開口部の気密性能

開口部の気密性能について書かれた文章をご紹介します。

以下

住宅づくりの新しい常識

高気密

木造軸組

住宅を

もっと知ろう

北村忠雄 著

幻冬舎ルネサンス 刊

からの抜粋となります。

近年、気密構造の工夫や気密材料や金物類の進歩によって、開口部製品の気密性能は著しく向上してきている事を背景に、平成21年の改正で開口部に関しての定量的な気密性能基準が除外されることになりました。(開口部の気密性能は、JIS A1516「建具の気密性能試験方法」で測定されます。)

製品としてのサッシやドア(引き戸)の気密性能は、サッシはJIS A4706及びドアセットではJIS A4702に拠る試験結果に基づいて等級付けされており等級は数字が大きくなる程、気密性能が良い事を示しています。

開口部の気密性能は断熱性能だけではなく、遮音性能や水密性、有効な計画換気の実効性にも影響を及ぼす事から、気密性能を保持出来る事が望ましいのです。

開口部の気密性能は、等級等によりそれぞれに幅がある為、同じ等級の製品であっても、A-3等級の場合、相当隙間面積(αAw)が4~17㎠と大きな違いがあるので、製品を選ぶ際には注意が必要になります。

又、引違い窓のような開閉式の窓は、長年の使用等により気密パッキン材が経年劣化する等して、気密性能が悪くなる事があるので、定期的な点検やメンテナンス等を行うための注意が必要です。

弊社では、全棟で気密性能試験を行い建物のC値を確認しています。

気密部材の選定及び施工要領に少しづつ改良を加えつつ、現在は概ねC値0.1~0.3㎠/㎡と安定した気密性能を確保できるようになりました。

その経験上、「窓及び玄関ドアの気密性能の与える影響って甚大です。」と大きな声で言いたい!

どんな窓・玄関ドアを選択するかで、C値が大きく変わります。

そして、その値も経年で劣化します。

この本を読んだ当時は、この事に気付いていませんでした。

でも経験を積めば積むほど、納得できるようになりました。

窓・玄関ドアを選定する際の基準にも色々ありますが、気密性能を比較する方は少ないと思います。

そもそもA-4等級ならOKでしょ、位の認識しか無いと思います。

でも、かなり違うんです。

メーカーによる違いも大きいと思います。

窓種による違いもあるし、ガラスを押さえる押縁による違いもあります。

例えば、以下のサッシを気密性能の順に並べてみてください。

もちろん、サイズおよび気密性能等級は同じ前提です。

①縦辷り出し窓

②嵌め殺し窓

③引違い窓

ダントツで③が一番悪くなります。

但し、金物に工夫を加えた場合は例外となります。

パラレルシーベ・ヘーベシーベと言われるサッシです。

また、ややこしいのは①と②の順番です。

普通なら②→①の順番になります。

でもガラス押縁が内側にあるタイプだと、①→②となる悪い場合もあります。

結露水を外部に排出する為の水抜き穴の影響です。

また①の場合は、引き寄せ金物の位置や個数によっても性能にかなりの違いが出ます。

サッシ枠の剛性による違いも大きいと思います。

そして経年による劣化も、それぞれ違います。

これって経験した人でないと分からないんですよね・・・。

カタログには載っていませんから。

気密パッキンの仕様・数・配置による違いも大きいし・・・。

気密性能等級を、もっと細分化すればいいのに、と思います。

どんなサッシが良いの?

わからない時は聞いてください。

経験の範囲でお答えしたいと思います。

 

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