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間もなく、雨になりそうな練馬・板橋です。
『FPの家 K邸』
待望の階段格子が完成しました。
こんな感じです。
床との取合いは、こんな感じ。
そして天井との取合いは、こんな感じです。
階段側板の外側に化粧板を取付けて、剛性を確保しています。
今回、化粧格子に使ったのは米ツガの無地材です。
45×105の角材です。
工場に依頼して、加工したものを現場に入れてもらいました。
米栂とは、マツ科ツガ属の常緑針葉樹。
北米大陸北西部の太平洋岸に分布しています。
やや軽軟で木理は通直、肌目は密。
加工性がよく、仕上がり良好ですが、やや割れやすいのが欠点です。
樹脂が強く、入皮のような欠点が多く見られます。
また耐朽性が低いので水分の多い所には向きません。
構造材・造作材・建具材・箱材・防腐土台・パルプなどに用いられます。
国産のツガと比べても遜色がないため、日本ではツガの代用として使われています。
私が建築の世界に入ったばかりの頃は、安い木材の代表格でした。
米栂の桁や柱、筋交い、間柱等々・・・。
羽柄材も米栂材が多く使われていました。
確かに割れやすいので、必ず面を取っていました。
そうしないと、角が木目に沿って割れちゃうんですよね。
入皮のような黒い筋も気になるんです。
でも塗装の仕上がりは良いんですよね。
洋室・和室を問わず使っていました。
グレードが上がると、ベイヒバやニヤトウ、タモなどの洋室材。
スプルス・スギ・ヒノキなどの和室材と、使い分けていたのを思い出します。
加工材の場合、材種毎に㎥単価が決まっていて、これに材積を掛けると1本当たりの単価になります。
例えば、45mm×105mm×2500mmの材料であれば、0.0118125㎥が材積(材の体積)となります。
一般的には少数第4位以下を切り捨てるので、0.0118㎥となります。
これに㎥単価を掛けます。
例えば
米栂であれば、100万円/㎥
スプルスであれば、200万円/㎥
ニヤトーであれば、200万円/㎥
を材積に掛けた値が1本当たりの単価になる訳です。(NET調べ)
米栂は11,800円/本、スプルス・ニヤトーは23,600円/本。
昔に比べると、ずいぶん高くなったなぁーと思います。
実際には、これに加工賃や配送費がさらに加わりますが・・・。
そうそう同じ栂でも、日本の栂は高いそうですね。
戦前、栂は建築用材としては高い評価を受けていました。
当時、借家などの部材はスギ・ヒノキが使われていました。
そして数奇屋造りや高級住宅建築には、栂を使うことが多く、『栂普請』として賞賛されていたそうです。
特に関西では栂が建築用材や建具用材として好まれ、京都などでは、ヒノキよりも上位ランクにされることもあったようです。
でも関東では、材が硬いので大工には嫌われたようです。
栂と米栂、こんなにも評価が違うなんて・・・。
びっくりです。
もっとも、国産栂と米栂では目の詰まり方が全然違うようです。
化粧格子に、米栂を使う理由は大きく2つあります。
①4方無地材として、比較的安価であること。
②塗装の仕上がりが良いこと。
ただし、無塗装のまま引き渡すことも多いんです。
自然塗料を使って、ご自分で塗装する方って意外とおおいんですよね・・・。
自然塗料をウエスに少量とって、木目に沿って延ばしていくだけの簡単施工だし、塗りムラもほとんど出ません。
DIYの手始めとしては、ちょうど良いからだと思います。
さすがに、白く塗り潰すのは難しいと思います。
ハケ目が出ちゃうんですよね。
そんな場合はプロにお任せするか、塗装工場に持ち込んでウレタン塗装をかけてもらいます。
今回も無塗装のまま、引き渡します。
年と共に色艶が変わるんですよね・・・。
その変化が楽しいんです。
これが無垢材の良いところだと思います。
リビングのTV収納が入ってきました。
完成品の入った箱が、いくつも運び込まれました。
1箱1箱が、かなりの重量になっています。
階段を通るのも大変なので、ユニック車を手配して2階のベランダから運び込んて貰ったんです。
やっぱり早いですね。
運ぶ際に、傷でもつけられたら厄介です。
せっかく取り付けた階段や格子材を交換する羽目になりかねません。
引出しや扉は別梱包とし、箱はノックダウンにすれば嵩張らないのに・・・?
ノックダウンであれば、組立てには、たいして時間もかかりません。
荷揚げ費を考えれば、安くなると思うんですよね・・・?
梱包資材の処分費だって、削減可能です。
なんで組立て完成品なんだろう?
posted by Asset Red
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