遣り方を行いました。

雨が降ったり止んだり・・・。

今日の練馬・板橋の空も、はっきりしません。

『FPの家 H邸』

そんな中、朝一番に遣り方を行ってきました。

一応、合羽&長靴姿の用意はしました。

でも、雨粒は時折落ちてくるだけ。

ヨシ、長靴だけ履いてやっちゃえ

そんなスタートでした。

だって、湿度が高くて合羽着ると暑いんですもん・・・。

気温こそ25℃程度でしたが、湿度は85%を超えていました。

絶対湿度は16.98g/㎏DAです。

とても合羽着て作業出来る環境ではありません。

こんな敷地です。

先日、境界にブロック塀を積みました。

その時の残土も、基礎工事と一緒に場外搬出する為に残してあります。

これ、失敗でした・・・。

(後で、サラッとご報告します。)

まずは、敷地外周部にタルキ&貫板を配ります。

そして、タルキを掛け矢を使って叩き入れます。

全てのタルキを地面に挿し終えたら、タルキに貫板を取付けるための水平墨を入れます。

そのためには、敷地と道路を見通せる位置にオートレベルを設置しなければなりません。

三脚を立て、その上でレーザー光線を発しつつくるくる回る機械です。

コレを使うと、常に地面に対して同じ高さに印をつける事が出来ます。

まず、ベンチマークとなるポイントの高さをタルキに記します。

中央の緑色の機械が、受光器です。

レーザー光線を受けるとピーという音を発します。

光が低かったり高かったりすると、ピピピと音を発します。

また、その時窓には上向きもしくは下向きの矢印が出るようになっています。

これを見ながら、音を頼りにレーザー光線の高さをタルキに記す訳です。

設計図書には、地盤面の高さがベンチマークから○○mmと表示されています。

また、弊社の基礎天端は地盤面+410mmが標準です。

この印を元に貫板の取付位置を決め、その高さをタルキに記していきます。

ここで事件が起きました。

作業中、コンベックスをブロック塀の上に置こうとした作業員が大きな声を上げたんです。

どうやら、ブロックの穴の中にコンベックスを落としてしまったようです。

フェンスの柱を挿すために、穴を残してあるんですよね・・・。

確かに、黄色いコンベックスが見えます。

でも穴が小さすぎて、手が入りません。

針金を使って引きずり上げようとしましたが、どこかが引っ掛かってしまい上げる事が出来ません。

諦めかけたんですが、バールを使って再挑戦

無事、回収する事が出来ました。

タルキに記された墨に合わせて貫板を固定しました。

おっ、レベルも映っていますね。

次に行うのは、墨付けです。

貫板に建物の配置を記していきます。

敷地を上から見た図面です。

上が北、下が南となります。

そして、向かって左が道路側になります。

敷地境界線&道路境界線の内側にある桃色の大きな四角がやり方です。

そして図中にあるポイントA~Cが建物の配置基準となります。

まず初めに行うのは、ポイントAの墨出しです。

①北側の隣地境界線から下に1000mm下がったラインを、東側・西側の貫板に記します。

②次に東側の隣地境界線から700mm離れた点を、北側の貫板に記します。

①と②の交点がポイントAとなります。

でも、ここではまだ確定できません。

よって北側貫板に②のポイントを記し、これを仮ポイントAとします。

③次に貫板に記した仮ポイントAから巻尺で、建物の長さを測り、これを貫板に記します。

今回の場合は12.74mとなります。

ここで登場するのが『カネピタ』です。

マキガネとも言います。

こんな風に、先端から2枚の金属テープが同じ長さ出るようになった機械です。

でも、コレを使う前には準備が必要です。

図にあるように、北側貫板から2925mm離れた東側・西側の貫板に釘を打ちます。

そして、カネピタ先端にある輪っかを貫板に打ち込んだ釘に引っ掛けます。

これが基準点1・2となります。

双方の輪っかを釘に挿したら、北側・南側の貫板に接するまでカネピタを絞っていきます。

先端が貫板に触れたら、真ん中の刻み線の位置を貫板に記します。

北側・南側貫板双方に墨を付ければ完了です。

イラスト仮墨①と仮墨②を結んだ線と、基準点1・2を結んだ線は直角に交わるようになっています。

最初の図を見て貰えば分かると思います。

緑の三角形も水色の三角形も、斜めの線の長さはそれぞれ等しくなっています。

同じ長さのテープが出るようになっていますから。

つまり、この三角形は二等辺三角形になっている訳です。

底辺の長さが同じ二等辺三角形の頂点を結んだ線は、底辺に対して常に直角になります。

算数で習いましたよね。

これがカネピタのしくみです。

そしてこのしくみを利用して、貫板に正しい墨をつけるんです。

もう一度、図を載せます。

既にボイントAとBは出ています。

カネピタ1と2も出ました。

カネピタ1の位置が仮にポイントBから6370mmだとすれば、カネピタ2から6370mm左にいった線を南側貫板に記します。

これがポイントCになります。

そして、ここから建物長さを測り、貫板に記せば建物の基準となる4点は決まります。

それぞれの貫板に記された墨に水糸を掛ければ、その交点が基礎の中心線になる訳です。

そして交点と隣地境界線との空き寸法をそれぞれ確認します。

北側境界から1000mm、そして東側境界から700mm。

これがぴったりと合えば、問題ありません。

もしも700mmが合っていなければ、その誤差分だけ、東側・西側の墨を上下にずらします。

これで、仮ポイントがれっきとしたポイントになりました。

念のため、水糸の交点の対角距離を測ってみます。

この時に、問題が発生しました。

対角を測る巻き尺が、残土の山に当たってしまうんです。

慌てて、崩すことになりました。

でも、雨でぬかるんでいるんです。

しかもスコップを用意していませんでした。

仕方なく、長靴を履いた私が足で崩す羽目に・・・。

日頃の運動不足が祟ったのか、変な姿勢が悪かったのか、内股が釣りそうになりましたよ。

図中のポイントAとCの距離、そしてポイントBと残ったポイントの距離が等しければ、この四角形は矩形である事が証明されます。

もしも違っていれば、平行四辺形になっている筈ですから、再度墨出しをやり直します。

対角距離に問題が無ければ、貫板に基礎の通りを墨付けします。

見えるでしょうか?

貫板に線が引かれているでしょ?

これが基礎の通り芯です。

遣り方、無事完了しました。

もう少しで完了という時に、ザーッと雨が降ってきました。

まあ、仕方ないですよね。

途中、降らないで良かったですよ。

後は天気次第です。

空模様と相談しつつ、基礎工事を進めていきます。

 

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