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今日はアセットフォーの定休日。
緊急事態宣言も解除された事だし、外出したいなぁー。
なんて気持ちは全くありません。
折角の休日です。
しっかりと身体を休めて、のんびりしたいと思います。
先日、弊社OBから、こんな言葉を戴きました。
「快適な家を作って戴いたので、緊急事態宣言時も楽しく安心できる生活を送る事が出来ました」
本当なんですよね。
夏涼しく冬暖かい家があると、Stay Homeも辛くありません。
快適な暮らしは、何物にも代えがたい幸せなんだと思います。
さて、本題です。
数回に分けて浮遊真菌濃度と健康リスクの関係に関する記事をご紹介しています。
その2回目となります。
b.望ましくない状況が発生する理由
前述したとおり、住環境においては栄養源と温湿度条件が揃えば真菌は増殖する。
真菌の栄養源となるものは建材やハウスダストなど、居住環境内に豊富にある。
従って、住環境の高湿度は真菌増殖の主な理由となる。
柳らがカビ指数と温湿度関係について重回帰解析を行った結果、カビ指数は湿度に深く関係する事が明らかになった。
なお図中のeは説明できないエラーを示す。
また相対湿度が70%の累積頻度が30%を超えると、その累積頻度に比例してカビの増殖速度が速くなる。
また、ハウスダスト中の堆積真菌量は相対湿度の上昇に従って多くなることが明らかになった。
住宅内が高湿度になる理由としては、結露・換気不足・過剰な加湿などが挙げられる。
c.健康影響
真菌によるヒトの健康への影響は、経皮・経口・吸入によって引き起こされる。
またヒトの健康に対する真菌の影響は、真菌が病原体となるもの・真菌から生産される毒素(マイコトキシン)が原因となるもの、および真菌そのものがアレルゲンとなるものがある。
真菌が原因となる疾患には以下のものがある。
①真菌症(真菌性疾患)
②マイコトキシン中毒症(カビ毒中毒症・真菌中毒症)
③真菌過敏症(アレルギー性疾患または過敏性反応)
真菌症には真菌(カビ・酵母)が皮膚から侵入して病変を起こす表在性のもの(水虫など)と、呼吸や経口で体内の種々組織・臓器に侵入して障害を及ぼす深在性のものがある。
下表に主な日和見感染型深在性真菌症を示す。
久米らが1969~2001年の部検例について行った調査の結果、全深在性真菌症例は年を追うごとに上昇する傾向にあり、2001年の部検例の約2%強はアスペルギルス症、1%強はカンジタ症が占め、深在性真菌症から検出される頻度の高い真菌は、カビのコウジカビと酵母のカンジタであることが明らかになっている。
コウジカビについては、院内感染の原因菌として、アメリカのCDC(疾病対策センター)のガイドラインにおいて、その対策方法の詳細が示されている。
マイコトキシンは、真菌が生産する毒素のことを言う。
これは真菌が増殖できる環境、すなわち真菌の生育にとって好都合な高温・高湿などの環境下で、かつ炭水化物を多く含む穀物類(米・ナッツなど)があるところで大量生産されることがある。
この毒素は蛋白質では無い為、熱に強く調理しても毒素が分解されないため注意を要する。
マイコトキシンには、コウジカビ(フラバス・フミガタス・オクラセウス・クロコウジカビなど)のトキシン・アオカビ(シトレオニグラム・シトリナム・イスランジグムなど)のトキシン・アカカビ(グラミネアラムなど)のトキシンなどがある。
真菌過敏症は、空中浮遊しているコウジカビやアオカビなどの胞子が抗原となって、それを吸入することによって気管支喘息・アレルギー性鼻炎・結膜炎が引き起こされる疾患である。
真菌アレルギー感作例に関する最初の報告は1924年になされ、I型アレルギーとの関連について国内での研究は1960年代に入ってからであった。
現在I型アレルギーを起こす真菌は80属200種確認されている。
一般居住環境中からよく分離される好湿性真菌クロカビ・ススカビ・アカカビ・耐乾性真菌アオカビ・コウジカビ・好乾性真菌カワキコウジカビ・アズキイロカビの何れもカビアレルゲンである。
WHO(世界保健機関)やヨーロッパ諸国などが健康リスクとの視点からカビの有害性を分類している。
下表にWHOによるカビのリスクグループの分類と、その概要を示す。
WHOのリスクグループ分類は、主として研究分野における総合的なバイオセーフティーリスクアセスメントの一部として使用されている。
下表に感染因子としてのカビに関するリスクグループ分類を示す。
一般環境中から分離される頻度の最も高いクロカビ・アオカビ・コウジカビにはリスクグループ1が多いが、リスクグループ2・3に分類されるものもある。
リスクグループ1のカビであっても胞子や菌糸体はアレルゲンとなるので、居住環境中での増殖は好ましくない。
続く・・・。
健康に暮らすための住まいと住まい方エビデンス集
健康維持増進住宅研究委員会/健康維持増進住宅研究コンソーシアム 編著
一般社団法人日本サスティナブル建築協会 編集協力
技報堂出版 刊
より、一部を抜粋して転載させて戴きました。
posted by Hoppy Red
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