朝から降り続いていた雨がようやく止みました。
このまま梅雨が明ければいいのに。
なんて思っていたら、また雨です。
まだしばらくは、梅雨明けはお預けなんでしょうね・・・。
最近ふと、気になった事がありました。
数日前の事です。
知人が投稿した『コロナ禍の車の換気方法の在り方』をFBで見掛けたんです。
氏曰く「車を運転する際には、外気導入モードとし左右の窓を数cm開けて走るのが良い。」との事。
私の場合、冷房シーズンは、ほぼ内気循環を選択しています。
暑気の溜まった状態を改善したい場合は、窓を開け+外気導入に切り替えますが、涼しくなったら直ぐに内気循環に戻していました。
皆さんは、外気導入と内気循環の違い、わかりますよね。
こんな表示が、カーエアコン回りにあると思います。
車内の空調管理には、「外気導入」と「内気循環」の2種類があり、乗員が任意で使い分けることができます。
外気導入は外気を取り入れて車内の空気を換気したいときに使い、内気循環は、外気が入ることをある程度抑えることができます。
車って、ある程度密閉された空間でしょ。
清浄な空気を導入しなければ、空気質が劣化するのは住宅と同じなんです。
だから換気が必要となります。
でも、これって案外忘れている人が多いんです。
ネットをググれば、車内のCO2濃度を外気導入時と内気循環時で比較したデーターを簡単に探すことが出来ます。
こんなデーターを見たら、外気導入するしかありませんよね。
CO2濃度が2000ppmを超えれば、眠気が強くなるそうですから・・・。
早速、窓を開け、外気導入に切り替えて運転するようにしました。
外気導入だけじゃダメなんですね。
窓を開ける事にも意味がある筈。
密閉した空間に外気を導入しても、汚染空気の出口を作らなければ空気の入れ替えは思ったほど出来ません。
これは、お引渡し前の『換気風量測定』を行っていると凄く実感します。
風船に空気を入れるのと同じなんです。
ある程度まで空気を入ると、内外気圧差が大きくなり、いずれ空気が入らなくなります。
風船だったら、その前に割れちゃうかな?
だから窓を開けて、空気の出口をつくる訳です。
ここで、ふと気になったんです。
窓の隙間から空気は、出ているの?
手を充ててみましたが、風を感じないんですよね。
走っていると、寧ろ入ってくる感じすらします。
風の状態とか、ボディの空力特性(?)によっても結果は違うんでしょうが、外気が入ってしまえば意味ないのでは?と思ったんです。
と、いう訳で確認してみました。
用意したのは、風速計&微風速計です。
右が風速計、そして左が微風速計になります。
普段携帯している風速計よりも、微風速計の方が少ない風を測ることが可能です。
車は停止状態とし、エンジンを始動。
まずは窓を閉めて、内気循環モードにて、風量1の時の風速を測ってみました。
風の吹き出し口は4つあります。
それぞれの開口寸法は、全て74mm×40mmでした。合計118.4㎠になります。
便宜上、左から順に①②③④とし、風速計を使用しました。
①2.6m/s
②3.0m/s
③2.4m/s
④2.7m/s
という結果となりました。
それぞれの風速を開口面積(74mm×40mm)に掛けて、風量を算出します。
①0.007696㎥/s
②0.00888㎥/s
③0.007104㎥/s
④0.007992㎥/s
合計0.031672㎥/s≒114.0㎥/h
これが、内気循環時の風量です。
ちなみにキャビンの大きさは、およそW1300×L2900×H1300ですから、キャビン容積は4.9㎥になります。
この時の換気回数は23.2回/h。
全てが外気であれば、明らかに過換気となります。
次に窓を閉めたまま、外気導入モードにしてみました。
結果は、以下の通りです。
①2.7m/s
②3.1m/s
③2.7m/s
④2.6m/s
同じように、それぞれの風速を開口面積(74mm×40mm)に掛けて、風量を算出します。
①0.007992㎥/s
②0.009176㎥/s
③0.007992㎥/s
④0.007696㎥/s
合計0.033856㎥/s≒121.8㎥/h
これが、外気導入時の風量です。
排気口が無い訳ですから、内気循環時と外気導入時の風量には差がある筈ですよね?
