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ようやくマスクの流通も増えてきたようですね。
弊社近くでも、チラホラ見掛けることが増えたように感じます。
でも、まだまだ高いですね。
価格が落ち着くまで、購入は待つつもりですが・・・。
さて本題です。
随分前に(財)日本住宅・木材技術センターから発刊された、大規模木造建築物の保守管理マニュアル -材料・施工・維持保全-の中から、その一部を抜粋してご紹介する『木材と木材劣化に関する基礎的な知識の共有』シリーズ第5段は、こんな話題です。
②シロアリの生活環
シロアリは図付-6のような生活環を持っている。
巣から群飛した有翅虫(羽アリ)は雌雄一体となって巣をつくり、女王・王となって繁殖、種族を維持する任務に当たる。
卵から孵化した幼虫は職蟻と兵蟻となり、職蟻は巣の構築・清掃・餌の採集・運搬・生殖階級や幼虫・兵蟻に餌を与える。
兵蟻は外敵からの防衛に当たる階級で、兵蟻・職蟻はともに生殖能力を持っていない。
生殖階級としては、新しい巣を創設するために巣外に出ていくものと、巣内に残って女王・王に事故があった時にこれに替わるものとある。
巣の中での構成は、職蟻が90~95%、兵蟻が2~4%を占める。
③シロアリの種類
現在、世界には5科141属/約2260社の種のシロアリかせ生息しているといわれている。
そのほとんどは熱帯・亜熱帯に生息しており、温帯で観察されるシロアリは少数である。
現在、日本には16種が定着しているが、その中でも建物に被害を与える主要なシロアリは、イエシロアリ・ヤマトシロアリ・ダイコクシロアリ・アメリカカンザイシロアリ・タイワンシロアリなどである。
このうち、図付-7の分布範囲から見て、特に注意が必要なシロアリはイエシロアリとヤマトシロアリである。
・イエシロアリ
イエシロアリは世界のシロアリの中でも最も加害の激しい種類で、水を運ぶ能力があるため建物の下部の部材はもちろんの事、小屋組及び各階床組部材にも被害が及ぶ。
イエシロアリは建築物や切株・樹幹などの地下部分や地上部分に特別に加工した塊状の巣を作り、そこから蟻道を伸ばして周辺の建築物や木材を加害する。
コロニー(集団)は100万匹にも達することがあるが、通常は数十万匹で構成されている。
イエシロアリの分布は冬の寒さで制限され、1月の平均気温は4℃以上、最低平均気温0℃以上のところとされているが、実際に分布しているのは八重山諸島・沖縄諸島・薩南諸島・九州・四国・それに静岡県以西の海岸線に沿った地域に多い。
しかし最近の冬季でも室温の低下しにくい建物又は横須賀・横浜・秦野・相模原などでも被害が発見されている。
群飛は6~7月の蒸し暑い夕刻から暗くなった頃に行われ、灯火によく集まる。
・ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリは乾燥に弱く、イエシロアリのように水を運ぶ能力がないので常に湿った加害材中で生活し、イエシロアリのように塊状の巣を作らず、蟻道を作って移動する。
食痕は不潔で被害部分が腐朽部分と共存することが多い。
このようなことから被害部分は、土台・柱脚・大引き・根太・根太掛け・筋交い尻などの建物の下部に集中しており、窓枠及び小屋組からの漏水又は給配水管まわりで結露があると、柱を伝わり漏水及び結露部まで被害が及ぶことがある。
特に水を使用する風呂場・台所・便所・洗面所などのいわゆる水廻りの部材に被害が多い。
コロニーの個体数は通常1~2万匹で、3万を越すことは比較的少ないと言われている。
ヤマトシロアリは、南は八重山諸島から北は北海道まで日本全土に分布しており、北限は北海道上砂川町付近とされている。
群飛は4月下旬から5月に掛けての日中に行われ、イエシロアリと違って灯火に集まる走光性はない。
両シロアリの主な相違点を整理すれば、表付-4の通りである。
続く・・・。
posted by Asset Red
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