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雨・雨・雨。
そして、溜息・溜息・溜息・・・。
愚痴を言っても仕方ありません。
ひたすら、雨が止むのを待つばかりです。
板橋区蓮根2丁目に建つ『FPの家 K邸』
今日も左官工事は進まず・・・。
建物内の工事のみが、粛々と進むばかり・・・。
クローゼット内部の壁・天井のクロスが張り上がった状態を撮ってみました。
こちらは押入です。
LDは未だ、貼り終わっていません。
写真左側の梁型も下地のままですね。
3階洋室のクロスは全て、貼り終えました。
3階ホールも、この通り。
床のCFシートも完了です。
床下点検口の蓋にも、貼りました。
あと3日もあれば、全てのクロスを貼り終える予定です。
ちなみに、水廻り以外のクロスは『紙クロス』を採用しています。
欧米では、クロスと言えば紙クロスもしくは布クロスが主流です。
一方、日本ではビニールクロス(以下、ビニクロ)が一般的。
その比率は、どの位だと思いますか?
一般財団法人 日本壁装協会によれば、2019年度の壁紙の内需出荷量は674,306,126㎡だったそうです。
よく考えてみれば、ビニールなのに壁紙っておかしいですよね?
そもそもクロスって布の事。
布クロスってクロスクロスにならないの?
変なの
それぞれの出荷量と比率を比べてみましょう。
ビニクロが、614,430,984㎡(91.12%)。
紙系クロスが、3,623,052㎡(0.53%)。
繊維系クロスが、1,052,302㎡(0.15%)。
ビニクロは実に9割を超えている・・・。
改めてビックリしました。
まさか、これほどとは思いませんでした。
別のデーターを見ると、ビニクロの海外への輸出って、ほぼ無いんですよね。
何故なんでしょうか?
ビニールクロスは、ポリ塩化ビニールを原料としたクロスです。
そして紙クロスは紙、布クロスは布を原料としています。
実を言えば、施工方法は大きく変わりません。
(細かく言えば、かなり違いますが・・・。)
紙クロスもビニクロと同じように、石膏ボードが下地です。
そこにパテを練り付け、平らに均し、糊をつけてクロスを張ります。
でも紙クロスは薄いので、石膏ボートの仕上げが悪いと仕上げが悪くなります。
そのため施工の際には、ビニクロ以上に下地に気を使わなければなりません。
パテ処理をきれいにしておく必要がある訳です。
また糊付けする際にも注意が必要です。
紙自体に伸び縮みがあるため、熟練した職人さんでないと柄合わせが難しいんです。
無地であっても、気は使います。
これがデメリットかな?
当然手間が掛かる分、施工費も高くなります。
材料費は、大差ないのに・・・。
ビニクロであれば、ある程度の伸びがあります。
乾いても収縮する事はありません。
その分、ジョイント部分の隙間を隠すことが出来ます。
でも紙クロスはビニクロほど伸びません。
しかも、乾くと収縮します。
だから、ジョイント部分が空いてしまう事があるんです。
隙間がある=施工が雑
と思っている方が多いと思います。
ビニクロであれば、その通りだと思います。
でも紙クロスの場合は、必ずしもそうではありません。
紙クロスを施工できる人が少なく競争原理が働きにくいせいか、施工費を下げにくい気もします。
ビニクロであれば、貼ってくれる人はいくらでもいますから・・・。
もっともビニクロの場合も、10年もすればジョイントが空いてしまいます。
クロス内に含まれる『可塑剤』が抜けると、ビニクロは収縮するからです。
可塑剤とは、本来硬い塩ビ樹脂を軟らかくしなやかにするために添加する化学物質です。
ビニクロも塩ビ素材ですから、本来は硬くて曲がりません。
あっ、塩ビ素材ってプラスチックの事です。
そもそも、とても壁や天井に貼れるようなシロモノではないんです。
でも可塑剤を添加すれば、柔らかくしなやかになる訳です。
ポリ塩化ビニルの場合は、フタル酸エステルが最も多く使用されているそうです。
ビニクロも樹脂サッシも、ポリ塩化ビニルで作られています。
前者は硬質PVC、後者は軟質PVCと言われますが、可塑剤の添加量に大きな差があるようです。
前者の場合は可塑剤を入れないか、入れても5%程度。
これに対して後者では、30~50%も可塑剤を加えると言われています。
可塑剤は樹脂と結合しているわけではないので、時間の経過とともに気散・溶出し樹脂が硬化します。
こうした可塑剤のなかには環境汚染が危惧されたり、環境ホルモンでないかと疑われているものがあるそうです。
入れすぎは怖い気がする・・・。
可塑剤は、少しづつ空気中に放散されます。
そして収縮し、最終的には硬いプラスチックに戻ってしまいます。
硬くなった端部って、案外危険なんですよね。
クリアファイルの端がめくれているようなモンです。
誤って怪我するかもしれません。
これがビニクロのデメリットだと思います。
以下、私が考えるビニクロのメリット・デメリットを挙げてみます。
①帯電しやすい素材の為、空気中の埃を引き寄せてしまいます。
汚れが付着しやすいのもデメリットのひとつです。
②湿気を通しにくいので、表面結露を起こしやすい素材でもあります。
折角の木が持つ吸放湿性能を活かすことが出来ません。これデメリットですよね。
③汚れを拭き取りやすいのは、メリットです。但し、ゴシゴシ擦ると破れてしまいます。
④色柄が豊富です。安価に色々なデザイン・テクスチャーを楽しむ事が出来ます。これもメリットです。
⑤経年劣化が激しい為、長持ちしません。これデメリットです。
紙クロスの場合はどうでしょうか?
①帯電しにくい素材の為、空気中の埃を引き寄せてることがありません。
これメリットでしょ。
②湿気を通しやすいので、表面結露を起こしにくい素材です。
木が持つ吸放湿性能を活かすことが出来きます。これメリットですよね。
③紙のため、汚れを拭き取る際に破れてしまいます。
デメリットです。でも、プラスチック消しゴムを使えば大抵の汚れは取れます。
④色柄が少ないんです。これもデメリットです。
でも上塗りする事で、それなりに楽しむことが出来ます。値段は益々上がりますが・・・。
⑤経年劣化が少ない為、長持ちします。これメリットです。
しかも上塗りする事で、張替えの必要がなくなります。
ヨーロッパのホテルでは、この方法で100年以上使っているという話も聞きます。
紙クロスって、凄いでしょ?
まさに神クロスだと思います。
ちなみに『神クロス』で検索すると、『神聖衣(ゴッドクロス)』がヒットします。
笑える・・・。
posted by Asset Red
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