だって内気循環であれば、車内で空気を移動しているだけですから、内外差圧は発生しません。
でも外気を導入すれば、室内の気圧は上昇し、内外差圧は高くなります。
その分、内気循環の方が風量が大きい筈。
でも、思ったほど差がありません。
しかも、後者の方が多いんですよね。
不思議・・・。
軽の箱車とは言え、それなりにキャビン容積はあります。
時間を掛けないと、内外差圧が出ないのかな?
それとも、窓以外の隙間が意外と大きかったりして・・・。
でも流石に、車のC値を出すつもりもありません。
次に窓を1.5cmほど開けてみました。
今回は片側だけ開ける事にしました。
風の影響を無くしたかったからです。
幅1.7cm×長さ42.0cmで、開口面積は71.4㎠になりました。
今度は微風速計を使って、それぞれの風速を測ってみました。
内気循環時の風速は0.51m/s。
おっ、空気出てるんじゃん!
でも、換気風量は0.0036414㎥/s≒1.3㎥/hでした。
そして外気導入時の風速は1.27m/s。
換気風量は0.0090678㎥/s≒3.26㎥/hです。
どちらも圧倒的に少ないんです。
吹き出し量に見合った風量になっていません。
でも、外気導入の方が若干ですが風量が多くなっています。
この点だけは、理に適っていますよね。
車の場合、窓開けと換気風量って関係ないのかな?
今度は、この状態で吹き出し風量を測ってみましょう。
まずは内気循環モードです。
①0.006808㎥/s
②0.008288㎥/s
③0.006808㎥/s
④0.007696㎥/s
合計0.0296㎥/s≒106.5㎥/h
そして外気導入モードです。
①0.006512㎥/s
②0.008584㎥/s
③0.007104㎥/s
④0.007104㎥/s
合計0.029304㎥/s≒105.4㎥/h
どちらも、窓を開けない方が風量が大きいですね。
不思議・・・。
カーエアコンって、住宅用のエアコンと仕組みが違うのかな?
ちょっと だけ、ググってみました。
以下、エアコンのメンテナンスとリフレッシュ(株式会社三浦モータース)のHPより一部を抜粋させて戴きます。
詳しく知りたい方は、元ページをご確認ください。
上の図はカーエアコンのユニットを簡単に示したものです。
基本的には家庭用のエアコンと同じです。
家庭用エアコンの場合は室内機と室外機とが縦方向に設置されていますが、カーエアコンは各パーツが其々に横方向に設置され、そのパーツ間をエアコンガスがグルグルと循環しています。
ここでは家庭用のエアコンの室内機にあたる『エバポレーター①』をスタート地点として冷房時の流れを説明します。
1.エバポレーターは冷やされたエアコンガスを通過させながら、冷気を蓄える役割を担っています。
2.『ブロアファン②』は車内または車外の空気を取り込み、フイルターに送ります。
3.『フィルター③』は汚れやカビを除去します、
4.冷えたエバポレーターを通過した空気は冷やされ、冷風として車内を冷やします。
5.この時に温度差による結露水を車外に放出するのは、住宅用エアコンと同じ仕組みです。
6.エバポレーターを通過した冷媒は『コンプレッサー④』に送られます。
7.ここで高圧縮され、約80℃になります。(コンプレッサーの役割は冷えた冷媒を圧縮し高温にすることです。)
8.高温になった冷媒は次に『コンデンサー⑤』を通過します。
9.この時ファンによる風や外気によって冷却され、60℃くらいの液体に変わります。(コンデンサーの役割は冷媒を気体から液体に変える事と、一次冷却です。)
10.コンデンサーを出た冷媒は『レシーバドライヤー⑥』を通過します。(車種によって異なりますが、レシーバは液化しきれなかった冷媒を再度コンデンサーに差し戻し、ドライヤーは液化した冷媒からコンプレッサーから出る金属片などの微細な不純物を取り除く役割を担っています。)
