→ペア→トリプル→ペア→ペア→トリプル
という結果、あなたのイメージ通りでしたか?
夏の場合も比較すると面白いと思います。
庇や日射遮蔽部材を利用しなければ、日射取得熱はそのまま暑さに繋がります。
ガラスの選択をする際には、この結果も評価に加えなくてはなりません。
陽の射さない窓であれば、熱貫流率メインで選んだ方が良いし・・・。
やっぱり、シュミレーションソフトを使った方が楽チンだと思いました。
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