換気の話

今日は日曜日。

現場はお休みを頂いております。

今回は換気の事を書いてみようと思います。

コロナ禍で、色々な事が変わりつつあります。

住宅における換気の仕方も、そのひとつ。

家の空気の中には、汚染物質がたっぷり混じっているんです。

家の中の汚染物質を、清浄な外気と入れ替える。

これが換気です。

ちなみに建築基準法では、0.5回/hの換気量が義務付けられています。

これって、家中の空気を2時間に1回(1時間に0.5回)清浄な外気と入れ替える事を意味しています。

例えば100㎡の住宅の場合、天井高さが2.4mであれば、気積(建物容積)は240㎥となります。

換気回数が0.5回/hであれば、120㎥/hの換気量が必要になる訳です。

でも、これって主にホルムアルデヒド濃度が許容濃度にならない為の必要換気量なんです。

これだけで問題無いの

身体に良くない汚染物質って、他にもたくさんある筈ですよね・・・。

もちろん、これだけではありません。

イラストの他にも、色々あります。

例えば、二酸化炭素や一酸化炭素、窒素酸化物や硫黄化合物も立派な汚染物質です。

二酸化炭素であれば、建築基準法上、居住人数×30㎥が必要換気量となります。

ビル管理法によれば、なぜか25㎥/hが必要換気量になります。

先程の100㎡の家に家族5人で住むとすれば、5人×30㎡/hで150㎥/hの換気量が必要となります。

これって、0.62回/hに当たります。でもビル管法であれば、125㎥/hで0.52回/h。

これらと、0.5回/hのどちらか大きな値を採用する必要があるんです。

値こそ違いますが、CO2濃度が1000ppmを超えないようにするための指針値となっています。

上表では、室内空気のCO2濃度とその意味する事を挙げています。

この中で、上から2段目の『0.10%』がCO2濃度1000ppmに当たります。

「一般の場合の許容値(燃焼器具を使用しない場合)」とあります。

でもその上には、「多数継続材質する場合の許容値(燃焼器具を使用しない場合)」とあるし、その下には「換気計算に使用される許容値(燃焼器具を使用しない場合)」とあります。

0.7が良いのかな

1.5でも良いの

どっちなの

わかりにくいですよね。

そして0.2~0.5ppmに相当不良と認められる(燃焼器具を使用する場合)と書かれています。

これを超えると、流石に様々な不具合が認められるようです。

どんな症状が出るの

具体的に言うと、こんな症状のようです。

なんだか怖いですよね。

0.1~5%で「耳鳴り・頭痛・血圧上昇」が発症するようです。

でも、5%って50000ppmです。

範囲が広過ぎて、ピンと来ません。

他の資料を見ると、こんな事が書かれていました。

1500ppm・・・学校環境衛生の基準値(以下が望ましい)
2000ppm・・・眠くなる人が多くなるなど体調の変化と空調に苦情が出てくるレベル
3000ppm・・・肩こり、頭痛やめめいを感じる人が出るなど健康被害一歩前の限界レベル
5000ppm・・・長期安全限界濃度(8時間以上滞在すると危険

ナルホド・・・、0.5%(5000ppm)が限界濃度なんですね。

逆に室内では800PPM以下であれは問題の少ないレベルとされています。

敏感な人の場合は、1000PPMを越えると「空気が悪い」と感じ、徐々に集中力や思考力が低下するそうです。

この辺りが1000ppmの根拠なのかもしれません。

一方、欧州空調換気設備協会(REVHE)は『外気と同じ400ppmを目標に』と警告しています。

1000ppmではありません、400ppmです。
 
ウイルス感染を問題にしている訳ではありません。
 
仮に室内のCO2濃度を1000ppmとした場合、一人当たり33㎥/hの換気をしなければ、これを満たす事は出来ません。
 
33㎥/h×5人=165㎥、これって0.68回/hに当たります。
 
換気回数0.5回/hって、本当に大丈夫なの って思いますよね。
 
しかも、これを0.3回/hに減らした方が省エネで良い という方々も多いんです。
 
確かに、換気回数を減らせば省エネになります。
 
換気運転に伴う消費電力を抑えることが出来ます。
 
そもそも冬季に換気量を増やせば、室内の調整した空気を外気と交換する量が増えるでしょ
 
25℃の暖かい空気を捨てて、0℃の外気を導入すれば寒くなるのは当たり前です。

当然、暖房エネルギーが増大します。

でも換気回数を減らせば、確実に室内空気の質は低下する筈。

なんで、この問題がニュース等で取沙汰されないんだろう

不思議で仕方ありません。

でも、新しい厚生労働省の指針では換気回数2回/hを推奨しています。

2枚目の②窓の開放による方法に、「換気回数を2回以上(30分に1回以上、数分間程度、窓を全開する。)とする事。」と明記しているでしょ

そして「空気の流れを作るため、複数の窓がある場合、2方向の壁の窓を開放すること。窓がひとつしかない場合は、ドアを開けること。」とも書かれています。

これがスタンダードになれば、様々な問題が解決する筈。

でも、省エネ的には問題が残ります。

エアコンで冷暖房しても、換気を増やせば意味ありません。

エアコンをガンガンかければ、増エネです。

省エネルギーって、地球環境にも直結しますよね。

決して疎かに出来る事ではありません。

でも健康も大切です。

省エネを取るか? vs 健康を取るか

でも答えは簡単です。

両方取る

これしかありません。

だって、健康を無視する訳にはいきません

熱交換器を上手に利用するしかないでしょ

更なる小エネを追求するならば、換気素子自体の漏気を防ぐとか熱交換率を高める必要だってあります。

ここは機器メーカーに頑張ってもらうしかありません。

ダクトの工夫も必要です。

風量に見合った設計・施工をしなければ、別の問題が出ると思われます。

ここは、設計者&施工者の役割です。

ダクト内の汚れ対策だって必要では

フィルターの、まめな交換が必須となります。

ここは、居住者の役割です。

結局、関わる全ての人が頑張るしかないんですよね。

コレ、あくまでも私見です。

でも、換気回数2回/hを満たす風量の住宅用換気システムなんて、そうそうありません。

そして、「これが問題である」と認識している方々が意外と多いのも問題だと思います。

マスコミぐるみの隠蔽体質&情報統制。

そして既得権益者の保護第一主義。

ここが一番の問題だったりするんですよね・・・。

 

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