blog
曇り空、でも気温はそこそこ高くなっている練馬・板橋です。
『FPの家 K邸』
今日は、確認検査会社による中間検査が行われました。
阪神・淡路大震災で倒壊した建物が多数存在したことを鑑み、建築物の安全性の向上のために平成11年に導入された新制度です。
建築物を新築する際には、ある中間工程を『特定工程』とし、この特定工程の工事が済んだ時点で検査を義務付けています。
ちなみに首都圏のある政令指定都市では、次のような中間検査を義務付けています。
まず対象となる建築物は、木造3階建ての一戸建て住宅など。
特定工程に指定されているのは、木造3階建て住宅の場合は『屋根工事』となります。
この検査に合格しなければ、構造耐力上主要な部分を覆う壁・床・天井を設ける工事に進むことはできません。
原則、工事の完了を確認し、その施工状況をチェック・是正した後に検査申込となります。
申込んでから検査までは概ね1週間程度必要です。
その間、工事を先に進める事は出来ません。
「筋交いや構造金物の、取付位置や施工方法を見る事が出来ない。」
なんて事になれば、検査不適合になりかねませんから・・・。
でも、現場を止めるなんて出来る筈ないでしょ?
仕方なく、工事完了を待たずに申込する事になります。
でも雨が続くと、予定通りに終わらない事もあるんです・・・。
検査員が現場に来ても、屋根工事が終わっていない!
そんな場合は、ひたすら謝るしかありません。
今回が、正にそれでした。
検査申し込み時点では、22日に屋根が終わる筈だったんです。
3階屋根は、数日前に終わっています。
砂を葺いたガルバ鋼板の横葺き屋根です。
でも雨天が続き、下屋の施工をやっている最中なんです。
検査員が来ました。
先程電話があり、こんな日に限って早めに到着すると言います。
しかも、1時間も早くです。
屋根業者に伝えると「とにかく頑張ります。」との事。
10時の休憩も取らないで頑張ってくれましたが、まだようやく下葺き材の施工が終わったところです。
終わる訳ありません・・・。
仕方ない、謝るつもりで検査に臨みました。
検査自体はスムーズに終わりました。
道路幅員の測定からスタート。
続いて境界杭の確認を行いました。
その後室内に入り、各階の床高さを測定します。
梁成や架け方、柱の寸法と配置、筋交いの種類と取付方法、各種構造金物等々・・・。
図面を見ながら、確認してもらいました。
そして問題の屋根工事の確認です。
3階バルコニーに出て、屋根を確認!
「終わっていますね。」
いよいよ、下屋かな?
そう思い、窓を開けてチラッと見てみましたが、まだ終わっていません。
・・・
でも、下屋を確認する事もなく検査は終了しました。
あれ
提出書類の内容を確認し、書類にサインをして、無事『検査適合』の声を聴くことが出来ました。
屋根工事未完了を指摘されなくて、良かった・・・。
北側斜線の検討は、下屋で行っているのになぁー。
そう言えば、足場にも乗らなかったなぁー。
お年寄りの検査員だったからかもしれません。
ちなみに下屋の施工は、検査終了後しばらくして終わりました。
職人さん、お疲れさま
そう言えば、屋根材の事を書いていませんでした。
今回採用したのは、株式会社ディートレーディングが販売している『ディプロマットⅡ』という屋根材です。
ジンカリウム鋼板が基材で、表面には陶器瓦と同じ焼成をした細かな自然石が特殊な方法で接着されています。
ちなみに、米国BHP社と米国ベスレヘム社が錆に強い『ガルバリウム鋼板』の生産工程を改良し、さらに耐久性を高めた鋼材が、『ジンカリウム鋼板』です。
その耐久性は、亜鉛鉄板(Z92)の3〜6倍優れているそうです。
ディプロマットⅡの特徴は以下の通りです。
①超軽量です。重さは瓦の約6/1、スレート瓦の約2/1しかありません。
同じ壁量であれば、重い屋根よりも軽い屋根の方が耐震性がアップします。
赤ちゃんの足が覚束ないのは、身体に比べて頭が重いからなんだそうです。
建物だって同じです。
こと耐震に限って言えば、屋根材は軽い方が有利なんです。
②最大の特徴は、セラミックコートされた自然石粒です。
セラミックコートとは、日本でも古くからある 『釉薬』 と呼ばれる着色方法です。
色を生成する色粉とガラスの素に700℃〜1250℃以上の高温酸化焼成を施す事で、色粉がガラスに封じ込められます。
これによって長期的に色彩を維持できます。陶器瓦や磁器タイル、お茶碗や茶器などに使用されています。
自然石粒は、鋼板層への熱伝導率を低くする役目があります。
また表面がデコボコしている為、雨粒を拡散させ雨音が当たるパタパタ音も抑えてくれます。
そして、このデコボコは強い摩擦抵抗力を持っています。
蓄熱性の高さと相まって、雪止め無しでも雪が大きく滑落する心配がありません。
③通常、スレートや瓦の屋根の棟板金内部には『木材』が使用されています。
でもディプロマットは棟板金の内部もジンカリウム鋼板なので、水の侵入で腐る事がありません。
またジンカリウム鋼板は切断部を自己修復する機能を持っている為、錆びにくいのが特徴です。
④葺き替えなしで美観を保ちます。
初期費用はやや高めですが、1回目の塗り替えでトータルコストは逆転し、長く住むほどお得な屋根材です。
中々、良い屋根材でしょ?
という訳で、最近は標準的に採用しています。
現場の状況です。
大工さんは、バルコニーの造作に取り掛かっていました。
これが終われば、FRPの施工を行います。
そして、透湿防水シートの施工です。
ようやく、雨の心配をする必要も無くなります。
梅雨入り前に、なんとか外部工事を進めたいと思っています・・・。
posted by Asset Red
住所:東京都練馬区北町2-13-11
電話:03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分