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やはり歳には勝てません。
筋肉痛が酷くて・・・。
若い頃と違って、筋肉が張っている感じは少ないんですが、歩くと足腰に鈍痛が・・・
仕方ないですね。
さて本題です。
随分前に(財)日本住宅・木材技術センターから発刊された、大規模木造建築物の保守管理マニュアル -材料・施工・維持保全-の中から、その一部を抜粋してご紹介する『木材と木材劣化に関する基礎的な知識の共有』シリーズ第9段は、こんな話題です。
⑦建物との関わり
・建物の被害率
シロアリによる建築物の被害は、台風や地震の被害のように目立たないが、一説には火災による被害量に匹敵するほどに大きいのと言われている。
データーは少々古くなるが、九州でシロアリ被害の実態を調べた結果から、鹿児島では建築後10年未満の木造校舎の5.5%、10~20年では41%、21~30年では52%、31~40年では71%の建物に何らかのシロアリ被害が認められた。
また福岡県では築後10年未満で33%、10~20年で68%、21~30年で84%、31~40年で82%の建物にそれぞれシロアリ被害が認められたとする報告がある。
これは一つには九州ではヤマトシロアリとイエシロアリと両種が生息しているためと考えられているが、東京でも条件が悪ければ10年未満で被害率80%を超えた調査報告例もある。
このように蟻害は腐朽と違って、シロアリの生息地域でなければ基本的に被害は起こらないという特徴があるが、シロアリの生息地域内では適切な予防措置と点検を怠ると被害は早期のうちから、からり大きなものになる可能性のあることが容易に想像される。
・被害部位と部材
ヤマトシロアリによる被害部位及び部材は基本的に、ヤマトシロアリが湿った木材のみを加害することから、かなり限られてくる。
住宅であれば北側外壁の土台や柱脚、筋交い下部などであり、また台所や浴室・洗面所などの水まわり各室の土台・床束・根太・大引きなどに被害が多くなる。
しかし屋根や窓周りから雨漏りしていたり、竪樋からの雨水が外壁に侵入している箇所又は給排水管まわりの結露水が常時供給されているような箇所では、上記のような部材に限らず、柱や軸組の上部まで被害を受けることがあり得る。
これに対して、イエシロアリは自分で水を運ぶ能力があるから、湿った木材に限らず乾いた木材でも自分で湿らせながら被害を加えていく。
従って被害部位は土台・床組部材・柱脚などに留まらず、小屋組部材及び2階床組部材までにも及ぶことがある。
シロアリ被害で恐ろしいのは、早期のうちに被害が拡大するという被害速度の問題とともに、被害部位が耐震・耐風上重要な箇所に集中し易いことが挙げられている。
すなわち土台や柱脚・筋交い端部はいうに及ばず、小屋組・床組などが被害を受ければ地震や台風が襲来したときに、それらの箇所が弱点となり被害を招きやすくなる。
のような意味でも防蟻措置を適切にとると共に、日常の点検・保守が重要になる。
・被害と耐用年数
上記のようにシロアリ被害のみで建物が潰れたり破壊したりすることは少ないが、屋根の棟線の浪打ちや外壁の傾斜または床の傾きや開口部の傾きなどの、いわゆる老朽化を早期に招いて寿命に至らせる例は少なくない。
神山氏らが国立市で行った調査によれば、腐朽のみによる建物の耐用年限が約36年であるのに対して、ヤトシロアリの被害が大きい地域では約17年の耐用年限になっているが、これから類推すれば、イエシロアリの生息する被害地域では、更に耐用年限は短くなるものと推察される。
続く・・・。
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