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薄曇り、でも湿度が高いせいか、やたら蒸し暑い練馬・板橋です。
『FPの家 K邸』
屋根下地が完成しました。
写真は、野地合板を上から撮ったものです。
屋根材を保持させるための木下地を野地板(のじいた)と言います。
以前は、厚さ9mm×幅90mm程度の杉板を使っていました。
でも最近は、厚さ12mmの構造用合板を使う事が多いですね。
野地板も、屋根材と同様に経年劣化します。
雨水が屋根の内部に入り込んだり、小屋裏と屋根の温度差による結露で腐食する事もあります。
当然、耐水性の高いものを採用すべきでしょう。
屋根構面の強度も重要です。
単なる耐水ベニヤではなく、構造強度の期待できる構造用合板を採用するのが一般的だと思います。
そして厚さも重要です。
9mmではなく、12mm品をお勧めします。
野地板の上に載ってみれば、わかります。
9mmって、撓んでしまい怖いですよ・・・。
シックハウス症候群を招かないためにも、ホルムアルデヒドの放散量が最も少ないF☆☆☆☆製品を使うのは、言うまでもありません。
合板について、書いてみましょう。
そもそも合板とは、丸太をカツラ剥きにした薄い板(単板・ベニヤなどと言います。)を図のように接着剤で張り合わせた板の事。
通常は奇数枚の単板を繊維方向が1枚づつ直交するように張り合わせてあります。
単板の枚数はプライ数と呼ばれ、3プライ・5プライ・7プライなどが標準的です。
また単板の繊維方向を揃えて張り合わせたものを単板積層材もしくは平行合板(LVL)と言います。
合板をベニヤ板と呼ぶ事もあります。
JAS(日本農林規格)によれば、以下の種類に分かれています。
・構造用合板
・コンクリート型枠用合板(コンパネ)
・普通合板
・足場板用合板
・難燃合板
・防炎合板
・特殊合板
・パレット用合板
構造用合板には、いくつかの種類・分類があります。
①1級・2級
それぞれ板面の品質と、規定されている強度試験の種類により分類されています。
1級はラワン合板、2級は針葉樹合板となります。
前者は高度な構造的利用を考えて規格が作られ、後者は壁・床・屋根の下地などの用途を考えて規格が作られています。
②特類・1類
接着部分の耐久性による分類となります。
前者は常時湿潤状態における接着耐久性が保証されていて、外壁や屋根の下地に用います。
フェノール樹脂を接着剤として使用します。
また後者は、通常の状態における接着耐久性が保証されています。
メラミン樹脂を設着剤として使用します。
市販されている構造用合板であれば、こんなマークが印字されていると思います。
等級表示は、1級の場合はアルファベット1文字と数字の組み合わせ、2級の場合はアルファベット2文字の組み合わせになっています。
それぞれ、上表に示すように板面の品質が定められています。
張り上げられた野地合板を撮ってみました。
写真ではわかりませんが、合板を千鳥に貼っています。
中央に釘×3本打っているのが見えるでしょうか?
イラストのように、合板を張る際には『千鳥』もしくは『イモ』の2通りの方法があります。
問題になるのは、合板下に屋根タルキに釘を留める際の釘の配置です。
左は逆Tの字、右は十文字に合板が接しています。
この交点の釘が前者は3本、後者は4本となります。
釘の本数が多ければ、より力は集中します。
合板の端が破損する可能性も高まります。
これが弊社が千鳥に張る理由です。
合板に印字されたマークを撮ってみました。
構造用合板/特類/2級/厚さ12mmを示しています。
『構造用合板の手引き』というサッシから、小屋裏の施工例というイラストを転載しました。
やはり、ここにも野地合板は12mm以上と書かれています。
未だに9mm合板を使っている工務店なんて、あるのかな?
そうそう、昨日噴霧した高濃度ホウ酸が適正な濃度になっているかを確認しました。
これを使います。
クルクミンテスターです。
クルクミンとは、ウコンの根の部分にある色素でクルクミノイドの成分の ひとつです。
なおスパイスとして流通しているターメリックは、ショウガ科に属する植物ウコンの根茎を乾燥させた後に粉末にしたものです。
これを木材に噴霧すれば、ホウ酸濃度がわかるなんて・・・。
不思議ですよね。
まずは、現場に落ちていた端材に噴霧してみました。
もちろん、ホウ酸処理をしていません。
そして、柱にも噴霧しました。
この状態で30分程度放置します。
端材の方は、やはり反応しません。
でも、柱の方は赤く反応しました。
問題ないようですね。
現場に『施工完了証』と共に貼られているチェックシートです。
こんな色になっていれば、シロアリに効く濃度のホウ酸が噴霧された事を証明する訳です。
雨の後、濡れている部位を見付けたら、確認します。
反応が無ければ、増し塗りしなければなりません。
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