11.レシーバドライヤーを出たエアコンガスは高圧の液体のまま『エキスパンションバルブ⑦』を通過します。
12.ここで霧状に噴射され、高圧の状態から低圧の状態に変わります。
13.それと同時に液体から気体に変化することで、10℃以下まで温度が下がります。
この文章を見ると、確かに住宅用エアコンと大差ありません。
違うとすれば、ブロアファンへの吸気に室内空気と外気を選べる事くらいです。
あれ
もしかすると・・・。
イラストには、外気取入れ口の仕組みが書かれていません。
勝手に仕組みを想像してみました。
外気取入口の想像図です。
上に外気弁があります。
ここを開けると、外気を採り入れることが出来ます。
下にはブロアファンへの給気ダクトがあります。
換気装置であれば、SAに当たります。
そして、横には室内の汚染空気が入ってくるダクトがあります。
RAに当たります。
内気循環モードであれば、ここからの空気を室内に戻す訳です。
箱の中の空気は、ブロアファンを回していれば負圧になります。
よって、内気循環中はRA空気を室内に導入します。
そして外気弁を開けた時には、RAとOAの空気を混ぜて室内に運んでいるのかも知れません。
でも、これってリターン戻しですよね?
今現在、コロナ禍にあって問題視されている換気方法です。
まずいんじゃない?
RAダクトに内気弁が付いていて、外気弁が開くと同時に閉まるような仕組みになっていれば問題ありません。
きっと、そうなっているんでしょう。
でも、その場合は先述の内気循環と外気導入に関する説明の辻褄が合いません。
「内気循環は、外気が入ることをある程度抑えることができます。」
これです。
内気弁があり外気と内気を分断出来るのであれば、ある程度抑えることが出来るなんて表現使いませんよね?
ここ、凄く知りたいところです。
新鮮空気に汚染空気を混ぜていたら、換気回数を多くしてもあまり効果が無いのでは?
でも換気回数が22.3回/hもあれば、大丈夫なのかな?
謎が多いままではありますが、まとめてみます。
住宅用のエアコンの場合、室内空気を内機の上部からフィルター越しに採り入れます。
イラスト中、②室内の暑い空気と書かれた部分です。
カーエアコンの場合も、ほぼ変わりません。
これが内気循環モードです。
仮に住宅用エアコン上部のフィルター近くに、外気取入口を設けたとします。
全てではないにしろ、ここから入った新鮮空気を冷やしたり温めたりして吹き出す事になりますよね?
これが、カーエアコンの外気導入のイメージです。
排気口があっても無くても、吹き出し空気の量は関係ないんです。
窓を開けて扇風機を回しても、窓を閉めて扇風機を回しても風量は同じになるでしょ。
それじゃー、窓開けする意味はどこにあるの?
結局、話が最初に戻ってしまいました。
でも、CO2濃度のグラフを見て納得です。
再度、挙げてみました。
これを見ると、外気導入モードでもCO2濃度って800ppm位にしか下がっていません。
ダメじゃん
CO2濃度は、400ppmが望ましいんです。
要は換気量不足という訳です。
不足分を補うための窓開けだったんですね。
だから、左右両方の窓を開けなければなりません。
納得・・・。
今回は車やカーエアコンのしくみを理解していない私の戯言でした。
詳しい方が読めば、苦笑するかも知れませんね。
もしよければ、間違いを教えてください。
いづれにしても、窓開け&外気導入で運転を続けたいと思います。
でも窓は、もっと大きく開けないとまずいかも?
車内のCO2濃度を400ppm以下に下げる・・・。
意外と難しいですよね。
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posted by Asset Red
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